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始末書とは、業務上のミスや規則違反について経緯・原因・反省・再発防止策を記載し、会社に提出する文書である。顛末書(事実報告が目的)や反省文(個人の反省が目的)とは異なり、始末書は「会社への正式な謝罪と改善の誓約」という性質を持つ。
始末書とは?いつ書くもの?
始末書は、業務上の過失やルール違反に対して、本人が経緯・原因・反省・再発防止策を文書にまとめ、会社に提出する書類です。上司や人事部門から提出を求められるケースが一般的で、懲戒処分の一環として求められることもあります。
始末書が必要になる主な場面
- 会社の備品・機器の紛失・破損
- 業務上の遅刻・無断欠勤(繰り返しの場合)
- 顧客への対応ミス・クレームの発生
- 社内ルール・規程への違反
- 業務上の事故・損害の発生
- 情報漏えい(軽微なものを含む)
始末書と顛末書・反省文の違い
| 文書 | 目的 | 記載の重点 | 提出先 |
|---|---|---|---|
| 始末書 | 謝罪と改善の誓約 | 反省・再発防止策 | 上司・人事部門(社内正式文書) |
| 顛末書 | 事実の報告 | 発生経緯・時系列の正確な記録 | 上司・関係部門 |
| 反省文 | 個人の反省表明 | 自分の気持ちの整理 | 上司(社内正式文書ではないことが多い) |
始末書の基本構成【5つの必須項目】
| # | 項目 | 内容 | 書き方のポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | 件名 | 始末書 | 「始末書」とだけ記載。件名に詳細を入れない |
| 2 | 事実の記載 | 何が・いつ・どこで・どのように起きたか | 5W1Hで客観的・正確に。推測や言い訳を含めない |
| 3 | 原因 | なぜ発生したか | 自分の責任を認めた上で、構造的な原因にも触れる |
| 4 | 反省と謝罪 | 自分の非を認め、深く反省していることを表明 | 言い訳をせず、率直に反省の言葉を述べる |
| 5 | 再発防止策 | 同じことを繰り返さないための具体的な対策 | 「気をつけます」ではなく、具体的な行動を記載 |
場面別の例文
例文1: 会社備品の紛失
始末書
○○年○月○日、外出先において会社貸与のノートPC(管理番号: ○○○)を紛失いたしました。
当日、○○駅にて打ち合わせ後にカフェで作業を行い、退店時にPCが入ったカバンを座席に置き忘れました。気づいたのは帰社後で、直ちに店舗に連絡しましたが発見に至りませんでした。翌日、最寄りの警察署に遺失届を提出しております。
原因は、退店時の持ち物確認を怠ったことにあります。社外に持ち出す機器の管理に対する意識が不足していたと深く反省しております。
再発防止策として、以下を実施いたします。
・外出時は持ち物チェックリストを使用する
・カフェ等での作業時はPCを体から離さない
・退店時に必ず座席周りを確認する習慣をつけるこのたびは多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。今後このようなことがないよう、十分注意してまいります。
例文2: 遅刻(繰り返し)
始末書
○○年○月○日、○月○日、○月○日の計3回にわたり、始業時刻(9:00)に遅刻いたしました。遅刻時間はそれぞれ約15分、20分、10分です。
原因は、夜更かしによる寝坊および通勤時間の見積もり不足です。社会人としての基本的な時間管理ができていなかったと深く反省しております。
再発防止策として、以下を実施いたします。
・就寝時刻を23時に固定する
・アラームを2つ設定し、起床を確実にする
・始業30分前には出社できるよう通勤スケジュールを見直す同僚やチームにご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
例文3: 業務上の事故・損害
始末書
○○年○月○日、○○倉庫にて商品搬入作業中、フォークリフトの操作ミスにより保管棚の一部を破損させ、商品○点(推定被害額約○万円)に損害を与えました。
原因は、作業手順書に定められた安全確認(後方確認)を省略したことにあります。作業の効率を優先し、安全手順を軽視したことは重大な過失であったと認識しております。
再発防止策として、以下を実施いたします。
・作業開始前に安全手順書を必ず確認する
・フォークリフト操作時の安全確認を声出し確認で行う
・月1回の安全研修に自主的に参加するこのたびの事故により会社に多大な損害を与えたことを深く反省し、心よりお詫び申し上げます。
始末書を書く際の7つの注意点
1. 言い訳をしない
「電車が遅れた」「体調が悪かった」等の事情があっても、まず自分の責任を認めた上で事情を述べます。冒頭から言い訳を並べると、反省の態度が伝わりません。
2. 事実を正確に書く
日時・場所・状況を5W1Hで客観的に記載します。曖昧な表現(「たぶん」「だったと思います」)は避けてください。
3. 再発防止策を具体的に書く
「今後気をつけます」「二度としません」だけでは不十分です。何を・いつから・どのように実行するかを具体的に記載します。
4. 手書きかパソコンかは社内ルールに従う
会社によって手書き指定の場合とパソコン作成可の場合があります。指定がなければ、パソコンで作成し署名・押印を手書きで行うのが一般的です。
5. 提出期限を守る
始末書の提出を求められたら、可能な限り早く提出します。提出が遅れること自体が新たな問題になります。
6. コピーを保管する
提出前に必ず自分用のコピーを保管してください。後日内容の確認が必要になる場合があります。
7. 提出を拒否できるケースもある
始末書の提出は懲戒処分として就業規則に定められている場合は義務ですが、就業規則に根拠がない場合は拒否できる場合もあります。不当な要求と感じる場合は、労務担当や労働組合に相談してください。
始末書のフォーマット
始末書
○○年○月○日
○○部 ○○課長 殿
○○部 ○○課
氏名 ○○ ○○
【事実】
(何が・いつ・どこで・どのように起きたか)
【原因】
(なぜ発生したか)
【反省・謝罪】
(自分の非を認め、反省の言葉)
【再発防止策】
(具体的な対策を箇条書きで)
以上
署名・押印
まとめ
始末書は、自分の非を率直に認め、具体的な再発防止策を示すことで、会社への誠意を伝える文書です。事実を正確に書き、言い訳を避け、再発防止策を具体的に記載することが、受け手に反省の態度が伝わる始末書のポイントです。
