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断面図とは?なぜ必要なのか
断面図とは、対象物を仮想的に切断し、その切り口の形状を示した図面です。投影図(正面図・側面図等)だけでは表現しにくい内部構造を明確に伝えるために使用します。
JIS Z 8316:1999(製図―図形の表し方の原則)で規定されています。
断面図が必要な場面
- 内部に穴・溝・空洞がある部品:隠れ線(破線)だけでは形状が複雑で読みにくい
- 肉厚を明示したい場合:パイプ、ケースなどの壁厚を明確にする
- 組立の内部構造:はめ合い部やシール構造の詳細
- 溶接断面:溶接部の開先形状や溶接金属の範囲を示す
断面図の種類と使い分け
1. 全断面図(Full Section)
対象物を中心線で完全に切断し、片方を取り除いて描く最も基本的な断面図です。
- 適用:内部構造が複雑な部品全般
- 特徴:切断位置が対称中心線上であれば、切断線の表示は省略可能
- 例:シリンダーブロック、ハウジング、バルブボディ
2. 片側断面図(Half Section)
対称形状の部品を中心線で半分だけ断面にし、残りは外形を描く方法です。
- 適用:対称部品で、外形と内部を同時に示したい場合
- 特徴:中心線を境に上半分(または左半分)が断面、下半分(または右半分)が外形
- 例:プーリ、フランジ、カップリング
3. 部分断面図(Partial Section / Broken-out Section)
特定の部分だけを断面にし、破断線(フリーハンドの不規則な線)で区切る方法です。
- 適用:一部の内部構造だけ示せば十分な場合
- 特徴:必要最小限の範囲だけ断面にできるため、他の情報を損なわない
- 例:キー溝の深さ、ボス穴の内径を示す場合
4. 回転断面図(Revolved Section)
細長い部品(軸、リブ等)の断面形状を、その場で90°回転させて描く方法です。
- 適用:軸やアームの断面形状を簡潔に示したい場合
- 特徴:別の図面を追加せず、投影図上に直接断面を重ねて描く
5. 移動断面図(Removed Section)
回転断面図と同じ断面を、投影図の外に引き出して描く方法です。
- 適用:回転断面図では投影図が見にくくなる場合
- 特徴:引き出し線で切断位置を示し、図面の空いたスペースに断面を配置
6. 階段断面図(Offset Section)
切断面を階段状にずらして、複数の形体を一つの断面図で表現する方法です。
- 適用:中心線上にない穴やキー溝を含めて断面にしたい場合
- 特徴:切断線を屈曲させて描き、切断面の変わる部分を太い一点鎖線で示す
切断線の描き方
断面図には切断位置を示す「切断線」を投影図上に描く必要があります(全断面図で対称中心線上の場合は省略可能)。
切断線の構成要素
| 要素 | 線種 | 意味 |
|---|---|---|
| 切断線の端部 | 太い一点鎖線 | 切断の始点と終点を示す |
| 切断線の方向変更部 | 太い一点鎖線 | 階段断面の屈曲点 |
| 切断線の中間部 | 細い一点鎖線 | 切断線の経路(省略可能な場合あり) |
| 矢印 | 端部に付加 | 断面の投影方向を示す |
| 識別記号 | 矢印の近くに記入 | A-A、B-Bなどのアルファベット |
ハッチングの描き方とルール
ハッチング(断面線)は、断面図で切断された面(断面部分)を示す平行斜線です。
基本ルール
- 線種:細い実線
- 角度:通常45°。外形線と平行になる場合は30°や60°に変更
- 間隔:均等。図面の大きさに合わせて2~5mm程度
- 方向:同一部品内では同じ角度・間隔を維持
材料別ハッチングパターン(JIS Z 8316参照)
| 材料 | ハッチングパターン | 特徴 |
|---|---|---|
| 金属全般 | 45°の平行斜線 | 最も基本的なパターン |
| コンクリート | 点描+三角形 | 建築図面で使用 |
| 木材 | 年輪状の曲線 | 木目方向を表現 |
| 土・地盤 | 点描 | 土木図面で使用 |
| ガラス | 細い実線(間隔広め) | 建築図面で使用 |
| 液体 | 水平の細い波線 | 液面のレベルを示す |
組立断面図でのハッチング
複数部品が接する組立断面図では、隣接する部品のハッチングを区別します。
- 角度を変える:部品Aは45°、部品Bは-45°(反対方向)
- 間隔を変える:部品Aは3mm間隔、部品Bは2mm間隔
- 角度と間隔の両方を変える:3部品以上が接する場合
ハッチングを入れない要素
断面図であっても、以下の要素にはハッチングを入れません。
- 軸:丸棒の長手方向の切断面
- リブ・ウェブ:薄肉の補強部材を長手方向に切断した場合
- ボルト・ナット・ピン:組立断面図で切断されても外形で描く
- 歯車の歯:歯の断面は描かず、ピッチ円で表現
- ローレット・スプライン:外形で表現
断面図のよくある間違いと対策
間違い1:ハッチングの角度が外形線と平行
45°のハッチングが部品の外形線と平行になると、断面部分が見づらくなります。
対策:外形線と平行にならないよう、30°や60°に変更しましょう。
間違い2:薄肉部品のハッチングが潰れる
板厚が薄い部品では、ハッチングの線が密になりすぎて塗りつぶしに見えます。
対策:JISでは薄肉部は塗りつぶしで表現してよいと規定されています。隣接部品との間に0.7mm以上の隙間を空けましょう。
間違い3:切断線の矢印方向と断面図の向きが不一致
矢印が示す方向から見た断面を描くのがルールです。
対策:切断線の矢印方向を確認し、その方向から見た形状を断面図に描きましょう。
断面図とAI図面解析
断面図はAI解析において重要な情報源です。
- ハッチング領域の自動検出:断面部分を画像認識で検出し、肉厚や内部形状を自動計測
- 2D断面図からの3Dモデル復元:複数の断面図を組み合わせて3Dモデルを自動生成
- 材料の自動判別:ハッチングパターンから材料種別を推定
renueでは、断面図を含む複雑な図面のAI解析ソリューションを提供しています。お気軽にご相談ください。
まとめ
- 断面図は内部構造を明確にする図面表現。全断面・片側断面・部分断面・階段断面等がある
- 切断線は太い一点鎖線(端部)+矢印+識別記号で構成
- ハッチングは45°の細い実線が基本。外形線と平行になる場合は角度を変更
- 組立断面では隣接部品のハッチング角度・間隔を変えて区別する
- 軸・リブ・ボルト・歯車の歯にはハッチングを入れない
- 薄肉部品は塗りつぶしで表現可能(隣接部品と0.7mm以上の隙間を確保)

