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退職金の相場|勤続年数・企業規模別の平均額・税金の計算方法を解説

公開日: 2026/4/4

はじめに:退職金は「もらえて当たり前」ではない

「退職金はいくらもらえるの?」「勤続年数でどのくらい変わる?」「退職金に税金はかかる?」——退職金は退職時にまとまった金額を受け取れる制度ですが、支給額は企業規模・勤続年数・退職理由によって大きく異なります。

2026年現在、退職金制度がある企業は全体の約80%。逆に言えば約20%の企業には退職金制度がありません。本記事では、退職金の相場を勤続年数・企業規模別に解説し、税金の計算方法や受取時の注意点まで紹介します。

第1章:退職金の相場(勤続年数別)

大企業(従業員1,000人以上)の相場(大学卒・自己都合退職)

  • 勤続3年:約30〜50万円
  • 勤続5年:約60〜120万円
  • 勤続10年:約150〜300万円
  • 勤続15年:約400〜600万円
  • 勤続20年:約800〜1,200万円
  • 勤続30年:約1,500〜2,200万円
  • 定年退職(勤続35年以上):約1,800〜2,500万円

中小企業の相場(大学卒・自己都合退職)

  • 勤続3年:約15〜30万円
  • 勤続5年:約40〜60万円
  • 勤続10年:約100〜180万円
  • 勤続15年:約200〜350万円
  • 勤続20年:約400〜700万円
  • 勤続30年:約700〜1,200万円
  • 定年退職:約1,000〜1,500万円

自己都合と会社都合の違い

会社都合退職(リストラ・倒産等)の方が、自己都合退職よりも退職金が10〜30%程度高いのが一般的です。これは、会社都合の場合は労働者に非がないことを考慮した上乗せです。

第2章:退職金の計算方法

主な計算方式

①基本給連動型

退職金 = 退職時の基本給 × 支給率 × 退職事由係数

最も一般的な方式。支給率は勤続年数に応じて上がり、自己都合の場合は会社都合より低い係数が適用されます。

②ポイント制

退職金 = 累積ポイント × ポイント単価

毎年、職能・役職・勤続年数に応じたポイントが加算され、退職時にポイント合計×単価で算出。近年導入が増えている方式です。

③定額制

勤続年数ごとに一律の金額を定めた方式。中小企業に多く、シンプルで分かりやすいのが特徴。

第3章:退職金にかかる税金

退職所得控除

退職金には「退職所得控除」という大きな控除があり、税負担が軽くなります。

  • 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
  • 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

計算例

勤続25年で退職金2,000万円の場合:退職所得控除 = 800万 + 70万 ×(25−20)= 800万 + 350万 = 1,150万円。課税退職所得 = (2,000万 − 1,150万) × 1/2 = 425万円。所得税 = 425万 × 20% − 42.75万 = 約42.3万円。住民税 = 425万 × 10% = 42.5万円。合計税額 ≒ 約85万円。手取り ≒ 約1,915万円

「退職所得の受給に関する申告書」の提出

退職時にこの申告書を会社に提出すれば、退職所得控除が適用された正確な税額で源泉徴収されます。提出しない場合、退職金の20.42%が一律源泉徴収され、確定申告で精算が必要になります。

第4章:退職金制度の種類

  • 退職一時金:退職時に一括で支給。最も一般的
  • 確定給付企業年金(DB):将来の給付額があらかじめ決まっている年金制度
  • 確定拠出年金(DC/企業型):毎月の掛金が決まっており、運用成績によって受取額が変動
  • 中小企業退職金共済(中退共):国の制度で、中小企業が従業員の退職金を外部に積み立て

renueでは、人事・労務領域のAI活用を支援しています。退職金の自動計算、税金シミュレーション、人件費の予測分析など、人事データのAI活用をDXで実現します。

第5章:退職金がない場合の対策

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):自分で積み立てる「自分退職金」。掛金は全額所得控除で節税効果も大きい
  • つみたてNISA:非課税で長期投資。老後資金の上乗せに最適
  • 小規模企業共済:個人事業主・中小企業経営者向けの退職金積立制度。掛金は全額所得控除

よくある質問(FAQ)

Q1: 退職金制度がない企業は違法?

いいえ。退職金の支給は法律で義務付けられていません。就業規則や退職金規程で制度を設けている企業のみ支給義務があります。入社時に退職金制度の有無を確認しておくことが重要です。

Q2: 退職金はいつもらえる?

一般的には退職後1〜2か月以内に支給されます。就業規則で支給時期が定められている場合はそれに従います。

Q3: 退職金に確定申告は必要?

「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、確定申告は原則不要です(正しい税額で源泉徴収されるため)。提出していない場合は確定申告が必要です。

Q4: 勤続3年未満でも退職金はもらえる?

企業の規程によります。多くの企業は「勤続3年以上」を退職金支給の最低条件としていますが、1年以上から支給する企業もあります。

Q5: 退職金を年金形式で受け取るメリットは?

一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が適用されますが、年金形式の場合は「公的年金等控除」が適用されます。税負担やライフプランに応じてどちらが有利かはケースバイケースのため、税理士やFPへの相談を推奨します。

Q6: 転職すると退職金はリセットされる?

はい。退職金は企業ごとの制度であるため、転職すると前職の勤続年数はリセットされます。企業型DC(確定拠出年金)の場合は、転職先のDCやiDeCoに資産を移換(ポータビリティ)できます。

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