renue

ARTICLE

インボイス制度と電子帳簿保存法|請求書電子化の対応完全ガイド【2026年版】

公開日: 2026/3/30

インボイス制度と電子帳簿保存法の関係から、請求書電子化の具体的手順、対応ツールの比較、2026年の制度改正ポイント、AI活用による経理DXまで解説します。

インボイス制度と電子帳簿保存法|2つの制度を正しく理解する

2023年10月に施行されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)と、段階的に要件が整備されてきた電子帳簿保存法は、企業の請求書管理・経理業務に大きな変革をもたらしています。2026年現在、この2つの制度への対応は企業経営の必須事項です。

インボイス制度とは

インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除を受けるために、「適格請求書(インボイス)」の保存を義務づける制度です。適格請求書発行事業者として登録した事業者が発行するインボイスがなければ、原則として仕入税額控除を受けることができません。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、税法で保存が義務づけられている帳簿・書類を電子データで保存するためのルールを定めた法律です。特に重要なのは「電子取引データの保存義務」で、メールやクラウドで受領した請求書・領収書等の電子データは、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存することが義務づけられています。

2つの制度の関係

項目インボイス制度電子帳簿保存法
目的消費税の適正な課税帳簿・書類の電子保存ルールの整備
対象消費税の仕入税額控除に関わる請求書税法で保存義務のある帳簿・書類全般
関係性電子で受領したインボイスは、電子帳簿保存法の「電子取引」要件に従って電子保存が必要
保存要件適格請求書の記載事項を満たすこと真実性の確保(タイムスタンプ等)+検索機能

適格請求書(インボイス)の記載事項

#記載事項従来の請求書との違い
1適格請求書発行事業者の氏名・名称従来と同じ
2登録番号【新規】T+13桁の番号
3取引年月日従来と同じ
4取引内容従来と同じ
5税率ごとに区分した対価の額と適用税率【変更】税率区分が必須
6税率ごとに区分した消費税額【新規】税率区分ごとの税額表示
7書類の交付を受ける事業者の氏名・名称従来と同じ

電子帳簿保存法の3つの保存区分

保存区分対象要件
電子帳簿等保存自社で作成した帳簿・書類任意。電子的に作成した帳簿をそのまま保存
スキャナ保存紙で受領した書類任意。紙の書類をスキャンして電子保存
電子取引データ保存電子で授受した取引情報義務。メール・クラウド等で受領した書類を電子保存

特に電子取引データ保存は全事業者に義務化されており、メールで受領した請求書PDFやクラウドサービスからダウンロードした明細は、電子データのまま保存する必要があります。

請求書電子化の実践ステップ

  1. 現状の請求書フローを棚卸し:紙の請求書・メール添付PDF・クラウドサービス経由など、現在の受領・発行方法を整理
  2. 対応ツールの選定:自社の規模・既存システムとの連携を考慮してツールを選定
  3. 保存要件の確認:タイムスタンプ要件、検索要件(取引年月日・金額・取引先で検索可能)を満たす設定
  4. 運用ルールの策定:受領→確認→承認→保存→仕訳のフローを明文化
  5. 社内教育と移行:経理部門だけでなく、請求書を受領・発行する全部門への周知・教育

対応ツール比較

ツール特徴適した企業
バクラク請求書受取・仕訳、経費精算、電子帳簿保存を統合。AI-OCRで自動読み取り中小〜中堅企業
freee会計会計・請求書・経費精算を一体管理。API連携が豊富スタートアップ〜中小企業
マネーフォワード クラウド会計・請求書・経費を統合。銀行連携が充実中小〜中堅企業
Bill One請求書のオンライン受領に特化。全請求書を代理受領しデータ化請求書受領量が多い企業
インボイス・マネジャー上場企業向け。ペポルインボイス対応。TKCグループ上場企業・大企業

renueでは、バクラク(請求書受取・仕訳、経費精算、電子帳簿保存)とfreeeを組み合わせて利用しています。自社開発の請求書管理機能では、PDF生成→Gmail送付→freee取引作成の一気通貫フローを構築し、請求書の発行から会計処理までを自動化しています。

2026年の制度改正ポイント

  • デジタルインボイス(Peppol)の推進:標準規格「JP PINT」に基づくデジタルインボイスの普及が進み、請求書データの機械可読性が向上
  • 令和7年度税制改正:電子帳簿保存法の要件一部緩和、デジタルシームレス制度の整備が進行中
  • 免税店リファンド方式:2026年11月からの実施が予定されており、インバウンド関連企業への影響

AIを活用した経理DX

インボイス制度・電子帳簿保存法への対応をきっかけに、AIを活用した経理業務全体のDXが進んでいます。

AI活用領域内容効果
AI-OCR請求書・領収書の画像からデータを自動読み取り手入力工数の大幅削減
自動仕訳取引内容からAIが勘定科目を自動判定仕訳作業の効率化
インボイス適格性チェック受領した請求書が適格請求書の要件を満たしているかAIが自動検証チェック漏れの防止
経費不正検知経費申請のパターンをAIが分析し、不正の疑いがある申請を自動検出内部統制の強化
月次決算の自動化仕訳→集計→レポート生成をAIが自動実行月次決算の早期化

よくある質問(FAQ)

Q. インボイス制度に対応していないとどうなりますか?

適格請求書発行事業者として登録していない事業者からの仕入れは、原則として仕入税額控除が受けられなくなります。ただし、経過措置として2029年9月30日までは一定割合の控除が認められています(2026年10月以降は50%控除)。取引先から適格請求書の発行を求められるケースが増えており、事業上の影響は大きいです。

Q. 電子帳簿保存法に違反した場合の罰則は?

電子取引データの保存義務に違反した場合、青色申告の承認取消し等のリスクがあります。また、2024年1月以降、電子取引データの保存要件を満たさない場合、その取引に係る仕入税額控除や経費計上が認められない可能性があります。ただし、「相当の理由」がある場合の猶予措置も設けられています。

Q. 小規模事業者でも電子化は必要ですか?

はい。電子取引データの保存義務は事業者の規模に関わらず適用されます。メールで受領したPDFの請求書や、クラウドサービスからダウンロードした明細は、電子データのまま保存する必要があります。小規模事業者向けの簡易な保存方法(事務処理規程の整備による対応等)も認められていますので、まずは自社の受領方法を整理し、最低限の対応から始めましょう。

まとめ:インボイス制度・電子帳簿保存法への対応を経理DXの起点にする

インボイス制度と電子帳簿保存法への対応は、すべての企業にとって必須の取り組みです。しかし、単なる「法令対応」で終わらせるのではなく、請求書電子化をきっかけに経理業務全体のDXを推進することで、業務効率化とコスト削減を同時に実現できます。

AI-OCR、自動仕訳、デジタルインボイス(Peppol)の活用により、「受領→確認→仕訳→保存」の経理フローを大幅に自動化することが可能です。


株式会社renueでは、AIを活用した業務効率化やバックオフィスDXを支援しています。請求書管理の自動化や経理業務のAI活用にご関心のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

👉 renueのサービス一覧はこちら

👉 お問い合わせ・ご相談はこちら