株式会社renue
renueについて
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Infrastructure as Code(IaC)とは?
Infrastructure as Code(IaC:インフラストラクチャ・アズ・コード)とは、インフラの構築・設定・管理をコード(宣言的 or 命令的な定義ファイル)で行う手法です。手動でのサーバー構築やGUIでの設定操作を減らし、バージョン管理・レビュー・テスト・自動デプロイが可能なインフラ管理を実現します。
IaCはインフラライフサイクルの自動化を支える技術です。AWSはDevOpsの実践の一つとしてIaCを挙げ、バージョン管理や継続的インテグレーション等をインフラの構築・管理に適用する方法と説明しています。(出典:DevOpsにおけるIaCの位置づけ)
IaCのメリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 再現性 | コード・入力値・依存バージョン等を管理して同等の構成を再現しやすくし、意図しない環境差異を減らす |
| バージョン管理 | Gitで構成変更の履歴を追跡し、以前の定義を参照できる。ただし定義を戻しても削除したデータ等は自動復旧せず、復旧手順・バックアップが必要(出典:更新・削除・置換の計画) |
| 自動化 | CI/CDパイプラインと統合し、レビュー・承認条件に応じてインフラのデプロイを自動化 |
| 一貫性 | 共通構成を再利用し、規模・権限等の必要な環境差は明示して管理 |
| スケーラビリティ | コードで複数サーバーをまとめて管理。対象数・API制限・依存関係に応じた実行設計が必要 |
| ドキュメント性 | コードが構成の記録となる。手動変更による差異や設計意図も別途確認・記録する |
| コスト削減 | 反復的な手動作業と人的ミスの削減。コードやレビューの誤りは残るため検証が必要 |
IaC市場の成長
Precedence Research社の公開レポートのMarket Scope表(2026年9月8日更新)は、世界のIaC市場を2025年13.2億米ドル、2026年16.4億米ドル、2034年94億米ドルとし、2025〜2034年のCAGRを24.39%と掲載しています。調査会社による推計・予測であり、将来の実績を保証する数字ではありません。(出典:世界IaC市場の公開推計表)
360iResearch社の2026年9月公表レポートは、世界のIaC市場を2025年12.2億米ドル、2026年14.9億米ドル、2032年50.6億米ドルとし、2026〜2032年の予測でCAGR 22.41%を掲載しています。調査時点・予測期間・市場の区分が異なるため、他社の推計と単純な優劣比較はできません。(出典:世界IaC市場の2026〜2032年予測)
IaCのアプローチ:宣言的 vs 命令的
| アプローチ | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 宣言的(Declarative) | 「あるべき状態」を定義。ツールが現状との差分を検知して適用 | Terraform、CloudFormation、Kubernetes YAML |
| 命令的(Imperative) | 「実行すべき手順」を記述。順番通りに実行 | Ansible(一部)、シェルスクリプト |
主要IaCツール比較
Terraform(HashiCorp/IBM)
TerraformはHashiCorpが開発し、現在はIBM傘下で提供されるマルチクラウド対応のIaCツールです。IBMは2025年2月27日にHashiCorpの買収完了を発表しました。(出典:IBMの買収完了発表)
- 強み:マルチクラウド対応(AWS/Azure/GCP/その他)、多数のプロバイダーを公開Registryで提供(対象サービス・保守状況は個別に確認)(出典:Providerの一覧と提供主体)、宣言的言語(HCL)
- State管理:Terraform Stateで設定と実リソースの対応・属性等を保持し、操作時に実環境と照合(出典:Stateの役割)
- ライセンス:Terraform 1.6以降はBSL 1.1(適用版のLICENSEを確認)。共同運用のSaaSはHCP Terraform(旧Terraform Cloud)、自己ホスト製品はTerraform Enterpriseで、CLIのライセンスとは別に機能・契約を確認(出典:1.6.0のLICENSE、現行LICENSE、HCP TerraformとEnterprise)
- 適したケース:マルチクラウド環境、インフラのプロビジョニング
Ansible(Red Hat/IBM)
エージェントレスの構成管理・自動化ツールです。(出典:Ansibleの構成管理とPlaybook)
- 強み:エージェントレス(SSHやWinRM等で接続)、YAML形式のPlaybook。学習負担は対象システムや経験による(出典:Windows向けWinRM接続)
- 用途:構成管理(Configuration Management)、アプリケーションデプロイ、オーケストレーション
- 適したケース:既存サーバーの構成管理、アプリケーションのデプロイ自動化
Pulumi
Python、TypeScript、Go等の汎用プログラミング言語でインフラを定義できるIaCツールです。プログラムで示した望ましい状態に合わせ、エンジンがリソースを管理します。(出典:Pulumiの実行方式)
- 強み:汎用言語の活用(ループ、条件分岐、関数が自然に書ける)、テスト容易性、既存の開発エコシステムとの統合
- 適したケース:開発者主導のインフラ管理、複雑なロジックが必要なケース
クラウド提供のIaC:AWS CloudFormation・Azure Bicep
AWS CloudFormationはAWSのスタック、Azure BicepはAzure Resource Managerのリソースを定義するために使えます。(出典:CloudFormation、Azure Bicep)
- 強み:各クラウドとの深い統合。新サービス・APIへの対応時期はツールと対象リソースごとに確認(出典:拡張リソース、Resource Manager対応との関係)
- 課題:クラウド固有の定義や機能への依存があり、移行時には書き換え等の検討が必要
- 適したケース:単一クラウド環境
ツール比較表
| 項目 | Terraform | Ansible | Pulumi | CloudFormation |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | インフラプロビジョニング | 構成管理・デプロイ | インフラプロビジョニング | AWSインフラ |
| 言語 | HCL | YAML | Python/TS/Go等 | JSON/YAML |
| マルチクラウド | ◎ | ◎ | ◎ | AWS中心。第三者サービス等は拡張リソース型で対応可能(出典:CloudFormationの拡張) |
| 状態管理 | State File | Terraform型の中央Stateは使わず対象を確認。冪等性はモジュール・Playbookによる(出典:望ましい状態と冪等性) | State | Stack |
| エージェント | 不要 | 不要(SSH・WinRM等) | 不要 | 不要 |
| 学習コスト | 中 | YAML・対象システムの経験による | 中(言語依存) | 中 |
GitOps:IaCの運用モデル
GitOpsは、Git等に版管理した宣言的な「望ましい状態」を置き、ソフトウェアエージェントが自動で取得し、実環境を継続してその状態に近づける運用モデルです。Gitを「Single Source of Truth(信頼できる唯一の情報源)」として使う場合も、マージ時にCI/CDで一度applyするだけではOpenGitOpsの自動取得・継続的な調整という要件を満たしません。(出典:OpenGitOpsの4原則)
GitOpsのワークフロー
- コード変更:IaCコード(Terraform等)をGitリポジトリで管理
- プルリクエスト:インフラの変更をPRとしてレビュー・承認
- 自動デプロイ:PRマージで望ましい状態を更新し、エージェントが宣言を自動取得。検証・権限・同期設定に従って実環境へ反映(出典:自動取得と継続的調整、同期の仕組み)
- ドリフト検知:実環境と宣言の乖離を継続して検知し、設定に応じて調整。自動同期・削除・復旧の範囲を明確にする
GitOps・関連するIaC運用ツール
- ArgoCD:Kubernetes向けの宣言的な継続的デリバリーツール(CNCFのArgoプロジェクト)(出典:Argo CD、CNCF Argo)
- Flux CD:Kubernetes向けGitOps(CNCFプロジェクト)(出典:Flux、CNCF Flux)
- HCP Terraform/Terraform Enterprise:TerraformのVCS連携・plan/apply等を管理するSaaS/自己ホスト製品。HCPには無料枠と有料機能がある。VCS連携だけでGitOpsの全要件を満たすわけではない(出典:製品の区分、VCS連携ワークフロー、GitOpsの要件)
IaC導入の実践ステップ
ステップ1:対象範囲の決定(計画例:1〜2週間)
- IaC化する対象インフラの決定(ネットワーク、サーバー、DB、セキュリティ等)
- ツールの選定(Terraform等の対応リソース・運用条件を比較し、単一クラウドならネイティブツールも検討)
- 既存インフラのインポート戦略(既存リソースのIaC化計画)
ステップ2:コード化と基盤構築(計画例:2〜4週間)
- モジュール構造の設計(再利用可能なモジュールの作成)
- State管理の設計(リモートState、State分割戦略)
- CI/CDパイプラインとの統合
- ポリシー・アズ・コード(OPA/Sentinel)の導入
ステップ3:チーム展開(計画例:2〜4週間)
- インフラチームのIaCトレーニング
- コードレビュープロセスの確立
- テスト戦略の策定(terraform plan、terratest等)
ステップ4:GitOps運用と継続改善(継続的)
- GitOpsワークフローの確立
- ドリフト検知・自動修復の導入
- モジュールライブラリの充実
- セキュリティスキャン(Trivy、checkov等)の統合。tfsecの開発元はTrivyへの移行を推奨(出典:tfsecからTrivyへの移行方針)
よくある質問(FAQ)
Q. TerraformとAnsibleはどちらを使うべきですか?
両者を補完的に組み合わせる方法があります。Terraformはクラウドインフラのプロビジョニング(サーバー、ネットワーク、DB等の作成)、Ansibleはサーバー上のソフトウェア設定・構成管理に使えます。「Terraformでインフラを作り、Ansibleで設定する」は役割分担の一例です。対象リソースとチームの運用方法に合わせて選びます。(出典:Terraformの用途、Ansibleの用途)
Q. IaCの導入にはどの程度の期間が必要ですか?
導入期間は、台数だけでなくリソースの種類・依存関係・既存設定の把握状況・承認手順・担当者の経験によって変わります。数十台の小規模環境でも試行が必要で、数百〜数千台の既存環境では移行対象を分けて見積もります。上の各ステップの日程は計画を考えるための例で、実績値や完了の保証ではありません。新規環境は最初からコード化できますが、既存環境では対応リソースのimport、設定コードの整備、planによる差分確認が必要です。(出典:既存リソースの取り込み条件)
Q. TerraformのBSLライセンス変更の影響は?
HashiCorpは2023年に以後のリリースへのBSL(Business Source License)1.1採用を発表しました。旧版のMPL 2.0の許諾が遡って消えるわけではなく、例えば1.5.6はMPL 2.0、1.6.0はBSL 1.1です。現行の追加使用許諾は組織内部での利用を競合提供と区別し、有償版と大きく機能が重なる競合製品として第三者へ有償で(有償サポートを含む)ホスト・組み込み提供する利用を制限しています。「多くの企業だから問題ない」とせず、使用版のLICENSEと提供形態を確認します。(出典:変更と内部利用の説明、1.5.6のLICENSE、1.6.0のLICENSE、現行の追加使用許諾)オープンソースの代替には、Linux Foundationが2023年9月20日に設立を発表した「OpenTofu」があり、MPL 2.0で提供されています。(出典:Linux Foundationの発表、OpenTofuのLICENSE)企業は自社のユースケースに応じてTerraform/OpenTofuを選択できます。
まとめ:IaCは「モダンインフラ」の大前提
前述の公開予測では、Precedence Researchは2025〜2034年のCAGRを24.39%、360iResearchは2026〜2032年予測を22.41%としています。いずれも調査会社の予測であり、企業の導入率を示す数字ではありません。(出典:市場予測、市場予測)インフラの再現性、バージョン管理、自動化を実現するIaCは、クラウドネイティブ・マルチクラウド時代のインフラ管理の大前提です。GitOpsとの組み合わせでは、宣言のレビュー、権限・同期範囲の設定、継続的な照合を整え、インフラ変更の安全性と速度の改善を図ります。
renueでは、AIを活用したクラウド基盤の設計やDevOps体制の構築を支援しています。IaC導入やインフラ自動化について、まずはお気軽にご相談ください。

