ARTICLE

情報セキュリティ対策の基本|従来の5か条と現行6か条を踏まえた中小企業の実践ガイド【2026年版】

2026/9/16 (更新: 2026/9/30)

SHARE

情報セキュリティ対策の基本について、基礎知識から実務で押さえたいポイントまで分かりやすく解説します。

情報

情報セキュリティ対策の基本|従来の5か条と現行6か条を踏まえた中小企業の実践ガイド【2026年版】

ARTICLE株式会社renue
renue

株式会社renue

2026/9/16 公開2026/9/30 更新

renueについて

renueは、AIで業務を実装する会社です

AIコンサルティングから図面AI・広告運用エージェント・コールセンターAIまで、実際に動いているサービスをご覧いただけます。renueが何をしている会社か、まずはサービス一覧からご確認ください。

なぜ中小企業にも情報セキュリティ対策が必要なのか

「うちは大企業じゃないから狙われない」は危険な誤解です。近年のサイバー攻撃は大企業だけでなく、セキュリティ対策が手薄な中小企業をサプライチェーンの入口として狙うサプライチェーン攻撃が急増しています。

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威2026」組織向けでは、1位が「ランサム攻撃による被害」、2位が「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」、5位が「機密情報を狙った標的型攻撃」です。2025年の事故・攻撃の状況等を基に選考会が審議・投票した結果で、被害件数の順位ではありません。各組織の状況に照らし、企業規模を問わず全ての組織がセキュリティ対策を講じる必要があります。

基本対策|まず取り組むべき最低限の対策

下表はIPAの従来の「情報セキュリティ5か条」(2023年4月26日Version 1.3)に沿った5項目を示しています。「対策」列は同資料の項目名を基に短く表記し、「内容」「具体的なアクション」列は本記事の説明・実施例です。12文字以上の設定やEDR導入等をIPAの一律必須条件とするものではありません。2026年3月27日公開のガイドライン第4.0版では「バックアップを取ろう!」が加わり、現行は6か条です。2026年9月の解説編ではバックアップが第5条、脅威・攻撃の情報収集が第6条となっています。下表の5項目に加えてバックアップも実施してください。既存機能の設定で着手できる対策もありますが、製品・保存先・運用作業によって追加費用がかかります。

旧5か条の番号対策内容具体的なアクション
1OSやソフトウェアは常に最新に脆弱性を放置しないWindows Update自動化、ブラウザ・アプリの自動更新有効化
2ウイルス対策ソフトを導入マルウェアの検知・駆除EDR等のエンドポイント対策製品の導入、定義ファイルの自動更新
3パスワードを強化不正アクセスの防止12文字以上・英数記号混在、パスワードマネージャーの利用
4共有設定を見直す意図しない情報公開の防止クラウドストレージの共有設定確認、不要な公開リンクの削除
5脅威や攻撃の手口を知る人的ミスの防止IPAメルマガ登録、定期的なセキュリティ教育の実施

2026年の主要な情報セキュリティ脅威と対策

脅威概要対策
ランサムウェアデータを暗号化し身代金を要求バックアップの3-2-1ルール、EDR導入、ネットワーク分離
フィッシング偽メール・偽サイトで認証情報を窃取MFA(多要素認証)の導入、社員教育、メールフィルタリング
サプライチェーン攻撃取引先経由で侵入取引先のセキュリティ基準の確認、アクセス権限の最小化
脆弱性の悪用ソフトウェアの既知の脆弱性を突く定期的な脆弱性スキャン、パッチの速やかな適用
内部不正従業員による情報持ち出し・悪用アクセスログの監視、退職時のアカウント即時無効化
AIを悪用した攻撃AI生成のフィッシングメール、ディープフェイクAI検知ツールの導入、本人確認プロセスの強化

よくあるインシデントの一つに、Webアプリケーションフレームワークの脆弱性が放置されていたことが原因で不正アクセスを受け、情報漏洩につながるケースがあります。原因としては①脆弱性確認対象からの漏れ、②システム台帳の未反映、③監視運用の不足が重なるパターンが典型的です。こうしたケースは「従来の5か条・現行6か条の第1条(OSやソフトウェアは常に最新に)」の重要性をよく示しています。

段階的なセキュリティ対策の進め方

ステップ1:基本対策(すぐに実施)

  • 従来の情報セキュリティ5か条にバックアップを加えた現行6か条の実施
  • パスワードマネージャー(1Password等)の全社導入
  • MFA(多要素認証)の全アカウントへの適用
  • クラウドサービスの共有設定の総点検

ステップ2:体制構築(1〜3ヶ月)

  • 情報セキュリティポリシーの策定
  • インシデント対応手順の策定
  • 従業員向けセキュリティ教育の実施
  • EDR(エンドポイント検知対応)の導入
  • SSO(シングルサインオン)の導入

ステップ3:認証取得・高度化(3〜6ヶ月)

  • ISMS(ISO 27001)認証の取得
  • MDM(モバイルデバイス管理)の導入
  • SIEM(セキュリティ情報イベント管理)の導入
  • 脆弱性診断の定期実施
  • BCP(事業継続計画)の策定

ISMS認証の取得メリット

ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)は、情報セキュリティを管理する仕組みです。ISO/IEC 27001:2022はその要求事項を定める国際規格で、ISMS認証はその規格に基づく第三者による認証です。認証と規格そのものは区別します。

メリット内容
取引先からの信頼獲得大手企業との取引で求められることが多い
セキュリティ体制の体系化場当たり的でない、組織的な管理体制の構築
インシデント対応力の向上リスク評価と対応手順の標準化
従業員の意識向上教育・訓練の制度化
法規制への対応個人情報保護法等への準拠の基盤

renueは公式の情報セキュリティ基本方針ページでISO/IEC 27001:2022認証の取得を公表しており、EDR・SSO・MDM等を組み合わせた統合的なセキュリティ体制を構築しています。ISO/IEC 27001は規模を問わず適用可能で、20名規模でも認証の対象になり得ます。ただし、取得には定めた適用範囲で要求事項への適合を示す必要があり、取引先からの信頼獲得に大きく寄与しています。

AI時代の新たなセキュリティリスク

リスク内容対策
プロンプトインジェクションAIへの不正な指示で意図しない動作を引き起こす入力バリデーション、ガードレール設計
AIによるフィッシング高度化AIが生成する自然な日本語のフィッシングメールAI検知ツール、社員教育の強化
機密情報のAIへの入力社員がChatGPT等に機密情報を入力してしまう利用ポリシー策定、企業版AI環境の提供
AIモデルの乗っ取り社内AIの出力を改ざんされるリスクAIガバナンス体制、モデルの監査
ディープフェイク経営者になりすました音声・動画による指示本人確認の多重化、重要指示の書面化

よくある質問(FAQ)

Q. 情報セキュリティ対策にはどのくらいの費用がかかりますか?

IPAの基本対策には既存のOS機能や設定を使って着手できるものもありますが、すべてが無料ではありません。製品の追加契約、バックアップの保存先・機器や運用作業の費用を分けて見積もります(IPAの現行ガイドライン)。EDR(月額数百〜数千円/台)、パスワードマネージャー(月額数百円/人)、SSO(月額数千円/人)という単価幅、および20名規模で月額5〜15万円程度という総額は、出典・製品・プラン・台数・運用範囲が未確認です。人単位と端末単位を分け、既存契約との重複や初期設定・運用費も確認してください。ISMSの審査機関費用と外部コンサル費用を合わせた100〜300万円程度という幅も、対象組織・認証範囲・初回審査と維持更新の区分が未確認のため、一律の相場ではなく個別見積りで確認します。

Q. セキュリティ担当者がいない小規模企業はどうすべきですか?

まずは経営者自身がセキュリティの重要性を理解し、IPAの現行6か条(従来の5項目にバックアップを追加)から始めましょう。専任者がいなくても、総務やIT担当が兼務で対応可能です。外部のセキュリティコンサルタントや、マネージドセキュリティサービス(MSS)を活用するのも有効です。ISMS認証の取得支援を行う専門業者もあり、体制構築から認証取得までをサポートしてもらえます。

Q. クラウドサービスを使っていればセキュリティは万全ですか?

クラウド事業者はインフラレベルのセキュリティを提供しますが、「共有責任モデル」により、データの管理、アクセス制御、設定の適正化はユーザー側の責任です。クラウドサービスの設定ミス(S3バケットの公開設定漏れ、IAM権限の過剰付与等)によるインシデントは頻発しており、クラウドを使っているからこそ適切な設定管理が重要です。

まとめ:情報セキュリティは経営課題として取り組む

情報セキュリティ対策は「ITの問題」ではなく「経営の問題」です。セキュリティインシデントは企業の信用失墜、取引停止、法的責任に直結するため、経営層が主導して取り組むべき課題です。

IPAの現行6か条から始め、段階的に体制を強化し、ISMS認証取得を目指すことで、取引先からの信頼獲得と組織の安全を同時に実現できます。AI時代には新たなリスクも加わるため、継続的な対策の更新が不可欠です。


株式会社renueは公式サイトで公表しているISMS認証の取得企業として、AIを活用したDX推進とセキュリティを両立するサービスを提供しています。セキュリティ対策やAIガバナンスにご関心のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

👉 renueのサービス一覧はこちら

👉 お問い合わせ・ご相談はこちら

あわせて読みたい

AI活用のご相談はrenueへ

renueは自社開発のAIツールを自社運用するAIコンサルティングファームです。

→ 詳細を見る

SHARE

FAQ

よくある質問

IPAの現行6か条には既存機能や設定の見直しで着手できる対策がありますが、すべてが無料ではありません。製品・保存先・運用作業によって追加費用が発生します。EDR、パスワードマネージャー、SSO、ISMS認証取得などの導入規模・対象範囲で投資レンジが大きく異なるため、自社の規模とリスクプロファイルに応じた段階的な投資設計が推奨です。最新の費用感は複数のベンダーから見積を取り比較するのが確実です。

まずは経営者自身がセキュリティの重要性を理解し、IPAの基本対策から始めましょう。専任者がいなくても、総務やIT担当が兼務で対応可能です。外部のセキュリティコンサルタントや、マネージドセキュリティサービス(MSS)を活用するのも有効です。ISMS認証の取得支援を行う専門業者もあり、体制構築から認証取得までをサポートしてもらえます。

クラウド事業者はインフラレベルのセキュリティを提供しますが、『共有責任モデル』により、データの管理、アクセス制御、設定の適正化はユーザー側の責任です。クラウドサービスの設定ミス(S3バケットの公開設定漏れ、IAM権限の過剰付与等)によるインシデントは頻発しており、クラウドを使っているからこそ適切な設定管理が重要です。

主に、IPAの現行6か条に沿ったOS・ソフトウェア更新、ウイルス対策ソフト、パスワード強化、共有設定の見直し、バックアップ、脅威・攻撃の手口の把握です。本記事の具体策としてMFAや不審メールへの注意を組み合わせ、さらに、退職者のアクセス即時遮断、シャドーIT検知、社員教育、サイバー保険、インシデント対応計画、サプライチェーンセキュリティ、です。

主に、経営層によるコミットメント、セキュリティポリシーの整備、リスクアセスメントと対策の優先順位付け、多層防御(境界・エンドポイント・データ)、認証強化と権限管理、SOC/CSIRT・SIEM/SOAR、AI×セキュリティ(行動分析・異常検知)、社員教育とフィッシング訓練、サプライチェーンセキュリティ、規制対応(個人情報保護法・各業界規制)、AIガバナンスとの統合、外部監査・保証の活用(ISMS認証や、SOC 2保証業務に基づく報告書等)、です。情報セキュリティはツール導入ではなく組織能力として継続的に育てることが、長期的な事業継続性の本質的な要素となります。

renueについて

renueは、AIで業務を実装する会社です

AIコンサルティングから図面AI・広告運用エージェント・コールセンターAIまで、実際に動いているサービスをご覧いただけます。renueが何をしている会社か、まずはサービス一覧からご確認ください。

関連記事

AI導入・DXの悩みをプロに相談してみませんか?

AIやDXに関する悩みがありましたら、お気軽にrenueの無料相談をご利用ください。renueのAI支援実績、コンサルティングの方針や進め方をご紹介します。

無料資料をダウンロード