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はめあい公差 完全ガイド|H7一覧表・穴基準/軸基準の選び方・すきまばめ/しまりばめの使い分け【2026年版】

2026/8/29 (更新: 2026/9/16)

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H7寸法表と軸の記入例、穴基準/軸基準の選び方、すきまばめ・しまりばめの使い分けを早見表で解説。機械設計の実務ガイド【2026年版】

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はめあい公差 完全ガイド|H7一覧表・穴基準/軸基準の選び方・すきまばめ/しまりばめの使い分け【2026年版】

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2026/8/29 公開2026/9/16 更新

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はめあい公差とは?基本概念をわかりやすく解説

はめあい公差とは、穴と軸を組み合わせたときの「きつさ」や「ゆるさ」を図面上で規定するための寸法公差のことです。JIS B 0401-1:2016(ISO 286-1:2010等に一致対応)などで体系化されています。

穴に軸を挿入する際、「スムーズに入る」「圧入しないと入らない」「ガタなく回転する」といった要求は、はめあい公差の指定によって管理します。

はめあいの3種類

種類特徴代表的な用途
すきまばめ穴の最小許容寸法が軸の最大許容寸法以上。最小すきまがゼロの組み合わせも含む滑り軸受、ガイドピン、自由回転部
中間ばめすきまになるか締まりになるか、個々の部品寸法次第位置決めピン、軸受ハウジング(精密位置決め)
しまりばめ軸の最小許容寸法が穴の最大許容寸法以上。しめしろに応じて圧入・焼きばめ等で組み立てるプレスフィット、歯車の軸固定、ベアリング圧入

穴基準方式と軸基準方式の違い

はめあいを設計する際、穴と軸のどちらを基準にするかで2つの方式があります。

穴基準方式(推奨)

穴の公差をH(下の寸法許容差がゼロ)に固定し、軸の公差クラスを変えることではめあいの種類を調整する方式です。

  • メリット:穴加工はドリル・リーマ等の定寸工具で行うため、寸法調整が困難。軸側を旋盤で削って調整するほうが容易
  • 選定の考え方:穴加工の難しさを踏まえて穴基準方式が一般的に使われる。ただし、無指定で自動的に適用されるという意味ではない(ミスミの設計解説)
  • 工具の共通化:同じリーマで複数のはめあいに対応でき、工具コストを削減

軸基準方式

軸の公差をh(上の寸法許容差がゼロ)に固定し、穴の公差クラスを変える方式です。

  • 使用場面:1本のシャフトに複数の部品を異なるはめあいで組み付ける場合
  • 例:モーターシャフトに軸受・歯車・プーリを段階的に取り付けるケース

公差域クラスの読み方:記号の意味

はめあい公差の記号は「アルファベット+数字」の組み合わせで構成されます。

アルファベットの意味(公差域の位置)

  • 大文字(A~ZC):穴の公差域。Hが基準(下の許容差 = 0)
  • 小文字(a~zc):軸の公差域。hが基準(上の許容差 = 0)
  • 記号は公差域の位置を表す。H・h、基準寸法を中心とするJS・jsなどの位置を区別し、具体的な許容差は寸法区分と等級を含めて表で確認する(記号の解説/穴の表/軸の表)

数字の意味(IT公差等級)

数字はIT(International Tolerance)公差等級を表し、製造精度のレベルを意味します。

IT等級精度レベル加工方法の目安
IT5高精度精密研削、ホーニング
IT6精密研削、精密旋削
IT7標準精密リーマ仕上げ、精密フライス
IT8一般旋盤仕上げ、フライス加工
IT9~IT11粗加工ドリル加工、荒旋削

H7を選択肢とする理由

穴の公差クラスH7は、JIS B 0401-1:2016に基づく推奨組み合わせ表に掲載されています。選定時に検討できる点は以下の通りです。

  1. リーマ仕上げを検討できる:IT7はタンガロイの鋼加工を基準とした資料でリーマ等の仕上げ領域に含まれる。ただし、工具の振れ・被削材・切削条件で精度が変わるため、達成を保証するものではない(OSGの加工条件解説)
  2. 汎用性が高い:すきまばめ・中間ばめ・しまりばめのすべてに対応する軸側クラスが揃っている
  3. 標準品から工具を選べる場合がある:例えばイワタツールはリーマの標準在庫品と径公差を公開している。必要なH7穴を加工できるかは工具径・対象材・加工条件で確認し、価格・納期は個別に確認する
  4. ゲージによる検査:穴の呼び寸法・H7の許容寸法に適合する通り・止りプラグゲージを選び、検査条件とゲージの管理状態を確認する
  5. 推奨表を参照できる:ミスミの推奨組み合わせ表では、H7とf6・g6・h6・js6等の組み合わせを確認できる

穴基準H7 はめあい公差 一覧表

穴をH7に固定した場合の軸側クラスとの組み合わせ例を示します。選定には推奨組み合わせ表と穴・軸の寸法許容差表を併用してください。例えば呼び寸法3mm以下のH7/p6は、穴0~+10μm・軸+6~+12μmで、すきまとしめしろの両方が生じます。以下の用途例も寸法・材料・荷重・温度に応じた確認が必要で、転がり軸受の内外輪は軸受固有の許容差とメーカーの推奨に従います。

すきまばめ(穴の最小寸法 ≧ 軸の最大寸法)

はめあいすきまの大きさ用途例
H7/d9大きいランニングフィット。潤滑油を介した高速回転軸受
H7/e8やや大きい大型軸受、クランクシャフト軸受
H7/f7中程度一般的な滑り軸受、スピンドル
H7/g6小さい精密滑り軸受、スライドフィット。手で滑らかに動く
H7/h6最小すきま0。最大すきまは穴・軸の公差幅の和位置決め。挿入性は形状誤差・温度・表面状態も確認

中間ばめ(すきままたは締まり)

はめあい特徴用途例
H7/js6js6軸の公差域は基準寸法を中心とするが、H7穴とのすきまとしめしろは均等ではない。例:φ30では最大すきま27.5μm、最大しめしろ6.5μm(上記許容差表から計算)カップリング、軸受ハウジング
H7/k6わずかに締まり寄り歯車のボス、プーリの固定(キー併用)
H7/m6やや締まり軸受内輪の固定、中荷重部品
H7/n6締まり寄り重荷重軸受、高精度位置決め

しまりばめ(軸の最小寸法 ≧ 穴の最大寸法。寸法区分による例外に注意)

はめあい締まりの大きさ用途例
H7/p6軽圧入軸受の軽圧入、ブッシュ固定
H7/r6中圧入軸受ハウジングへの圧入
H7/s6強圧入強固な固定。歯車の軸固定でキーを省く場合は、最小しめしろ・接触長さ・材料・摩擦条件から許容伝達トルクと強度を検証する。H7/s6の指定だけでは省略を判断できない

基準寸法別の寸法許容差一覧(H7・代表的な軸クラス)

以下はミスミ「穴の許容差」(JIS B 0401-2:2016より抜粋編集)のH7列と照合した代表的な寸法範囲の許容差です(単位:μm)。境界値は「超」と「以下」で区別します。

穴 H7 の寸法許容差

基準寸法(mm)上の許容差下の許容差公差幅
1超~3以下+10010
3超~6以下+12012
6超~10以下+15015
10超~18以下+18018
18超~30以下+21021
30超~50以下+25025
50超~80以下+30030
80超~120以下+35035
120超~180以下+40040
180超~250以下+46046

図面への記入方法

はめあい公差の図面への記載パターンを紹介します。

パターン1:公差クラス記号のみ

最もシンプルな表記です。

  • 穴:φ50H7
  • 軸:φ50g6
  • 組み合わせ:φ50H7/g6(穴/軸の順)

パターン2:公差クラス記号+数値併記

加工者・検査者が許容差を即座に確認できるよう数値を添えます。以下の数値単位はmmで、穴の表と軸の表のμmから換算しています。

  • 穴:φ50H7(+0.025/0)
  • 軸:φ50g6(-0.009/-0.025)

パターン3:数値のみ

はめあい記号を使わず、許容差の数値だけで指示する方法です。受注生産品や特殊な公差設定で使用します。

  • 穴:φ50 +0.025/0
  • 軸:φ50 -0.009/-0.025

はめあい選定のよくある間違いと対策

間違い1:とりあえずH7/h6を指定する

H7/h6は寸法公差内であれば最小すきまがゼロで、寸法公差だけから負のすきまにはなりません。ただし、形状誤差・ばり・温度差や寸法公差の逸脱によって、組み立てに支障が出る場合があります。許容寸法によるはめあいと、これらの要因を区別してください。

対策:確実なすきまが必要ならH7/g6、軽い力での組立を想定する場合もH7/js6は中間ばめのため、公差計算で確認しましょう。

間違い2:穴と軸のIT等級の差が大きすぎる

H7/d11のように軸の公差幅が広い組み合わせでは、すきまの変動幅も広くなります。その範囲が機能上の許容範囲を超える場合に問題となり、等級差だけで不適切とは決まりません。

対策:推奨組み合わせ表にはH7/g6・H7/h6などが示されていますが、すべての製品に「等級差1~2以内」を適用する規則ではありません。必要な最大・最小すきま、しめしろと加工能力から選びます。

間違い3:温度変化を考慮しない

例えばアルミ製の穴側部品に鋼製の軸を組み合わせ、双方が同程度に昇温する場合、自由熱膨張では穴側の径の増加が大きくなり、しめしろが減る方向に働きます。逆にアルミが軸側なら傾向が変わるため、部品構成と各部の温度を分けて考えます(NTNの内径・外径の熱膨張式と材料係数表を用いた考え方)。

対策:異種金属の組み合わせや高温環境では、温度変化による寸法変動を計算に入れましょう。

はめあいと図面AI:デジタル活用のポイント

はめあい公差は「φ50H7/g6」のように記号・数字・スラッシュが組み合わさった表記のため、紙図面からの自動読み取りでは誤認識が起きやすい領域です。

AI-OCR技術では以下の工夫により精度を向上させています。

  • 公差記号パターンの学習:はめあい記号の構文ルール(大文字=穴、小文字=軸)をAIに組み込み、文脈で補正
  • 数値との自動照合:読み取った記号をJIS公差表と照合し、矛盾があればフラグを立てる
  • 類似図面の検索活用:同じはめあいを使った過去図面を検索し、設計の妥当性確認に活用

図面のデジタル化やAI-OCRによるはめあい公差の自動読み取りについては、renueにお気軽にご相談ください。

まとめ

はめあい公差は、穴と軸の組み合わせ精度を管理するための重要な設計ツールです。

  • はめあいはすきまばめ・中間ばめ・しまりばめの3種類
  • 穴基準方式(H固定)は、穴加工の難しさを踏まえた一般的な選択肢。用途に応じて軸基準方式も検討する
  • H7ではリーマ仕上げや標準工具を検討でき、軸側の選択肢もある。実現精度と工具の適合性は加工条件ごとに確認する
  • よく使う組み合わせ:H7/g6(精密すきまばめ)、H7/k6(中間ばめ)、H7/p6(軽圧入)
  • 図面には記号のみ、記号+数値併記、数値のみの3パターンがある

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FAQ

よくある質問

はめあい公差とは、穴と軸を組み合わせたときのきつさやゆるさを図面上で規定するための寸法公差です。 JIS B 0401-1:2016(ISO 286-1に対応) 等で体系化されており、穴と軸の組み合わせ方によって、すきまばめ・しまりばめ・中間ばめに分類されます。

すきまばめは穴の最小許容寸法が軸の最大許容寸法以上で、最小すきまがゼロの場合も含みます。しまりばめは軸の最小許容寸法が穴の最大許容寸法以上で、しめしろに応じて圧入・焼きばめ等を選びます。中間ばめは個々の部品寸法によりすきまとしめしろのどちらも生じ得る組み合わせです。滑らかな挿入や軽い打ち込みができるかは、寸法だけでなく形状・温度・表面状態も確認します( 組み合わせの出典 )。

穴基準は穴の公差をH(基準穴)に固定し、軸の公差クラスを変えることで嵌合の種類を調整する方式です。軸基準は軸の公差をh(基準軸)に固定します。穴加工が軸加工より一般に難しいことから穴基準が使われます。H7を固定して軸側を選ぶ方法はその一例です( ミスミの設計解説 )。

H7は下の寸法許容差が0の穴の公差クラスで、寸法範囲によって公差幅が異なります。例えば直径6mm超~10mm以下は上+15/下0μm、10mm超~18mm以下は上+18/下0μm、18mm超~30mm以下は上+21/下0μmです。境界値を区別して、 JIS B 0401-2:2016に基づくミスミの公差表 の該当区分を確認します。

機能要求(回転させたい・固定したい・位置決めしたい)から必要な嵌合の種類を決め、穴基準方式を使うならH7などの穴公差に対して軸の公差クラスを選択する方法があります。H7/f6ですきまばめ(軸受等)、H7/k6で中間ばめ(歯車等)、H7/p6でしまりばめ(ピン固定等)が選択肢になります。ただし、H7/p6の呼び寸法3mm以下では中間ばめになるなど寸法区分による例外があるため、 穴 と 軸の公差表 で最大・最小すきまとしめしろを計算してください。

過度に厳しい公差を指定すると加工コストが大幅に上がるため、機能上必要な最低限の精度に留めることが重要です。加工方法(旋盤・研削・放電加工等)で実現可能な公差等級を確認し、製造現場と相談の上で決定します。

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