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はめあい公差 完全ガイド|H7一覧表・穴基準/軸基準の選び方・すきまばめ/しまりばめの使い分け【2026年版】

2026/4/10

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はめあい公差 完全ガイド|H7一覧表・穴基準/軸基準の選び方・すきまばめ/しまりばめの使い分け【2026年版】

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株式会社renue

2026/4/10 公開

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はめあい公差とは?基本概念をわかりやすく解説

はめあい公差とは、穴と軸を組み合わせたときの「きつさ」や「ゆるさ」を図面上で規定するための寸法公差のことです。JIS B 0401(ISO 286に対応)で体系化されています。

穴に軸を挿入する際、「スムーズに入る」「圧入しないと入らない」「ガタなく回転する」といった要求は、はめあい公差の指定によって管理します。

はめあいの3種類

種類特徴代表的な用途
すきまばめ穴が軸より常に大きい。すきま(クリアランス)が生じる滑り軸受、ガイドピン、自由回転部
中間ばめすきまになるか締まりになるか、個々の部品寸法次第位置決めピン、軸受ハウジング(精密位置決め)
しまりばめ軸が穴より常に大きい。圧入または焼きばめが必要プレスフィット、歯車の軸固定、ベアリング圧入

穴基準方式と軸基準方式の違い

はめあいを設計する際、穴と軸のどちらを基準にするかで2つの方式があります。

穴基準方式(推奨)

穴の公差をH(下の寸法許容差がゼロ)に固定し、軸の公差クラスを変えることではめあいの種類を調整する方式です。

  • メリット:穴加工はドリル・リーマ等の定寸工具で行うため、寸法調整が困難。軸側を旋盤で削って調整するほうが容易
  • 業界標準:特に指定がなければ穴基準方式が採用される
  • 工具の共通化:同じリーマで複数のはめあいに対応でき、工具コストを削減

軸基準方式

軸の公差をh(上の寸法許容差がゼロ)に固定し、穴の公差クラスを変える方式です。

  • 使用場面:1本のシャフトに複数の部品を異なるはめあいで組み付ける場合
  • :モーターシャフトに軸受・歯車・プーリを段階的に取り付けるケース

公差域クラスの読み方:記号の意味

はめあい公差の記号は「アルファベット+数字」の組み合わせで構成されます。

アルファベットの意味(公差域の位置)

  • 大文字(A~ZC):穴の公差域。Hが基準(下の許容差 = 0)
  • 小文字(a~zc):軸の公差域。hが基準(上の許容差 = 0)
  • アルファベットがHに近いほど基準寸法に近く、離れるほど偏差が大きい

数字の意味(IT公差等級)

数字はIT(International Tolerance)公差等級を表し、製造精度のレベルを意味します。

IT等級精度レベル加工方法の目安
IT5高精度精密研削、ホーニング
IT6精密研削、精密旋削
IT7標準精密リーマ仕上げ、精密フライス
IT8一般旋盤仕上げ、フライス加工
IT9~IT11粗加工ドリル加工、荒旋削

H7が最も多く使われる理由

穴の公差クラスとしてH7が圧倒的に多用されます。その理由は以下の通りです。

  1. リーマ加工で安定して達成できる:IT7等級はリーマ仕上げで確実に達成可能な精度
  2. 汎用性が高い:すきまばめ・中間ばめ・しまりばめのすべてに対応する軸側クラスが揃っている
  3. 工具が標準品で入手可能:H7リーマは最も流通量が多く、コスト・納期面で有利
  4. 測定が容易:IT7の公差幅であれば標準的なプラグゲージで検査可能
  5. 設計の定石として定着:多くの設計基準書・ハンドブックでH7が推奨されている

穴基準H7 はめあい公差 一覧表

穴をH7に固定した場合の代表的な軸側クラスとの組み合わせを示します。

すきまばめ(穴 > 軸)

はめあいすきまの大きさ用途例
H7/d9大きいランニングフィット。潤滑油を介した高速回転軸受
H7/e8やや大きい大型軸受、クランクシャフト軸受
H7/f7中程度一般的な滑り軸受、スピンドル
H7/g6小さい精密滑り軸受、スライドフィット。手で滑らかに動く
H7/h6最小(ほぼゼロ)位置決め。手でスムーズに挿入可能

中間ばめ(すきままたは締まり)

はめあい特徴用途例
H7/js6すきま・締まり均等カップリング、軸受ハウジング
H7/k6わずかに締まり寄り歯車のボス、プーリの固定(キー併用)
H7/m6やや締まり軸受内輪の固定、中荷重部品
H7/n6締まり寄り重荷重軸受、高精度位置決め

しまりばめ(軸 > 穴)

はめあい締まりの大きさ用途例
H7/p6軽圧入軸受の軽圧入、ブッシュ固定
H7/r6中圧入軸受ハウジングへの圧入
H7/s6強圧入永久固定。歯車の軸固定(キーなし)

基準寸法別の寸法許容差一覧(H7・代表的な軸クラス)

以下はJIS B 0401-2に基づく代表的な寸法範囲での許容差です(単位:μm)。

穴 H7 の寸法許容差

基準寸法(mm)上の許容差下の許容差公差幅
1超~3以下+10010
3超~6以下+12012
6超~10以下+15015
10超~18以下+18018
18超~30以下+21021
30超~50以下+25025
50超~80以下+30030
80超~120以下+35035
120超~180以下+40040
180超~250以下+46046

図面への記入方法

はめあい公差の図面への記載パターンを紹介します。

パターン1:公差クラス記号のみ

最もシンプルな表記です。

  • 穴:φ50H7
  • 軸:φ50g6
  • 組み合わせ:φ50H7/g6(穴/軸の順)

パターン2:公差クラス記号+数値併記

加工者・検査者が許容差を即座に確認できるよう数値を添えます。

  • 穴:φ50H7(+0.025/0)
  • 軸:φ50g6(-0.009/-0.025)

パターン3:数値のみ

はめあい記号を使わず、許容差の数値だけで指示する方法です。受注生産品や特殊な公差設定で使用します。

  • 穴:φ50 +0.025/0
  • 軸:φ50 -0.009/-0.025

はめあい選定のよくある間違いと対策

間違い1:とりあえずH7/h6を指定する

H7/h6は最小すきまがゼロのため、わずかな加工誤差で圧入状態になるリスクがあります。

対策:確実なすきまが必要ならH7/g6、手で入って抜けにくい程度ならH7/js6を検討しましょう。

間違い2:穴と軸のIT等級の差が大きすぎる

H7/d11のように等級差が大きいと、すきまの範囲が広くなりすぎて品質が不安定になります。

対策:一般的に穴と軸のIT等級差は1~2等級以内が推奨です。H7なら軸はIT6が標準です。

間違い3:温度変化を考慮しない

アルミ部品(線膨張係数が大きい)のしまりばめは、温度上昇で締まりが緩む可能性があります。

対策:異種金属の組み合わせや高温環境では、温度変化による寸法変動を計算に入れましょう。

はめあいと図面AI:デジタル活用のポイント

はめあい公差は「φ50H7/g6」のように記号・数字・スラッシュが組み合わさった表記のため、紙図面からの自動読み取りでは誤認識が起きやすい領域です。

AI-OCR技術では以下の工夫により精度を向上させています。

  • 公差記号パターンの学習:はめあい記号の構文ルール(大文字=穴、小文字=軸)をAIに組み込み、文脈で補正
  • 数値との自動照合:読み取った記号をJIS公差表と照合し、矛盾があればフラグを立てる
  • 類似図面の検索活用:同じはめあいを使った過去図面を検索し、設計の妥当性確認に活用

図面のデジタル化やAI-OCRによるはめあい公差の自動読み取りについては、renueにお気軽にご相談ください。

まとめ

はめあい公差は、穴と軸の組み合わせ精度を管理するための重要な設計ツールです。

  • はめあいはすきまばめ・中間ばめ・しまりばめの3種類
  • 穴基準方式(H固定)が標準。加工・工具の面で合理的
  • H7はリーマ加工で達成可能、工具が標準品、軸側の選択肢が豊富で最も汎用的
  • よく使う組み合わせ:H7/g6(精密すきまばめ)、H7/k6(中間ばめ)、H7/p6(軽圧入)
  • 図面には記号のみ、記号+数値併記、数値のみの3パターンがある

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