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電子帳簿保存法とは|3つの保存区分・義務化の内容・対応方法をわかりやすく解説

公開日: 2026/4/4

はじめに:電子帳簿保存法は全事業者に影響する

「電子帳簿保存法って何?」「うちの会社は対応しなくて大丈夫?」「電子取引データの保存義務って具体的に何をすればいい?」——電子帳簿保存法(電帳法)は、2024年1月の義務化以降、すべての事業者に影響する法律です。

特に「電子取引データの保存義務化」は、メールで受け取った請求書やWebからダウンロードした領収書を電子データのまま保存することを求めており、従来のように紙に印刷して保存する方法は原則認められません。本記事では、電子帳簿保存法の3つの保存区分と対応方法を2026年最新の情報でわかりやすく解説します。

第1章:電子帳簿保存法の基本

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法は、税務関係の帳簿や書類を電子データで保存することを認める(一部は義務化する)法律です。正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」。

法律の目的

経理業務のデジタル化・ペーパーレス化を推進し、業務効率化とコスト削減を実現すること。また、電子取引が普及した現代の実態に合わせた適正な記録保存を確保することが目的です。

対象者

すべての事業者(法人・個人事業主)が対象です。電子取引(メール・Web・EDI等)を行っている事業者は、規模にかかわらず電子データでの保存が義務化されています。

第2章:3つの保存区分

区分1:電子帳簿等保存(任意)

会計ソフト等で作成した帳簿・書類を、紙に出力せずに電子データのまま保存することを認める制度です。

対象:自社で電子的に作成した帳簿(仕訳帳、総勘定元帳等)や書類(貸借対照表、損益計算書等)

ポイント:この区分は「任意」であり、義務ではありません。紙で保存し続けることも可能。ただし、「優良な電子帳簿」の要件を満たすと、過少申告加算税が5%軽減される税制上のメリットがあります。

区分2:スキャナ保存(任意)

紙で受け取った書類をスキャンして電子データで保存することを認める制度です。

対象:紙の請求書、領収書、契約書、見積書等の「取引関係書類」

要件:解像度200dpi以上、タイムスタンプの付与(受領後速やかに)、検索機能の確保、入力者等の情報の確認が必要

ポイント:この区分も「任意」。紙で保存し続けることも可能です。スキャナ保存を導入すると、原本(紙)を廃棄できるため、書類の保管スペースやコストを削減できます。

区分3:電子取引データ保存(義務)

電子取引で授受した取引情報を電子データのまま保存することを義務化した制度です。2024年1月1日以降、すべての事業者に適用されています。

対象となる電子取引の例

  • メールで受け取った請求書・領収書のPDF
  • Webサイトからダウンロードした明細書・領収書
  • クラウドサービス(Amazon・楽天等のECサイト)で発行された取引書類
  • EDI(電子データ交換)で受け取った注文書・請求書
  • ペーパーレスFAXで受信した書類

重要:これらの電子取引データを紙に印刷して保存する方法は原則として認められません。電子データのまま保存する必要があります。

第3章:電子取引データ保存の要件

真実性の確保

以下のいずれかの措置が必要です。

  1. タイムスタンプが付された後に受領:相手がタイムスタンプ済みで送信
  2. 受領後速やかにタイムスタンプを付与:自社で付与
  3. 訂正削除の履歴が残るシステムで保存:改ざん防止機能があるクラウドサービス等
  4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程を策定・運用:最もハードルが低い方法

中小企業や個人事業主には、④の「事務処理規程の策定」が最も現実的な対応策です。国税庁がサンプルの規程を公開しています。

可視性の確保

  • 検索機能:「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目で検索できること。ただし、売上高5,000万円以下の事業者は、ダウンロードの求めに応じられる場合、検索機能不要の猶予措置あり
  • ディスプレイ・プリンタの備付け:税務調査時に画面表示・印刷できる環境を整備

第4章:具体的な対応方法

最もシンプルな対応方法(中小企業・個人事業主向け)

  1. 事務処理規程を策定:国税庁のサンプルをダウンロードして自社に合わせて編集
  2. 電子取引データをフォルダに保存:「年月_取引先名_金額」のようなファイル名で整理
  3. メールの添付ファイルはそのまま保存:受信メール自体を保存するか、添付PDFをダウンロードして保存

クラウドサービスを活用する方法

クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生等)やクラウドストレージ(Google Drive・Box等)を活用すると、検索機能やタイムスタンプの要件を自動的に満たせます。

対応しない場合のリスク

  • 税務調査で保存要件の不備を指摘される
  • 是正勧告に従わない場合、青色申告の承認取消リスク
  • 仕入税額控除が認められない可能性

renueでは、電子帳簿保存法対応のAI帳票処理パイプライン(請求書AI-OCR→自動仕訳→クラウド保存→検索機能付き)の構築を支援しています。手作業での帳票管理からAI自動化への移行を伴走型でサポートします。

第5章:よくある疑問

紙の請求書はどう保存する?

紙で受け取った請求書・領収書は、従来通り紙のまま保存すればOKです(区分3の義務化は「電子取引」のみ)。スキャナ保存(区分2)を導入すれば電子化も可能ですが、任意です。

個人事業主も対応必要?

はい。電子取引(メールでPDFの請求書を受け取る等)を行っている個人事業主も、電子データ保存の義務対象です。

保存期間は?

法人:原則7年間(欠損金の繰越控除適用時は10年間)。個人事業主:青色申告は7年間、白色申告は5年間。

よくある質問(FAQ)

Q1: 電子帳簿保存法に対応しないと罰則はある?

直接的な罰則はありませんが、保存要件を満たさない場合は青色申告の承認取消や仕入税額控除の否認のリスクがあります。

Q2: ExcelやWordで作成した見積書はどう保存する?

自社で作成した書類は「区分1:電子帳簿等保存」の対象で、保存は任意です。紙で印刷して保存しても問題ありません。

Q3: 事務処理規程のサンプルはどこで入手できる?

国税庁の電子帳簿保存法特設サイトで、法人用・個人事業主用のサンプル規程がダウンロード可能です。

Q4: メールの本文に金額が書かれている場合も保存対象?

はい。取引情報(金額・日付等)がメール本文に記載されている場合、そのメール自体が電子取引データに該当し、保存が必要です。

Q5: クラウド会計ソフトを使えば対応完了?

多くのクラウド会計ソフトは電子帳簿保存法の要件に対応していますが、設定が必要な場合があります。ソフトのマニュアルで対応状況を確認して���ださい。

Q6: インボイス制度との関係は?

電子インボイス(適格請求書の電子データ)を受け取った場合は、電子帳簿保存法の電子取引データ保存の要件に従って保存する必要があります。両制度は密接に関連しています。

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