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EDR(Endpoint Detection and Response)とは?仕組み・EPPとの違い・主要製品比較をわかりやすく解説【2026年版】

公開日: 2026/3/31

EDRとは?

EDR(Endpoint Detection and Response)とは、PC、サーバー、スマートフォンなどのエンドポイント端末を常時監視し、サイバー攻撃の検知・分析・対応を行うセキュリティソリューションです。従来のウイルス対策ソフト(EPP)がマルウェアの「侵入を防ぐ」ことに重点を置くのに対し、EDRは「侵入された後の検知と対応」に重点を置いています。

2026年現在、ランサムウェアや標的型攻撃の高度化により、マルウェアの侵入を100%防ぐことは不可能とされています。EDRは「侵入されることを前提に、被害を最小限に食い止める」という現代のセキュリティ思想の中核をなす技術です(トレンドマイクロ)。

EDRの仕組み:検知→分析→対応の3ステップ

1. 検知(Detection)

EDRはエンドポイント端末上のすべての挙動(ファイル操作、プロセス起動、レジストリ変更、ネットワーク通信など)をリアルタイムで監視・記録します。AIや機械学習を活用して正常な挙動パターンを学習し、異常な挙動を自動的に検知します。

2. 分析(Investigation)

検知されたアラートに対して、攻撃の経路(どこから侵入し、何をしたか)を時系列で可視化します。攻撃のスコープ(影響範囲)を特定し、根本原因の分析を支援します。

3. 対応(Response)

感染端末のネットワーク隔離、悪意あるプロセスの強制終了、ファイルの削除・隔離など、被害拡大を防ぐための対応を実行します。自動対応と手動対応の組み合わせで運用されます(Microsoft)。

EDRとEPPの違い

項目EPP(Endpoint Protection Platform)EDR(Endpoint Detection and Response)
主な目的マルウェアの侵入防止侵入後の検知と対応
手法パターンマッチング、振る舞い検知AIによる異常検知、ログ分析、インシデント対応
対象既知のマルウェア中心未知の攻撃、ゼロデイ、ファイルレス攻撃にも対応
可視性限定的エンドポイントの全挙動をログ化・可視化
対応機能ブロック・隔離隔離+根本原因分析+フォレンジック

現在のベストプラクティスはEPPとEDRの併用です。EPPで既知の脅威を防ぎ、すり抜けた未知の脅威をEDRで検知・対応する多層防御が推奨されます(NTTPC)。

EDRとXDRの違い

XDR(Extended Detection and Response)は、EDRの対象をエンドポイントに限定せず、ネットワーク、メール、クラウド、IDなど複数のセキュリティレイヤーを横断的に統合して検知・対応するソリューションです。EDRがエンドポイントの深い可視性を提供するのに対し、XDRは組織全体のセキュリティ状況を統合的に把握できます。

主要EDR製品比較(2026年版)

製品特徴導入規模
CrowdStrike Falconクラウドネイティブ、AI検知の精度が高い、軽量エージェント中〜大企業
Microsoft Defender for EndpointM365連携、コストパフォーマンスが高いM365利用企業
Trend Vision One日本語サポート充実、XDR統合型全規模
Cybereason EDR日本市場シェア高い、AIエンジンによるリアルタイム検知中〜大企業
SentinelOne Singularity自律型AI対応、自動修復機能中〜大企業
Sophos Intercept XディープラーニングAI、マネージドサービス付き中小〜中堅

EDR導入のポイント

運用体制の確保が最重要

EDRは「導入して終わり」ではなく、検知されたアラートを分析・対応する運用が必要です。社内にSOC(セキュリティオペレーションセンター)を構築するか、マネージドEDR(MDR)サービスを利用してアウトソーシングするかを検討しましょう。

既存環境との統合

SIEM、ファイアウォール、クラウドセキュリティなど既存のセキュリティツールとのAPI連携・ログ統合が可能かを確認します。

よくある質問(FAQ)

Q. EDRは中小企業にも必要ですか?

はい。ランサムウェアの標的は大企業に限りません。サプライチェーン攻撃により、中小企業が侵入経路として狙われるケースが増加しています。マネージドEDR(MDR)サービスを利用すれば、社内にSOCを持たなくても運用可能です(ASSIROBO)。

Q. EDRの導入コストは?

1端末あたり月額500〜2,000円が一般的です。100端末の場合、月額5〜20万円程度です。MDRサービスを利用する場合は追加費用が発生します。

Q. ウイルス対策ソフトがあればEDRは不要ですか?

いいえ。ウイルス対策ソフト(EPP)は既知の脅威への防御に有効ですが、ファイルレス攻撃やゼロデイ攻撃には対応しきれません。EPPとEDRの併用が現代のセキュリティのベストプラクティスです。

まとめ

EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイントの挙動を常時監視し、サイバー攻撃の検知・分析・対応を行うセキュリティソリューションです。「侵入されることを前提に被害を最小限に食い止める」という現代のセキュリティ思想の中核であり、EPPとの併用が推奨されます。


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