株式会社renue
renueについて
renueは、AIで業務を実装する会社です
AIコンサルティングから図面AI・広告運用エージェント・コールセンターAIまで、実際に動いているサービスをご覧いただけます。renueが何をしている会社か、まずはサービス一覧からご確認ください。
電子契約とは?
電子契約とは、電子データを用いて締結・記録する契約のことです。電子契約サービスでは作成・署名・管理をオンライン化できますが、電子署名が全ての契約の成立要件になるわけではありません。契約は原則として当事者の意思の合致で成立し、法律が特別な方式を求める場合はその要件も確認します(政府の押印Q&A)。
ITRが2022年10月27日に公表した予測では、国内の電子契約サービス市場の2026年度売上金額は約453億円と見込まれていました。2020年度比4倍超という説明も当時の将来予測に基づくもので、2026年の実績値ではありません。コロナ禍を契機にリモートワークが定着し、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度への対応と相まって、電子契約の導入が急速に進んでいます。
電子契約の法的効力
契約は、法令に特別の定めがない限り、書面や押印の有無だけで効力が変わるものではありません。一方、契約の成立・有効性、文書の証拠力、保存義務は別の論点です。以下の3法も役割が異なり、電子署名法や電子帳簿保存法への対応だけで契約内容の有効性が保証されるわけではありません(政府の押印Q&A、電子署名法Q&A)。
| 法律 | 規定内容 |
|---|---|
| 電子署名法(2001年施行) | 第3条の要件を満たす電子署名が本人の意思に基づき行われた場合、本人が作成した電子文書であることが推定される。単に署名欄があるだけでは足りず、契約の有効性を一律に保証する規定でもない |
| 電子帳簿保存法(1998年施行。2024年1月から電子取引保存の現行ルール) | 税務上の保存義務がある電子取引データの保存方法を定める。改ざん防止はタイムスタンプ、訂正・削除履歴を残すシステム、事務処理規程の整備・運用等から選択できる。検索要件の免除や猶予措置にも条件がある(国税庁) |
| e-文書法(2005年施行) | 法律で保存が義務付けられた書類を電子データで保存可能にする |
証拠・保存のために確認する3つの要素
- 電子署名:作成者の確認と改変の検知に用いる。本人による署名と認められる事情や、電子署名法第3条の要件を確認する
- タイムスタンプ:付与時点でデータが存在し、その後改変されていないことを確認するための情報。署名操作時刻や契約成立・効力発生日そのものを一律に証明するものではなく、合意内容・成立過程は別に確認する(国税庁Q27の定義)
- 適切な保存:対象となる電子取引データは、原則として改ざん防止措置、画面表示・印刷ができる環境、日付・金額・取引先等による検索を備えて保存する。検索は専用システムに限らず索引簿等でも対応できる
電子契約のメリット
1. コスト削減
- 収入印紙が不要:電子契約には印紙税がかかりません。高額な不動産取引や建設工事の契約では数万〜数十万円の節約に
- 郵送費の削減:書留・速達の送料が不要
- 印刷・製本費の削減:紙・トナー・封筒のコストが不要
2. 締結スピードの劇的向上
紙の契約では郵送の往復に1〜2週間かかるところ、電子契約なら最短即日で締結可能です。契約のリードタイムが大幅に短縮され、ビジネスのスピードが加速します。
3. 業務効率化
契約書の作成、送付、署名、保管の全工程がオンライン化され、契約業務の工数を大幅に削減できます。検索機能により過去の契約書も即座に検索可能で、管理の手間も軽減されます。
4. コンプライアンスの強化
タイムスタンプ等による改ざんの検知、アクセス制御、操作ログの記録を組み合わせることで、契約書の管理を強化できます。効果は権限設定や認証、ログの保存などの運用にも左右されます。
5. リモートワーク対応
「契約書に捺印するためだけに出社する」状況を解消し、場所を問わない柔軟な働き方を支援します。
電子契約の注意点
- 契約ごとに法定の方式を確認する:任意後見契約には公正証書が必要です。2025年10月1日以降、法務大臣が指定する公証人が作成する公正証書は原則電子化されましたが、通常の民間電子契約サービスへの署名だけで公正証書を代替できるわけではありません(任意後見契約の方式、公正証書のデジタル化)
- 取引先の対応状況:取引先が電子契約に対応していない場合、導入の説明と合意が必要です
- 電子帳簿保存法への対応:タイムスタンプは改ざん防止措置の選択肢の一つです。税務職員のダウンロードの求めに応じられる場合、範囲指定・複数項目の組合せ検索は省略できます。さらに基準期間(2年・2期前)の売上高5,000万円以下、又は日付・取引先ごとに整理した出力書面を提示・提出できる場合は、同じダウンロード対応を条件に検索要件が免除されます。原則の保存要件を満たせない相当の理由があり、データのダウンロードと出力書面の提示・提出に応じられる場合の猶予措置もありますが、電子データ自体の保存は必要です(国税庁の確認フロー)
主要電子契約ツール比較(2026年10月1日確認)
| ツール名 | 特徴 | 料金目安 |
|---|---|---|
| クラウドサイン | 国内で広く利用。シンプルなUI | Light:月額11,000円、送信1件220円(いずれも税別)。初回1年契約、その後1年単位の更新(公式料金) |
| DocuSign | 海外での利用実績が豊富。英語圏に強い | 米国料金ページのPersonal:US$11/月、年契約・月払い(年間US$132、税が別途かかる場合あり)。送信5エンベロープ/月。日本向け料金とは分けて確認(公式料金) |
| freeeサイン | 中小企業向け。freee会計の各種申請との連携は法人Standard以上で、連携先にも対応契約が必要 | 法人Starter:年払い月額換算5,980円(年71,760円)、月払い7,180円。いずれも年契約・税別。電子サイン50通/月を超える分は100円/通、電子署名は200円/通(公式料金・条件) |
| GMOサイン | 電子署名+タイムスタンプ。法的対応に強い | ライト:年契約8,800円/月、単月契約9,500円/月。どちらも月払い・税別。送信料は契約印タイプ100円、実印タイプ300円/件(税別、公式料金) |
| Adobe Acrobat Sign | PDF・Adobe製品との連携。グローバル利用 | Acrobat Sign Solutionsは公式の営業窓口へ問い合わせ。従来記載の月額US$12.99は同製品の現行料金として確認できず、PDF編集製品Acrobatの料金と混同しない |
電子契約導入の5ステップ
ステップ1:対象契約の洗い出し
自社で取り交わしている契約書の種類と件数を棚卸しし、電子化可能な契約と電子化できない契約を仕分けます。
ステップ2:ツール選定
自社の契約件数、取引先の特性(国内/海外)、既存システムとの連携要件に基づいてツールを選定します。
ステップ3:社内ルール・ワークフローの整備
承認フロー、権限設定、保管ルール(電子帳簿保存法への対応)を策定します。法務部門との連携が不可欠です。
ステップ4:取引先への説明と合意
主要取引先に電子契約への移行を説明し、合意を得ます。「印紙税の節約」「締結スピードの向上」など、取引先にとってのメリットも併せて説明すると理解が得やすいです。
ステップ5:段階的な導入と運用
まず社内の秘密保持契約(NDA)や業務委託契約など、比較的導入しやすい契約から電子化を始め、段階的に対象を拡大します。
よくある質問(FAQ)
Q. 電子契約に収入印紙は必要ですか?
不要です。印紙税法上、収入印紙の貼付が必要なのは「文書」に対してであり、電子データは「文書」に該当しないため、電子契約には印紙税がかかりません。高額な契約を多く取り交わす企業にとっては、印紙税の削減だけでも大きなコストメリットがあります。
Q. 電子契約は裁判で証拠として認められますか?
電子文書も証拠になり得ます。電子署名法第3条の要件を満たせば文書の真正な成立が推定されますが、契約が有効であることや証拠の評価が自動的に確定するわけではありません。裁判所は成立過程を裏付けるメールや記録なども踏まえて判断します(政府Q&Aの問6)。電子契約を証拠として採用した裁判例があるとの従来の記述は、裁判所・判決日・事件番号の原典を本記事では確認できておらず、特定の判例による裏付けとしては扱えません。
Q. 全ての契約を電子化できますか?
契約ごとに法定の方式を確認します。任意後見契約には公正証書が必要ですが、2025年10月1日以降、指定された公証人が作成する公正証書は原則として電子データになっています。リモート作成は嘱託人の申出、他の嘱託人に異議がないこと、公証人が相当と認めることが条件です(任意後見契約、デジタル化の説明)。不動産の重要事項説明書等も、2022年5月18日から相手方の承諾等の要件を満たせば電磁的方法で提供できます(国土交通省)。
まとめ
電子契約は、コスト削減、締結スピードの向上、業務効率化、コンプライアンス強化を同時に実現するDXの基本施策です。導入時は契約の成立・有効性、電子文書の証拠力、税務上の保存を分けて確認します。市場規模453億円は、ITRが2022年に示した2026年度の予測で、到達済みの実績値ではありません。
導入のポイントは、対象契約の洗い出し、電子帳簿保存法への対応、取引先との合意、段階的な展開です。まずはNDAや業務委託契約など社内利用の多い契約から始めましょう。
renueは、企業のペーパーレス化・業務DXを支援します。電子契約導入支援、業務プロセスの自動化(AI・RPA)、バックオフィスDXまで、貴社のデジタル変革をサポートします。

