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減価償却費は販管費?製造原価?正しい計上区分と仕訳方法をわかりやすく解説

2026/10/24

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減価償却費を用途・機能から区分し、製造原価が在庫と売上原価へつながる流れを解説。共用資産の配賦、少額資産の税務、月次照合も整理します。

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減価償却費は販管費?製造原価?正しい計上区分と仕訳方法をわかりやすく解説

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株式会社renue

2026/10/24 公開

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減価償却費の区分は、資産の用途と機能で判断する

減価償却費は、取得した固定資産の原価を利用期間に配分する費用です。製品の製造に使う設備の減価償却費は製造原価、販売・全社管理に使う資産の減価償却費は販売費及び一般管理費に区分するのが基本です。「減価償却費」という費用の性質だけでは計上先は決まりません。資産台帳の名称や設置場所に加えて、誰が何の業務に使用しているかを確認します。

減価償却による費用配分と、資産取得時の現金支出も分けて確認します。費用を足し戻すこと自体が入金を生むわけではありません。FCFの計算方法とFCFF・投資支出の違いでは、設備投資と減価償却、運転資本を含む計算例、完成した営業CFを使う際の二重調整の注意点を整理しています。

用途の例基本的な整理確認事項
製品を加工する機械、製造を支える工場設備製造原価製品への集計・配賦と在庫への振替
営業部門の車両、全社管理部門の備品販売費及び一般管理費販売・管理活動に使う範囲
製造と管理で共用する建物・設備用途に応じた合理的な配分面積・利用時間等の配賦基準と見直し
顧客へのサービス提供に直接用いる設備サービス原価等を含め実態から判断提供機能、原価計算の方法、会計方針

原価計算基準は、減価償却費など費用の形態による分類と、製造・販売・一般管理といった機能による分類を区別しています。このため、工場内にある事務用パソコンでも、製造管理に使うなら製造間接費となる場合があります。反対に、工場と同じ敷地にある全社管理部門の資産を、住所だけで製造原価へ集めるのは適切ではありません。

業種名も結論を決める条件ではありません。小売業やサービス業でも、顧客への提供に直接関係する設備と本社管理用設備は役割が異なります。SaaS事業のサービス提供用サーバーと経理部門のパソコンを、どちらもIT機器だから販管費、と一括りにしないことが大切です。まず自社の収益を生む業務と支援業務を整理し、費用の集計単位を決めましょう。

ソフトウェアでは、そもそも資産として取得したものか、期間中の利用サービスかも先に確認します。契約内容と費用・資産の判断は、ライセンス料の勘定科目と会計処理で整理しています。導入形態だけで区分を決めず、取得時の判断と利用後の用途管理をつなぐ必要があります。

製造原価に含めた減価償却費が売上原価になるまで

「製造原価」と「売上原価」は同じ金額になるとは限りません。製造に要した減価償却費は、他の材料費・労務費・製造経費とともに製品の原価へ集計されます。そのうち販売した製品に対応する部分が売上原価となり、未販売の製品や仕掛品に含まれる部分は棚卸資産として翌期以降へ繰り越されます。原価計算基準の製品原価と期間原価の区別を踏まえ、発生時の集計先と損益になる時点を分けて考えます。

以下は計算の仕組みを示す仮定例です。ある月の減価償却費100,000円のうち、製造に対応する部分が70,000円、全社管理に対応する部分が30,000円とします。期首在庫はないと仮定し、他の原価や税金は省略します。製造分70,000円のうち、月末の未販売品に含まれる額が20,000円であれば、この減価償却費に由来する当月の売上原価は50,000円、販管費は30,000円、棚卸資産に残る額は20,000円です。実際には製品別原価や仕掛品を含めた自社の原価計算に従います。

段階説明用の仕訳・残高
減価償却の計上借方:製造間接費70,000円、販管費の減価償却費30,000円/貸方:減価償却累計額100,000円
製造分を製品等へ集計した後製造分70,000円を、販売分50,000円と未販売分20,000円へ配分する
この減価償却費に対応する月末の状態売上原価50,000円、販管費30,000円、棚卸資産20,000円

科目名や振替仕訳は自社の会計システムで異なります。重要なのは、同じ減価償却費を製造時と販売時に重ねて費用計上しないことです。資産台帳で計算した額が原価計算へ入り、製品・仕掛品と売上原価へつながっているか、月次の残高で確認します。棚卸資産の評価では、棚卸資産の評価に関する会計基準も参照します。

製造分を誤ってすべて販管費にすると、売上総利益の表示が変わります。さらに、在庫に含めるべき部分まで当期費用にしてしまうと、当期の営業利益にも影響します。「原価と販管費を入れ替えても営業利益は必ず同じ」とは言えません。販管費率を比較するときにも、この区分の違いが効率の差に見える点に注意が必要です。詳しくは販管費率の目安と比較条件をご覧ください。

共用資産・遊休資産・少額資産で迷う場合

一つの建物を工場と本社管理部門で使う場合は、利用実態を表す合理的な基準で配分します。例えば専有部分を面積で整理し、共用部分は利用状況を踏まえて配賦する方法が考えられます。機械やシステムなら利用時間や処理量が候補になります。ただし、面積や時間を使えば必ず合理的になるわけではありません。どの機能の負担を表すか、データを継続して取得できるか、結果が実態から大きく外れていないかを確認します。

配賦基準と比率は、設定した理由、使用するデータ、承認者、適用開始日を残します。組織変更や工場移転、稼働状況の変化があれば見直しが必要です。説明用の例で製造70%・管理30%とした場合でも、その比率を他社や別の資産に流用することはできません。原価計算の担当者と固定資産台帳の担当者が別であれば、用途変更をどちらへ通知するかも決めておきます。

遊休資産は「使っていないから営業外費用」と一律に区分しません。通常の操業に関連する休止か、異常な状態か、将来の使用見込みがあるかによって、原価への算入や損益表示、減損の検討などが変わります。原価計算基準の非原価項目の考え方と、適用する会計基準を踏まえて個別に確認します。原価に含めないことと、損益計算書のどの区分に表示するかは別の判断です。

また、少額資産の税務上の扱いは、費用の用途を決める基準ではありません。2026年4月1日以後の取得等に関する中小企業者等の特例は、取得価額40万円未満、原則として年間合計300万円までという枠に加え、対象法人・従業員数・青色申告・損金経理等の条件があります(国税庁の適用要件)。税務上の一括損金算入が可能でも、財務会計上の処理や、製造用途の支出を製品原価へどう反映するかまで自動的に決まるわけではありません。

耐用年数も、税務上の法定年数と財務会計上の見積りを分けます。例えばソフトウェアは税務上の用途区分により年数が異なります(国税庁)。取得価額、償却期間、償却方法、費用の機能別区分を別々の確認項目として管理しましょう。

固定資産台帳から月次損益までをつなぐ運用

区分の誤りを防ぐには、取得時の一度の判断に加えて、月次の照合が必要です。台帳には資産ID、取得価額、供用開始日、使用部署、用途、償却方法・期間、原価集計先、配賦基準を記録します。複数部署で使う資産は、設置場所だけでなく実際の利用機能を残します。リース資産や使用権資産などについては、自社が適用する基準と適用時期を確認して、認識・測定の処理と費用区分を整理します。

  1. 資産台帳の当月償却額と会計に取り込んだ総額を照合する。
  2. 製造部門・販売部門・管理部門の集計先が用途と一致するか確認する。
  3. 共用資産の配賦額を合計し、配賦前の金額と一致するか確認する。
  4. 製造分が製品・仕掛品と売上原価に正しくつながるか、残高と振替を確認する。
  5. 新規取得、除却、移設、用途変更、長期休止について、担当者の承認と証拠を残す。

この照合では、総額が合っているだけでは不十分です。例えば全体の償却額が台帳と一致していても、製造部門への配賦漏れがあれば製品別の採算は変わります。前月との差が大きい場合は、設備投資の増減だけでなく、供用開始日、移管、償却終了、配賦方法の変更を確認します。比較する損益の範囲を揃え、過年度と区分が変わった場合はその理由も記録します。

データ連携を自動化する際は、資産IDと原価部門コードの対応、取り込み済みデータの重複防止、エラーの確認担当を先に決めます。AIが用途や部門を推定しても、根拠となる申請・台帳・利用状況を示せないものは確認待ちにします。製造原価に入れた額が売上原価へ流れる過程までを含めて設計し、入力の省力化だけで処理が完了したと判断しないことが重要です。

部門間で用途情報がつながらず、締め作業や採算分析が滞る場合は、renueのコンサルティングで課題の整理、改善の優先順位、実行ロードマップとKPIを検討できます。相談時には台帳から原価計算・会計までのデータの流れを用意すると論点を具体化できます。会計・税務上の最終判断は、適用基準と個別事情を踏まえて経理責任者や専門家に確認してください。

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FAQ

よくある質問

資産の用途・機能で判断します。製造用は製造原価、販売・全社管理用は販管費が基本です。共用資産は合理的に配分し、サービス提供用設備などは実態と会計方針から確認します。

販売した製品に対応する部分が売上原価になります。未販売の製品や仕掛品に含まれる部分は棚卸資産として繰り越すため、発生額の全額が同じ期の売上原価になるとは限りません。

面積、利用時間、処理量などから、機能ごとの使用実態を表す合理的な基準を選びます。根拠、承認、適用期間を記録し、用途変更や稼働状況の変化があれば見直します。

そうではありません。法人税上の損金算入要件と、財務会計上の処理、製造・販売・管理という費用の機能は別の判断です。製造用途なら製品原価への反映も確認します。

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