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カスタマージャーニーとは?マップの作り方から活用事例まで完全ガイド【2026年版】

公開日: 2026/3/30

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入・利用・継続に至るまでの一連のプロセス(旅)のことです。各プロセスにおける顧客の行動、思考、感情、接点(タッチポイント)を時系列で整理し、図式化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。

カスタマージャーニーマップを作成する最大の目的は、顧客視点でマーケティング施策を設計することです。企業視点では気づきにくい顧客の不満や離脱ポイントを可視化し、体験全体を最適化するための「共通言語」として機能します。

なぜカスタマージャーニーマップが必要なのか

1. 顧客接点の複雑化

2026年の顧客は、検索エンジン、SNS、口コミ、AI Overview、メール、セミナー、展示会など、多数のチャネルで情報収集を行います。これらの接点を横断的に把握し、一貫した体験を設計するにはカスタマージャーニーの俯瞰図が不可欠です。

2. 部門間の認識統一

マーケティング、営業、カスタマーサクセス、プロダクトの各部門が「顧客は今どのフェーズにいるのか」を共通認識として持つことで、施策の重複や空白を防ぎます。

3. 施策の優先順位付け

どのフェーズのどの接点に課題があるかを特定することで、限られたリソースを最も効果の高い領域に集中投下できます。

BtoBとBtoCのカスタマージャーニーの違い

BtoBBtoC
意思決定者複数人(担当者→上長→経営層→購買部門)基本的に個人
検討期間数週間〜数ヶ月(稟議・予算承認が必要)数分〜数日
情報収集方法ホワイトペーパー、事例、ウェビナー、展示会SNS、口コミ、比較サイト、店頭
購買後の関係長期的(カスタマーサクセスが重要)リピート購入・口コミが中心
マップの複雑さ高い(複数のペルソナ×意思決定プロセス)比較的シンプル

BtoBでは「社内稟議」「導入後の定着」など、BtoCにはないフェーズが存在するため、カスタマージャーニーマップもより複雑になります。

カスタマージャーニーマップの作り方 — 5ステップ

ステップ1:目的を明確にする

「何のためにマップを作るのか」を最初に定義します。目的が曖昧なまま作成すると、網羅的だが使えないマップになりがちです。

  • 新規リード獲得施策の優先順位を決めたい
  • 商談化率のボトルネックを特定したい
  • カスタマーサクセスの改善ポイントを見つけたい
  • 新サービスのマーケティング戦略を設計したい

ステップ2:ペルソナを設定する

カスタマージャーニーの主人公となる顧客像(ペルソナ)を定義します。BtoBの場合は以下の項目を設定します。

  • 基本情報:業種、企業規模、部門、役職
  • 課題・ニーズ:何に困っているか、何を実現したいか
  • 情報収集行動:どのチャネルで情報を集めるか
  • 意思決定基準:何を重視して選定するか(価格、実績、サポート等)
  • 社内の意思決定プロセス:誰の承認が必要か

ペルソナは想像で作るのではなく、実際の顧客インタビューやアンケート、営業担当へのヒアリングに基づいて設計することが重要です。

ステップ3:フェーズを定義する

顧客の購買プロセスをフェーズに分けます。BtoBの一般的なフェーズは以下の通りです。

フェーズ顧客の状態主なタッチポイント
認知課題を認識し始める。まだ解決策を知らない検索エンジン、SNS、業界メディア、AI Overview
興味・情報収集解決策の選択肢を調べ始めるブログ記事、ホワイトペーパー、ウェビナー
比較・検討候補を絞り込み、比較する事例ページ、料金ページ、デモ、営業ヒアリング
意思決定最終候補を選び、社内承認を進める提案書、見積書、稟議資料、トライアル
導入・利用開始サービスを使い始めるオンボーディング、初期設定サポート
活用・拡大価値を実感し、利用を拡大する定期レビュー、アップセル提案、ユーザーコミュニティ

ステップ4:各フェーズの行動・思考・感情を記入する

各フェーズで顧客が「何をするか(行動)」「何を考えるか(思考)」「どう感じるか(感情)」を記入します。

例えば「比較・検討」フェーズでは以下のようになります。

  • 行動:競合3社のサービスページを比較、事例を読む、デモを申し込む
  • 思考:「うちの業界での実績はあるか?」「導入後のサポートは手厚いか?」
  • 感情:「どれも似たように見えて決め手がない」「上司への説明材料が欲しい」

ステップ5:課題と施策を特定する

各フェーズの行動・思考・感情を分析し、「顧客が離脱しやすいポイント」「体験が不十分なポイント」を特定します。そのうえで、改善施策を設計します。

例:「比較・検討フェーズで離脱が多い」→ 施策:業界別の詳細な事例ページを制作、ROI計算ツールを提供、稟議用の比較資料テンプレートを用意

カスタマージャーニーマップ活用の3つのポイント

1. 定期的に更新する

カスタマージャーニーは一度作って終わりではありません。顧客の行動は市場環境やテクノロジーの変化に伴って変化します。少なくとも半年〜1年に一度はマップを見直しましょう。

2. データで裏付ける

マップの各フェーズに、GA4のデータ(流入元、閲覧ページ、離脱率)、SFA/CRMのデータ(商談化率、リードタイム)、顧客アンケートの定量データを紐づけることで、主観的な推測ではなくデータに基づいた議論が可能になります。

3. 施策の優先順位を決める「判断基盤」として使う

マップはあくまで分析ツールであり、それ自体が成果を生むわけではありません。「このフェーズのこの課題に対してこの施策を打つ」という意思決定の土台として活用することが重要です。

AI時代のカスタマージャーニー

2026年、カスタマージャーニーの設計にもAIが大きな影響を与えています。

  • AI Overviewの登場:Googleの検索結果にAI生成の要約が表示されるようになり、「検索はするが自社サイトに来ない」ゼロクリック検索が増加。認知フェーズの接点設計にAIO対策が不可欠に
  • AIチャットボットによる即時対応:興味・情報収集フェーズで、AIチャットボットが訪問者の質問に即座に回答し、適切な資料への誘導やデモ予約を自動化
  • AIリードスコアリング:比較・検討フェーズのリードをAIが自動でスコアリングし、最適なタイミングで営業にトスアップ
  • パーソナライズされた体験:AIが顧客の行動履歴を分析し、各フェーズで最適なコンテンツを自動で出し分け

よくある質問(FAQ)

Q. カスタマージャーニーマップの作成にどのくらい時間がかかりますか?

初回作成は、ペルソナ設計から完成まで2〜4週間が目安です。ただし、いきなり完璧を目指す必要はありません。まずは1日のワークショップで骨格を作り、その後にデータや顧客インタビューで肉付けしていくアプローチが実務的です。テンプレートを活用すれば、骨格の作成は半日で可能です。

Q. BtoBのカスタマージャーニーで最も重要なフェーズはどこですか?

ビジネスの課題によって異なりますが、多くの企業で最もインパクトが大きいのは「比較・検討」フェーズです。ここで顧客が必要とする情報(事例、料金、導入後のサポート体制)を適切に提供できるかどうかが、商談化率を大きく左右します。リード獲得数は十分なのに商談につながらない場合は、このフェーズの体験に課題がある可能性が高いです。

Q. カスタマージャーニーマップは誰が作るべきですか?

マーケティング担当者だけで作るのではなく、営業・カスタマーサクセス・プロダクト開発など、顧客と接点を持つ複数部門のメンバーでワークショップ形式で作成するのが理想です。各部門が持つ「顧客の声」を集約することで、より現実に即したマップが完成します。

まとめ

カスタマージャーニーマップは、顧客の購買プロセス全体を俯瞰し、各フェーズの課題と改善施策を特定するための実務ツールです。ペルソナ設定→フェーズ定義→行動・思考・感情の記入→課題と施策の特定という5ステップで作成します。

2026年はAI Overviewの登場やAIチャットボットの普及により、カスタマージャーニーのタッチポイントが大きく変化しています。定期的にマップを更新し、データで裏付けながら、施策の優先順位を判断する基盤として活用しましょう。


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