クラウドサインとは?電子契約の仕組みと法的有効性
クラウドサイン(CloudSign)は、弁護士ドットコム株式会社が提供する日本最大手の電子契約サービスです。紙の契約書に代わり、PDFなどのファイルをオンラインで送付・署名・保管できるサービスで、国内導入企業数はシェアNo.1(弁護士ドットコム社公表データ)を誇ります。受信者側はクラウドサインのアカウント登録なしで署名でき、メールアドレスだけで契約締結が完了することが最大の特徴です。
電子契約の法的有効性は以下の法令に基づいています。
- 電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律):第3条では、電子署名が行われた電子文書は「真正に成立したものと推定する」と規定されており、適切な電子署名が施された電子契約書は紙の契約書と同等の法的効力を持ちます
- 電子帳簿保存法:電子的に締結された契約書はデータのまま保存・管理が可能で、紙への印刷・ファイリングが不要になります。2024年1月1日以降、電子取引データの電子保存が義務化されています
- 収入印紙(印紙税)不要:電子契約書は課税文書に該当する紙の契約書ではないため、原則として収入印紙(印紙税)が不要になります。契約金額に応じて1通あたり数千円〜数万円のコスト削減が見込まれます
クラウドサインの料金プラン
| プラン | 月額費用 | 送信料 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| フリープラン | 無料 | 220円/件(税込) | 月2件まで無料送信・試用 |
| スタンダード以上(有料プラン) | 月額基本料+送信料 | 220円/件(税込) | 件数が多い企業・チーム利用 |
※最新の料金は公式サイト(cloudsign.jp)でご確認ください。有料プランは月額基本料に加えて1件あたりの送信料が加算される従量課金型です。契約件数が多い企業では月額定額制の上位プランが費用対効果が高くなります。
クラウドサインの基本的な使い方:送信から署名完了まで
Step 1:書類の送信(送信者側)
クラウドサインにログイン後、「新しい書類の送信」をクリックします。
- 契約書ファイル(PDF形式推奨)をドラッグ&ドロップまたはファイル選択でアップロードします
- 書類タイトルを入力して「次へ」をクリックします
- 書類上の署名・捺印が必要な箇所にフィールド(フリーテキスト・日付・チェックボックス等)を追加し、署名者(受信者)に割り当てます
- 受信者のメールアドレス・氏名を入力して「送信」します
受信者にはメールで確認依頼が届きます。送信者側はクラウドサインのダッシュボードで書類のステータス(未確認・確認済み・完了)をリアルタイムで追跡できます。
Step 2:書類の確認・署名(受信者側)
受信者はメールのリンクからアクセスします。クラウドサインのアカウント登録は不要です。
- メールのリンクから書類を開き、内容を確認します
- 必要事項(氏名・日付等)を入力します
- 「書類の内容に同意」ボタンをクリックします
- 確認ポップアップで「同意して確認完了」をクリックすると、署名が完了します
署名完了後、送信者・受信者の双方に完了通知メールが届き、改ざん防止のタイムスタンプが施された最終書類がメールで送付されます。
Step 3:締結済み書類の保管・管理
クラウドサイン内に締結済み書類が自動保存され、書類タイトル・取引先・締結日・有効期限での検索・一覧管理が可能です。有効期限アラートを設定することで、契約更新漏れを防ぐことができます。
「質問の姿勢(4段階)」:電子契約導入を「なんとなくDX」で進めない
Renueの社内ガイドラインには「質問の姿勢(4段階)」として、「質問する際は自分がどのレベルか意識する。①仮説があり事実確認したい、②調べ方はわかるが専門家に聞いた方が早い、③全体像は見えているが特定領域で目途が立たない、④何もわからないのでとりあえず聞きたい。④は極力なくす。更問(背景の補足を求められる)はプロとして失格」という考え方があります。
電子契約導入でよくある失敗は「電子契約ってどうやって始めればいいですか?」というLevel 4の状態で社内議論や外部相談を始めてしまうことです。Renueの実際の業務においても、取引先との契約締結にクラウドサイン・DocuSign・Adobe Signなど複数の電子署名サービスを使い分けており、「どのサービスを使うか」「立会人型か当事者型か」「取引先のシステムとの互換性」など具体的な条件を整理したうえで相手方と調整するアプローチが標準になっています。
クラウドサイン(電子契約)導入前の事前確認チェックリストは以下の通りです。
- 電子化する契約種別を特定する:すべての契約を一度に電子化しようとせず、まず件数が多い・更新頻度が高い・印紙税コストが大きい契約種別(業務委託契約・NDA・雇用契約など)から優先して電子化します。どの契約種別から始めるかを決めてから導入を進めることで手戻りが減ります
- 主要取引先の電子契約対応状況を確認する:クラウドサインは受信者側のアカウントが不要ですが、相手方企業が電子契約方針を持っている場合、使用できるサービスが指定されることがあります(例:DocuSign指定など)。主要取引先5社程度の電子署名対応状況を事前に確認します
- 立会人型と当事者型の違いを理解する:クラウドサインは「立会人型」電子署名で、サービス提供者(弁護士ドットコム)が署名行為を代行する方式です。金融機関・行政機関との取引など本人確認の証明力が求められる場合は「当事者型」電子署名サービスが必要になります
- 社内の押印フロー・稟議プロセスを電子化に合わせて見直す:電子契約を導入しても社内の押印申請フロー(紙の稟議書)が残ったままでは業務効率化効果が限定的になります。電子契約の導入と合わせて社内承認フローをワークフローシステムで電子化することをセットで検討します
主要電子契約サービスの比較
| サービス | 提供会社 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| クラウドサイン | 弁護士ドットコム | 日本シェアNo.1・受信者登録不要・日本語サポート充実 | 国内企業間の契約全般 |
| GMOサイン | GMOグローバルサイン | 立会人型・当事者型の両方対応・官公庁や大企業での採用実績 | 行政・大企業との取引 |
| Adobe Sign(Adobe Acrobat Sign) | Adobe Inc. | AdobeのPDF/Acrobatとの統合・直感的UI | AdobeツールをすでにDX化している企業 |
| DocuSign | DocuSign Inc. | 世界180カ国以上・44言語対応・グローバル標準 | 海外取引先との契約・グローバル企業 |
よくある質問(FAQ)
Q. クラウドサインで締結した電子契約書は裁判で証拠として使えますか?
はい、使えます。電子署名法第3条の規定により、適切な電子署名が施された電子文書は「真正に成立したものと推定」されるため、紙の契約書と同様に法的証拠として提出できます。クラウドサインは締結完了時にタイムスタンプと固有の識別情報(Document ID)を付与し、改ざんが検証できる仕組みを持っています。ただし、法律上の解釈は個別の状況によって異なるため、重要な契約については弁護士への相談を推奨します。
Q. 取引先がクラウドサインのアカウントを持っていなくても使えますか?
はい、使えます。クラウドサインの最大の特徴の一つが「受信者側のアカウント登録が不要」な点です。送信者がクラウドサインのアカウントを持っていれば、受信者はメールアドレスさえあれば署名できます。ただし受信者側から新たに書類を送信したい場合は別途アカウントが必要です。
Q. 電子契約にできない契約書の種類はありますか?
はい、一部の契約・文書は法律上または実務上の理由から電子化が困難または不可のものがあります。例として、家庭裁判所での公正証書(遺言等)・不動産登記申請・定款の認証などは電子化に特別な手続きが必要です。また、相手方が電子契約を拒否する場合は紙の契約書での対応が必要になります。自社で扱う契約種別が電子化可能かどうかは法務担当者や弁護士に確認することを推奨します。
電子契約・バックオフィスDXを相談したい方へ
Renueは電子契約導入・バックオフィスDX・業務プロセス改善の支援実績があります。「どの電子契約サービスを選ぶべきか」「社内の承認フローをどう電子化するか」など、まずお気軽にご相談ください。
無料相談はこちら