株式会社renue
renueについて
renueは、AIで業務を実装する会社です
AIコンサルティングから図面AI・広告運用エージェント・コールセンターAIまで、実際に動いているサービスをご覧いただけます。renueが何をしている会社か、まずはサービス一覧からご確認ください。
なぜBtoBにストーリーテリングが必要なのか
BtoBマーケティングでは「データ」「スペック」「ROI」が中心に語られがちですが、購買の意思決定を行うのは人間です。ストーリー形式では、課題が生まれた背景、担当者の判断、導入後の変化を順に伝え、数値だけでは見えにくい利用場面を描けます。記憶への残りやすさやコンバージョンへの効果は、対象読者や表現によって異なります。コンテンツの理解度や資料請求率を比較しながら、自社に合う伝え方を検討します。
2010年のStephensらの研究は、1人が体験談を語る際と、その録音を11人が聞く際の脳活動をfMRIで測定し、語り手と聞き手の活動パターンの時間的な対応と、物語の理解度との関係を報告しました。ここでいう「神経結合」は活動の対応を表し、脳同士が物理的につながる意味ではありません。この実験はドーパミンやオキシトシンの分泌、BtoBの購買効果を測定したものではなく、実務ではデータと物語を組み合わせた表現の理解度を別途確かめます。(出典:Stephensら、PNAS、2010年)
ナラティブマーケティングとストーリーテリングの違い
| 項目 | ストーリーテリング | ナラティブマーケティング |
|---|---|---|
| 定義 | 個別の物語を語る手法 | ブランド全体を貫く大きな物語を構築 |
| スコープ | 1つのコンテンツ・キャンペーン | ブランド全体の世界観・パーパス |
| 主語 | 顧客が主人公 | ブランドのビジョン・使命が中心 |
| 時間軸 | 始まり→転換→結末の構造 | 進行中の大きなテーマ・運動 |
| 例 | 「A社はこの課題をこう解決した」 | 「renueは『やってる感にさよならを』を掲げ、成果にコミットする」 |
BtoBストーリーテリングの5つのフレームワーク
1. ヒーローズジャーニー(顧客が主人公)
顧客を「ヒーロー」、自社を「ガイド(導き手)」として位置づけるフレームワークです。
- 日常: 顧客が抱える課題(現状の不満・機会損失)
- 冒険への誘い: 変化の必要性に気づく瞬間
- ガイドとの出会い: 自社(ソリューションプロバイダー)との接点
- 試練と変革: 導入プロセス、課題の克服
- 成功と帰還: 定量的な成果(コスト削減○%、売上○倍など)
2. Before → After → Bridge
最もシンプルで効果的なストーリー構造です。
- Before: 顧客がソリューション導入前に抱えていた課題
- After: 導入後に実現した理想の状態
- Bridge: BeforeからAfterに到達するために自社が提供した価値
3. データストーリーテリング
数値データをナラティブ(物語)で包み、成果が生まれた背景や利用者の変化を伝える手法です。説明用の例として、「締め作業が3日から半日に短縮された」だけでなく、「毎月の締め作業に3日かかっていたA社のチームが、自動化により半日で完了するようになり、空いた時間で新規事業の企画に取り組めるようになった」と語ることで、同じ工数の数字に文脈と感情が加わります。
4. 社員ストーリー(ビハインド・ザ・シーン)
製品やサービスの「裏側」にいる社員の情熱、開発のエピソード、顧客との印象的な瞬間を語ります。BtoBでも「この製品を作っている人たち」の人間味が信頼を構築します。外部の発信者との連携については、LinkedInが2025年に公表したIpsosによる6か国のB2Bマーケティング幹部1,500人の調査で、55%がインフルエンサー施策を実施していると回答しました。これは社員のストーリー発信率や、その効果を測った数値ではありません。(出典:LinkedIn「Video Influence Effect」・調査方法)
5. ビジョンナラティブ
「自社は何のために存在するのか」「どのような未来を実現したいのか」を語るフレームワークです。製品の機能ではなく、ブランドの使命やビジョンを中心に据えます。パーパス駆動型のナラティブは、特に採用マーケティングやエンプロイーブランディングに効果的です。
ストーリーテリングの実践チャネル
| チャネル | ストーリーテリング手法 | 効果的なコンテンツ例 |
|---|---|---|
| 導入事例 | ヒーローズジャーニー型の顧客ストーリー | 課題→導入→成果の物語構造 |
| ブログ/オウンドメディア | データストーリーテリング、社員ストーリー | 業界課題の深掘り、開発秘話 |
| 動画 | 顧客インタビュー、ドキュメンタリー型 | 2〜3分のストーリー動画 |
| プレゼンテーション | Before→After→Bridge | 営業資料、カンファレンス登壇 |
| SNS(LinkedIn等) | 社員ストーリー、マイクロナラティブ | 創業エピソード、学びの共有 |
| メールマーケティング | シリーズ化されたナラティブ | 連載形式のストーリーメール |
効果的なBtoBストーリーの要素
1. 具体的な「人」の存在
説明用の人物例なら、「ある企業のDX推進チーム」ではなく「A社のDX推進室長、佐藤さん」のように、具体的な人物(匿名でも役職・立場は具体的に)を登場させます。読者が感情移入できるキャラクターの存在がストーリーの命です。
2. 葛藤と克服
成功だけの美談は記憶に残りません。「最初はうまくいかなかった」「社内の反対にあった」「予想外の課題が発生した」などの葛藤と、それをどう克服したかのプロセスが、ストーリーにリアリティと説得力を与えます。
3. 感情と数字の両立
BtoBでは最終的にROIで判断されるため、数字は不可欠です。しかし「コスト30%削減」だけでは記憶に残りません。「毎晩残業していたチームが定時に帰れるようになった」という感情的な変化と「工数30%削減」という数字を組み合わせることで、記憶への定着とコンバージョン向上の両方を狙います。
4. 「なぜ」から始める
Simon Sinekの「Start with Why」の原則に基づき、製品の「何(What)」や「どう(How)」ではなく、「なぜ(Why)」から語り始めます。「なぜこの製品を作ったのか」「なぜこの課題に取り組むのか」のWhyが、ブランドへの共感を生みます。
BtoBナラティブの設計ステップ
ステップ1: ブランドナラティブの策定
企業のミッション、ビジョン、バリューを物語の形に変換します。「私たちは○○を信じ、○○な世界を実現するために○○を提供する」という一貫したナラティブを策定し、全てのコミュニケーションの基盤とします。
ステップ2: 顧客ペルソナの物語化
ターゲット顧客のペルソナを「キャラクター」として描きます。名前、役職、日常の課題、心の中の不安や願望を具体的に設定し、このキャラクターが「ヒーローズジャーニー」を経て成功に至る物語を設計します。
ステップ3: ストーリーライブラリの構築
導入事例、社員エピソード、創業ストーリー、業界課題のナラティブなど、活用可能なストーリーを体系的に蓄積する「ストーリーライブラリ」を構築します。営業、マーケティング、CS、採用の各チームが必要なストーリーをすぐに引き出せる状態を目指します。
ステップ4: チャネル別のストーリー展開
同一のストーリーを、チャネルの特性に合わせて再構成して展開します。導入事例ページでは詳細版、SNSではマイクロナラティブ版、営業資料ではBefore→After版、動画ではインタビュー版というように、一つのストーリー素材から複数のコンテンツを生成します。
ステップ5: 効果測定と改善
ストーリーコンテンツのパフォーマンス(エンゲージメント率、読了率、共有数、コンバージョン率)を測定し、どの種類のストーリーが最も効果的かを分析します。データに基づいてストーリーの構造、長さ、チャネルを継続的に最適化してください。
AI時代のストーリーテリング
AIとヒューマンストーリーの共存
AIを取り入れる際は、その効率性と「本物のストーリーテリング」「人間の洞察」「感情的なつながり」を両立させる設計が考えられます。AIをデータ分析、初稿の生成、パーソナライゼーションに活用しつつ、取材で確かめた経験や感情をストーリーに込めます。制作時間だけでなく、内容の理解度や読了率も確かめることで、効率化と伝わり方の両面を改善できます。
パーソナライズドナラティブ
AIが受信者のペルソナ、関心領域、購買段階に基づいて、ストーリーの内容や切り口を自動でパーソナライズするアプローチが広がっています。同じ導入事例でも、CFO向けにはROIの物語を、CTOには技術的な挑戦の物語を、現場担当者には業務改善の物語を自動で出し分けます。
よくある質問(FAQ)
Q. BtoBは「堅い」イメージがあるのにストーリーテリングは使えますか?
BtoBでも活用できます。複数の関係者が関わる購買では、製品の論理的な評価に加え、導入を決めた背景や現場の経験を伝える使い方があります。金融、医療、保険などの分野でも、専門家による解説と担当者の体験を組み合わせる構成が考えられます。ブランド理解を目的とするのか、資料請求につなげるのかを定め、読者の反応を確認して使い分けます。
Q. 導入事例を「ストーリー」として書くコツは?
3つのポイントがあります。(1)課題の描写にリアリティを持たせる(「DX推進に課題があった」ではなく「毎月の手作業レポート作成に3日間、チーム全員が追われていた」)。(2)導入プロセスの葛藤を含める(「最初は社内の反対にあった」「予想外のデータ移行の壁にぶつかった」)。(3)成果を「数字+感情」で語る(「工数70%削減」+「チームに笑顔が戻った」)。
Q. ストーリーテリングの効果はどう測定しますか?
直接的な指標としては、ストーリーコンテンツの読了率、動画完視率、SNSシェア数、コンバージョン率(資料DL、デモ申込み等)を計測します。間接的な指標としては、ブランド認知度調査、NPS、検索ボリュームの推移、採用応募数の変化を追跡します。ストーリーテリングの効果は中長期的に現れるため、3〜6か月単位でのトレンド分析が推奨されます。
まとめ:「語れるブランド」が選ばれる時代
ストーリーテリングとナラティブマーケティングは、BtoBで製品の価値や導入の背景を伝えるコミュニケーション手法です。ROIは制作・配信費用と獲得成果を計測し、他の施策と同じ条件で評価します。データと感情の融合、顧客を主人公に据えた物語設計、AIとヒューマンストーリーの共存を通じて、「語れるブランド」を構築しましょう。
renueでは、BtoB企業のブランドナラティブ設計からコンテンツマーケティング戦略の策定まで、企業のマーケティング強化を包括的に支援しています。ブランド構築やコンテンツ戦略でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社renueでは、AI導入戦略の策定からDX推進のコンサルティングを提供しています。お気軽にご相談ください。

