renue

ARTICLE

勤怠管理とは|システム比較・打刻方法・法改正対応・導入メリットを徹底解説

公開日: 2026/4/4

勤怠管理の基本からクラウドシステム比較、打刻方法、法改正対応、AI活用トレンドまで徹底解説。

勤怠管理とは?企業が正確な勤怠管理を求められる理由

勤怠管理とは、従業員の出退勤時刻、労働時間、休憩時間、残業時間、有給休暇取得状況などを正確に記録・管理する業務のことです。労働基準法では、使用者に対して「労働者の労働時間を適正に把握する義務」が課されており、勤怠管理は法的にも必須の業務です。

厚生労働省が公表した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、始業・終業時刻を使用者自ら現認するか、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録など客観的な方法で確認することが求められています。自己申告制の場合も、実態との乖離がないか定期的な確認が必要とされています。

勤怠管理が不適切だと、未払い残業代の発生、36協定違反、過重労働による健康被害など、企業にとって深刻なリスクにつながります。特に近年は働き方改革関連法の施行により、時間外労働の上限規制や有給休暇の年5日取得義務化が厳格化されており、正確な勤怠管理の重要性はこれまで以上に高まっています。

勤怠管理で記録すべき項目

法令に準拠した勤怠管理を行うには、以下の項目を正確に記録する必要があります。

  • 出退勤時刻:始業・終業の正確な時刻
  • 労働時間:所定労働時間、時間外労働時間、深夜労働時間
  • 休憩時間:取得の有無と時間数
  • 休日出勤:法定休日・所定休日の出勤状況
  • 有給休暇:付与日数、取得日数、残日数
  • 遅刻・早退・欠勤:回数と理由
  • 36協定の残業上限:月45時間・年360時間(特別条項適用時の上限含む)

勤怠管理の方法|紙・Excel・クラウドシステムの比較

勤怠管理の方法は大きく3つに分類されます。それぞれのメリット・デメリットを比較します。

1. 紙のタイムカード・出勤簿

従来型の勤怠管理方法です。タイムレコーダーで打刻する紙のタイムカードや、手書きの出勤簿がこれに該当します。

メリット:導入コストが低い、ITに不慣れな従業員でも使える、インターネット環境が不要

デメリット:集計作業に時間がかかる、転記ミスが発生しやすい、リアルタイムでの状況把握ができない、テレワーク・直行直帰に対応できない、保管スペースが必要(3年間の保存義務)

2. Excel(エクセル)管理

Excelのテンプレートに従業員が手入力するか、関数で自動計算する方法です。無料テンプレートも多く公開されています。

メリット:追加コスト不要(Microsoft Officeがあれば)、計算式で集計を自動化できる、カスタマイズの自由度が高い

デメリット:自己申告のため正確性に課題、ファイル破損・バージョン管理のリスク、法改正時の対応が手動、従業員数が増えると管理が破綻しやすい

3. クラウド勤怠管理シス���ム

クラウド上で動作する専用の勤怠管理システムです。スマホ打刻、GPS打刻、ICカード打刻など多様な打刻方法に対応し、集計・アラート・レポートを自動化します。

メリット:リアルタイムでの勤怠状況把握、自動集計・アラートによる法令遵守支援、テレワーク・フレックスタイムなど多様な働き方に対応、給与計算ソフトとの自動連携、法改正への自動アップデート

デメリット:月額コストが発生(1人あたり数百円程度)、導入時の初期設定に手間がかかる、インターネット環境が必要

従業員10名以上の企業であれば、法令遵守と業務効率の両面からクラウド勤怠管理システムの導入が推奨されます。

打刻方法の種類と選び方

クラウド勤怠管理システムでは、多様な打刻方法が用意されています。自社の業務形態に合った打刻方法を選ぶことが定着率向上のカギです。

ICカード打刻

交通系ICカードや社員証をカードリーダーにかざして打刻する方法です。オフィスに出社する従業員が多い企業に適しています。「代理打刻」を防止できる点もメリットです。

スマートフォン打刻(GPS連動)

スマホアプリから打刻すると同時に、GPS位置情報が記録される方式です。営業職や現場作業員など、外出先で打刻する機会が多い従業員に最適です。不正打刻の抑止効果もあります。

PC打刻(Web打刻)

パソコンのブラウザやデスクトップアプリからボタンクリックで打刻する方法です。デスクワーク中心の企業やテレワーク環境に適しています。PCのログオン・ログオフ時間と連動させることで客観性を高められます。

生体認証打刻

指紋、顔認証、静脈認証などの生体情報で打刻する方法です。本人確認の精度が最も高く、なりすまし打刻を完全に防止できます。導入コストは他の方法より高くなりますが、セキュリティ要件の高い業種に適しています。

チャットツール連携打刻

ビジネスチャットツール上でコマンドを入力して打刻する方法です。普段使っているコミュニケーションツールから離れることなく打刻できるため、打刻忘れの防止に効果的です。

勤怠管理システムの選び方|5つの重要ポイント

1. 自社の就業規則への対応力

フレックスタイム制、変形労働時間制、裁量労働制、シフト勤務など、自社の就業形態に対応しているかが最重要です。特に複数の雇用形態(正社員・契約社員・パート・アルバイト)が混在する場合は、それぞれ異なるルールを同一システム内で管理できるか確認しましょう。

2. 法改正への対応スピード

労働基準法や関連法令は頻繁に改正されます。クラウドシステムであれば、サービス提供元が法改正に合わせてシステムを自動アップデートしてくれるため、自社で対応する手間が不要です。サービス選定時は、過去の法改正時にどの程度のスピードで対応したかの実績を確認するとよいでしょう。

3. 給与計算・人事システムとの連携

勤怠データを給与計算に連携する際、CSV出力→手動取り込みでは工数がかかりミスも発生します。API連携で自動同期できるシステムを選ぶことで、月次の給与計算業務を大幅に効率化できます。

4. 操作性とモバイル対応

勤怠管理システムは全従業員が毎日使うツールです。ITリテラシーの高低に関わらず、直感的に操作できるUI/UXであることが定着の必須条件です。無料トライアル期間を利用して、実際の従業員に操作してもらうことを強くおすすめします。

5. 料金体系

クラウド勤怠管理システムの料金は「初期費用+月額料金(1ユーザーあたり)」が一般的です。月額料金の相場は1ユーザーあたり200〜500円程度です。従業員数が多い場合はボリュームディスカウントが適用されるケースもあります。年間契約で割引が適用されることも多いため、長期利用を前提に比較しましょう。

おすすめ勤怠管理システム比較

シェア上位のクラウド勤怠管理システムを比較します。

ジョブカン勤怠管理

導入企業数が国内トップクラスの勤怠管理システムです。出勤管理・シフト管理・休暇管理・工数管理の4機能を必要に応じて組み合わせられる柔軟性が特徴です。30名以下であれば無料プランが利用でき、小規模企業から大企業まで幅広く対応しています。

マネーフォワード クラウド勤怠

市場シェアの高い勤怠管理サービスの一つです。同社が提供する給与計算・会計・経費精算などの他サービスとの連携がスムーズで、バックオフィス業務を一気通貫で効率化できます。フレックス・裁量労働・変形労働など多様な就業規則に対応しています。

ジンジャー勤怠

人事・労務・給与・経費・勤怠を統合するクラウド型人事プラットフォームの勤怠管理機能です。従業員データを一元管理することで、入社・異動・退社に伴う勤怠設定の変更がスムーズに行えます。

KING OF TIME

打刻方法の豊富さで知られる勤怠管理システムです。ICカード、生体認証、GPS打刻、チャット打刻など20種類以上の打刻方法に対応しており、多様な勤務形態を持つ企業に適しています。1ユーザー月額300円というシンプルな料金体系も魅力です。

freee勤怠管理Plus

会計ソフトで知られる企業の勤怠管理サービスです。同社の人事労務・給与・会計との連携により、バックオフィス業務のDXを推進できます。中小企業に特化した機能設計で、導入のしやすさに定評があります。

TouchOnTime(タッチオンタイム)

独自開発のタイムレコーダー端末と組み合わせた打刻が特徴で、指紋認証・ICカード・指静脈認証に対応しています。製造業やサービス業など、現場での打刻が中心の企業に強みがあります。

勤怠管理のAI活用トレンド

AI技術の進化により、勤怠管理は「記録する」から「予測・最適化する」へと進化しています。

AIによる残業予測アラート

過去の勤怠データと現在の労働状況をAIが分析し、月末に36協定の上限を超えそうな従業員を事前にアラートする機能が登場しています。管理者は先手を打って業務量の調整や人員配置の見直しを行えます。

不正打刻の自動検知

AIが打刻パターンを学習し、通常とは異なる打刻(例:突然のパターン変化、GPS位置の矛盾)を自動検知する仕組みも実用化されています。打刻の正確性を客観的に担保する手段として注目されています。

最適シフト自動生成

従業員のスキル、希望シフト、労働時間規制、繁忙予測などを考慮して、AIが最適なシフト表を自動生成するサービスが広がっています。シフト作成に毎月数時間を費やしていた店長や管理者の負担を大幅に軽減します。

健康管理との連携

勤怠データ(長時間労働の傾向、休暇取得頻度)と健康診断データ、ストレスチェック結果をAIが総合的に分析し、メンタルヘルスリスクの高い従業員を早期に発見する取り組みも始まっています。

勤怠管理に関する法改正のポイント

時間外労働の上限規制

働き方改革関連法により、時間外労働の上限が法律で規定されました。原則として月45時間・年360時間が上限であり、特別条項付き36協定を締結しても年720時間、複数月平均80時間以内、月100時間未満を超えることはできません。違反した場合は罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されます。

2024年問題への対応

2024年4月から建設業・運送業・医師にも時間外労働の上限規制が適用されました。これらの業種では従来、上限規制の猶予措置が設けられていましたが、猶予期間の終了に伴い、勤怠管理システムでの正確な労働時間管理が必須となっています。

有給休暇の年5日取得義務

年10日以上の有給休暇が付与される従業員に対して、使用者は年5日の有給休暇を取得させる義務があります。勤怠管理システムでは、取得状況の自動トラッキングと未取得者への自動アラート機能が標準装備されるようになっています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 勤怠管理システムの導入にかかる費用はどのくらいですか?

クラウド型の場合、初期費用は無料〜数万円、月額料金は1ユーザーあたり200〜500円が相場です。50名規模の企業であれば月額1万〜2.5万円程度で導入できます。無料プランを提供しているサービスもあるため、まずは小規模で試してみるのがおすすめです。

Q2. テレワークでも正確に打刻できますか?

はい。クラウド勤怠管理システムのWeb打刻やスマホ打刻を利用すれば、自宅や外出先からでも正確に打刻できます。GPS連動打刻やPCログ連動打刻を併用することで、打刻の客観性も確保できます。

Q3. Excelの勤怠管理から移行するのは大変ですか?

多くのクラウド勤怠管理システムは、既存のExcelデータをCSVインポートで取り込む機能を備えています。過去データの移行は比較的スムーズに行えますが、就業規則の設定や従業員マスタの登録には一定の工数が必要です。サポート体制の充実したサービスを選ぶと安心です。

Q4. 36協定の管理も勤怠管理システムでできますか?

はい。主要なクラウド勤怠管理システムには36協定の上限管理機能が搭載されています。月・年の時間外労働が上限に近づくと管理者と従業員の双方にアラートが通知され、違反を未然に防止できます。

Q5. パート・アルバイトの勤怠管理にも使えますか?

はい。多くのシステムが正社員・契約社員・パート・アルバイトなど複数の雇用形態に対応しています。雇用形態ごとに異なる就業ルール(時給計算、シフト制、週の所定労働時間など)を個別に設定できます。

Q6. 勤怠データの保存期間は何年ですか?

労働基準法により、賃金台帳や勤怠記録などの労働関係書類は「最後の記入日から5年間」の保存が義務付けられています(経過措置として当面は3年間)。クラウド勤怠管理システムであれば、データの保存期間を気にすることなく、長期間のデータを安全に保管できます。

まとめ

勤怠管理は、法令遵守・従業員の健康管理・業務効率化のすべてに関わる重要な基盤業務です。紙やExcelでの管理には限界があり、特に働き方改革関連法の厳格化により、クラウド勤怠管理システムの導入は多くの企業にとって不可避となっています。

システム選定にあたっては、自社の就業規則への対応力、法改正への対応スピード、給与計算システムとの連携、操作性、料金体系の5つのポイントを軸に比較検討しましょう。まずは無料トライアルを活用し、実際の業務フローで使い勝手を確認することが、導入成功への近道です。