株式会社renue
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AIペアプログラミングの「最初の1時間」で何をすべきか
Claude Codeをインストールした。ターミナルでclaudeと打った。さて、何を聞けばいいのか——多くの新人エンジニアがここで止まります。
AIコーディングエージェントは強力なツールですが、最初の使い方を間違えると「AIは使えない」という誤った結論に至ります。導入後は、試したタスク・確認にかかった時間・使いにくかった点を振り返ってみましょう。ツールの性能と合わせて、始め方を具体化することが入門の第一歩です。
本記事では、AIコーディングエージェントでの最初の1時間を最大限に活用するための入門ガイドを提供します。
最初の5分:プロジェクトを理解させる
第一声は「このプロジェクトは何をしているか教えて」
ターミナルでプロジェクトディレクトリに移動し、claudeを起動したら、最初のプロンプトは探索的な質問にします。
このプロジェクトは何をしているか教えて
AIがプロジェクト構造(ディレクトリ、設定ファイル、依存関係)を分析し、全体像を説明してくれます。これにより、AIとあなたの間でプロジェクトの共通理解が形成されます。
CLAUDE.mdを作成する
プロジェクトのルートにCLAUDE.mdファイルを作成します。これはAIエージェントへの「プロジェクト指示書」であり、セッション開始時に自動的にコンテキストに読み込まれます。
# プロジェクト概要 - 名前:○○ - 技術スタック:Next.js / FastAPI / MySQL - 目的:○○を実現するWebアプリケーション # 開発ルール - コミットメッセージは日本語で書く - テストは必ず書く - .envファイルは読み取らない
上のCLAUDE.mdは行動指示の例で、ファイルへのアクセスを技術的に遮断する設定ではありません。機密ファイルの保護には、permissionsのdenyルールや必要に応じたサンドボックス・実行環境の権限制御も確認します。Readの拒否だけでは別の実行ツール経由の読み取りまで一律に防ぐとは扱わず、対象のアクセス経路を含めて設定します。(出典:Claude Code:指示と強制設定の違い、Claude Code:アクセス権限)
次の10分:基本コマンドを覚える
覚えるべき10のコマンド・操作
| 操作 | 方法 | いつ使うか |
|---|---|---|
| セッション開始 | claude | プロジェクトディレクトリで実行 |
| セッション終了 | /exit | 作業が終わったら必ず閉じる |
| コンテキストリセット | /clear | 別のタスクに切り替える時 |
| Planモード切替 | Shift+Tabで権限モードを順に切り替え、Planの表示を確認。プロンプト入力欄で操作する(出典:Claude Code:キー操作) | 大きな機能を設計する時 |
| 承認モード切替 | 内容を確認して手動承認(自動承認は信頼できる環境に限定) | 信頼できる作業(lint等)の時 |
| ファイル読み取り | 「○○.tsを読んで」 | コードを理解したい時 |
| ファイル編集 | 「○○を修正して」 | コードを変更したい時 |
| コマンド実行 | 「yarn testを実行して」 | ビルド・テストの時 |
| Git操作 | 「変更をコミットして」 | 作業の区切りで |
| ヘルプ | /help | 操作がわからない時 |
最初の30分:3つの実践タスク
タスク1:既存コードの理解(10分)
「src/app/page.tsxの処理フローを説明して」 「このプロジェクトのAPIエンドポイントを一覧にして」 「package.jsonの主要な依存パッケージとその役割を教えて」
AIにコードを説明させることで、自分の理解を加速できます。まずAIに全体像を要約してもらい、参照されたファイルを自分で確認する方法があります。省ける時間はコード量や内容によって変わり、要約だけで正しく理解できたとは限りません。
タスク2:小さな修正を行う(10分)
「このボタンのテキストを『送信』から『確認して送信』に変更して」 「console.logをlogger.infoに置き換えて」 「TypeScriptの型エラーを修正して」
最初の修正は小さく、リスクの低いものにします。大きな変更は、AIとの信頼関係ができてからにしましょう。
タスク3:テストを書く(10分)
「src/utils/format.tsのユニットテストを書いて」
テスト生成は、AIの出力を実行結果と照合しながら試せるタスクの一つです。正常系・異常系の期待値が仕様に合っているかを確認しましょう。テストを書くことで、コードの理解が深まり、AIの出力品質を評価する目も養われます。
初心者が犯す5つの間違い
間違い1:混合トピックのセッションを/clearせずに続ける
バグ修正の後に新機能の実装を同じセッションで始めると、AIのコンテキストが汚れます。タスクが変わったら/clearを使います。
間違い2:何度も修正指示を出す代わりに最初からやり直さない
AIの出力が意図と違う場合、5回修正指示を出すより、プロンプトを改善して最初からやり直した方が速いです。
間違い3:CLAUDE.mdの設定をスキップする
CLAUDE.mdにプロジェクトの指示をまとめると、繰り返し説明する手間を減らしやすくなります。Claude Codeにはauto memoryや会話再開の仕組みもあるため、このファイルがないだけで毎回すべての文脈が失われるわけではありません。記載内容を具体化し、実際の出力を確認して更新しましょう。(出典:Claude Code:プロジェクトの記憶)
間違い4:大きな変更をコミットせずに依頼する
AIに大きな変更を依頼する前に、現在の状態をコミットしておきます。変更後に作ったコミットを取り消す場合は、作業ツリーを確認したうえでgit revertに対象コミットを指定します。変更前のコミットを作るだけでは、その後の未コミットの編集はrevertできません。未コミットの変更を戻す場合は、残す差分を退避し、git restore等の復元元と対象ファイルを確認して操作します。(出典:Git:revert、Git:restore)
間違い5:曖昧なプロンプトを書く
「いい感じにして」ではなく「border-radiusを8pxにして、背景色を#f5f5f5にして」と具体的に指示します。
Planモード vs 通常モード
| 状況 | 推奨モード | 理由 |
|---|---|---|
| 新機能の設計 | Planモード | いきなり実装せず計画を立てる |
| 小さなバグ修正 | 通常モード | 計画不要、直接修正 |
| リファクタリング | Planモード | 影響範囲を先に把握 |
| テスト追加 | 通常モード | テストは実装するだけ |
| 方針が不明確 | Planモード | 何をすべきかAIに整理させる |
1週間後のレベルアップ
2日目-3日目:日常のコーディングに組み込む
- 毎朝
claudeを起動してTODOを確認 - コードレビュー前にAIに事前チェックさせる
- わからないエラーはまずAIに聞く
4日目-5日目:Skillを1つ作る
繰り返す作業を1つSkill化します。例えば「CIのlintエラーを自動修正するSkill」や「PR作成前のチェックリスト実行Skill」です。
1週間後:セッション設計を意識する
- 方針確定→実装を分離する(1セッション=1タスク)
- 数値で指示する(「もうちょい」ではなく具体的な値)
- セキュリティアラートは毎回確認する
AIから新しい技術を学ぶ
AIエージェントは単なるツールではなく、技術の教師でもあります。
- 知らないライブラリの使い方を教えてもらう
- コードの書き方の代替案を提案してもらう
- エラーの原因と対処法をステップバイステップで説明してもらう
- git worktreeなど、使ったことがない機能を実践しながら学ぶ
worktreeを使った並行開発のように、これまで使ったことのなかった機能をAIエージェントとの作業を通じて初めて知るケースもあります。「AIと一緒に開発する」ことも、技術学習の方法の一つです。提案を自分で試し、公式資料や実行結果と照合して理解を深めましょう。
まとめ:最初の1時間チェックリスト
| 時間 | やること | 完了基準 |
|---|---|---|
| 0-5分 | claude起動+プロジェクト理解 | 「何をするプロジェクトか」AIが説明できた |
| 5-10分 | CLAUDE.md作成 | プロジェクト概要+開発ルールを記載 |
| 10-15分 | 基本コマンド10個の確認 | /clear, /exitを試し、Shift+TabでPlanの表示を確認した |
| 15-25分 | 既存コードの理解 | 3つの質問でプロジェクト構造を把握 |
| 25-35分 | 小さな修正の実行 | 1ファイルの変更をコミット |
| 35-45分 | テスト生成 | 1つのユニットテストを追加 |
| 45-60分 | 振り返り | 今日学んだことをメモ |
AIペアプログラミングの最初の1時間は、基本操作を試し、自分に合う使い方を探す時間にしましょう。この記事のチェックリストに沿って、怖がらずに最初の一歩を踏み出してください。1週間ほど試したところで、役立ったタスクと確認が必要だった点を振り返り、次に使う場面を決めてください。
次のステップ
入門を終えたら、以下の記事でさらにAI活用力を高めてください。
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