株式会社renue
renueについて
renueは、AIで業務を実装する会社です
AIコンサルティングから図面AI・広告運用エージェント・コールセンターAIまで、実際に動いているサービスをご覧いただけます。renueが何をしている会社か、まずはサービス一覧からご確認ください。
サプライチェーンでのブロックチェーン活用は、企業をまたぐ記録の共有と変更履歴の確認を支える方法の一つです。原材料、製造、出荷、販売の履歴をつなぐには、台帳の方式に加え、製品ID、入力の根拠、参加者の権限を設計する必要があります。食品・医薬品・ブランド品の事例と、導入手順、製品パスポート等の動向を整理します。
ブロックチェーンを選ぶ場面と、追跡できる範囲
ブロックチェーンは、複数の参加者が記録を共有する分散型の台帳技術です。NISTの技術概要は、改ざんの検知や耐性を備え、通常のネットワーク運用では公開済みの取引を変更できない仕組みと説明しています。ただし、記録の保護と、記録した商品の安全性・真贋の確認は別の課題です。基本構造はブロックチェーンの仕組みと活用例も参照してください。
例えば、製造会社、加工会社、物流会社、小売が、それぞれのシステムで保管しているロットや受渡しの記録をつなぎたい場合を考えます。共同で変更履歴を確認する必要があるのか、代表企業がデータを集約すればよいのかによって、適した構成は変わります。先に調べたい対象と質問を決め、既存データベースや企業間のデータ交換も含めて比べます。
| 確認したいこと | 設計で比べる点 |
|---|---|
| 社内の在庫や移動を検索したい | 既存の在庫システム、入力方法、検索性、変更履歴で目的を満たせるか。 |
| 取引先と出荷・受入れを照合したい | 共通IDとデータ形式、双方の確認、訂正の手順を定められるか。 |
| 複数社が共同で台帳を維持したい | ブロックチェーンを含め、記録の承認、ノードの運営、参加・脱退のルールを合意できるか。 |
公開範囲と、実物との対応を別に決める
参加を許可する方式では、記録を書き込む主体や閲覧権限を制御できます。一方、公開型を使う場合は、公開するデータや取引処理の費用などを確認します。「分散しているから運営者が不要」「全参加者が全情報を閲覧すべき」とは決めず、価格・契約・取引先情報の共有範囲を設計してください。
NISTIR 8202の外部データに関する説明は、人が虚偽を入力したり、センサーが不正確な値を記録したりする問題を示しています。実務でも、IDがどの実物に付いているか、どの検品や計測を根拠に入力したかを確認します。追跡対象の範囲を決め、その範囲で情報がつながるかを評価することが出発点です。
食品・医薬品・ブランド品の事例を読む
食品:出荷元へ遡るためのデータ共有
Walmartの2018年9月24日の発表では、葉物野菜の供給業者に、農場まで遡れる仕組みへの対応を求めています。IBMと記録のデジタル化に取り組み、紙の記録を集めて追う場合の時間と、共有データで検索する場合の違いを説明した事例です。これは発表時点の取組みで、全食品・全取引先の現在の対応状況や、導入すれば同じ速度になることを示すものではありません。
食品の業務では、加工でロットを混ぜる、箱を分ける、出荷先を変更するなどのイベントをどう記録するかが重要です。回収の対象を調べる目的なら、問題のロットから出荷先へ追えることと、販売側から原料へ遡れることを分けて確認します。産地情報を記録することだけで、衛生状態や表示の正しさが自動で確定するわけではありません。
医薬品:製品情報の照会と運営主体の変化
NABPの2023年6月14日の発表では、ChronicledからMediLedger Product Verification System(PVS)を取得し、Pulseで活用すると説明しています。目的は米国DSCSAに関係する製品照会、とくに販売可能な返品の検証などです。MediLedger Network全体の取得や、全流通過程を同じ台帳で追う制度と混同せず、対象機能と運営主体を確認します。
この例からも、過去のサービス名だけで現在の契約先や提供機能を判断できません。自社で採用する場合は、照会する製品識別情報、回答元、取引相手の確認、判断がつかない場合の取扱いを整理します。情報が一致したことと、手元の薬そのものについてあらゆる確認が済んだことは分けて扱います。
ブランド品:実物とデジタル記録をつなぐ
Auraの製品パスポートは、QRやNFC等から製品情報へアクセスし、来歴、所有、修理等のサービスへつなぐ構成を案内しています。購入後のケアや再販売まで、どの情報を誰が引き継ぐかを考える例です。単にコードを読み取れることを真贋判定の完了とせず、コードと実物の対応、発行元、交換・返品時の更新を含めて設計します。
事例を評価するときは、検索の時間だけでなく、対象データの網羅性、未入力の割合、照合できなかった件数、誤入力の訂正時間も見ます。公表された対象・時期・機能を自社の取扱品と比べると、既存業務へ取り入れられる範囲を具体化できます。
導入はデータの標準化と運営ルールから進める
最初は対象商品、取引先、工程を絞り、解決したい業務を定義します。リコール調査、返品時の照会、原産地や認証書類の確認では、必要な情報と判断する担当者が違います。現状の調査・照合作業にかかる時間を記録し、どの工程で情報が途切れるかを確かめてから方式を選びます。
製品IDと受渡しのデータを揃える
同じ製品・ロット・拠点を企業ごとに別の名前で扱っていると、台帳を共有しても記録がつながりません。品目、ロット、個品、梱包等のどの単位を追うかを決め、製造・加工・出荷・受入れといった出来事を対応付けます。日時、場所、数量、登録主体、元伝票など、照合に必要な項目も揃えます。
企業間でイベント情報を共有する標準にはEPCISがあります。ISO/IEC 19987:2024の概要は、EPCIS 2.0を、社内外の異なるアプリケーションで可視化のためのイベントデータを作成・共有する標準と説明しています。交換するデータの意味を揃えることと、保存先をブロックチェーンにすることは別の設計項目です。接続先が扱える形式を確認してください。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 入力と確認 | 誰が登録し、伝票・検品・計測などの何を根拠に確認するか。 |
| 権限と運営 | 誰が閲覧・承認・ノード運営を行い、脱退時に何を引き継ぐか。 |
| 例外と訂正 | 通信停止、遅延登録、重複ID、返品、誤入力をどの手順で処理するか。 |
| 既存システム | ERP・WMS等とのAPI、データ形式、更新頻度、相互の整合をどう保つか。 |
| 効果と費用 | 照会・訂正時間、入力負担、運用・連携・教育・利用料金を含めて評価するか。 |
通常の取引と例外処理の両方を確かめる
実証では、正常な出荷だけでなく、受入れ数量の差、返品、情報の欠落、訂正後の照会も対象にします。元の記録と訂正の関係を残し、結果を誰が判断するかを定めます。全取引先が一斉に対応する前提を置かず、未参加の取引先から届く情報を誰がどの方法で取り込むかも確認してください。
業務とシステムの分担は企業向けブロックチェーンとスマートコントラクトの活用も参考になります。renueのFDE支援では、現場の要件整理から設計・実装・運用まで相談できます。まず対象業務と既存システムのAPI・権限・データ形式を確認し、担当者の照合・承認を含む工程と実装範囲を検討します。
ESGと製品パスポートの制度・動向を確認する
原材料、認証書類、排出量に関するデータを企業間で共有することは、調達先の確認や監査の作業を支えます。ただし、台帳に記録があるだけで、強制労働の不存在、排出量の算定、認証の有効性が証明されるとは扱いません。原資料、確認した人、対象期間、算定条件や有効期限を合わせて確認する必要があります。開示の工程はESGレポーティングと情報収集・報告の進め方も参照してください。
デジタル製品パスポートは製品別に条件を確認する
EUのデジタル製品パスポート(DPP)は、製品・部品・材料に関する情報へデジタルでアクセスする仕組みです。欧州委員会のDPP案内では、製品別に段階的に導入されます。情報の整備・共有という課題と、ブロックチェーンという実装方式を同義に扱わず、識別子、データ形式、アクセス権、長期保存等の条件を先に確認します。
DPPの公式FAQは、作業計画に製品が載るだけで直ちに義務になるわけではないと説明しています。鉄鋼等の計画上の年は規則採択の目安で、全商品の一斉義務化日ではありません。電池等には別の製品別法令もあり、食品・医薬品はESPRの適用除外に挙げられています。業種の事例と制度の対象を混ぜず、自社製品の法令と適用日を確認してください。
CSDDDは2026年改正後の対象・日程を確認する
欧州委員会のCSDDD解説によると、2026年の改正指令は3月18日に発効し、改正後の一般的な適用は2029年7月26日から、報告措置は2030年1月1日以後に始まる会計年度が対象です。適用企業の要件や各国の国内法化も確認が必要です。ブロックチェーン導入だけを人権・環境デューデリジェンスの実施や、法令適合の保証とはしません。
新しい技術は、必要な業務から採否を決める
実物資産をトークンで表すRWA、カーボンクレジットの記録、デジタルツインとの連携も、名称だけで導入を決めず、対象データと確認する権利・出来事を分けます。商品の来歴を記録するだけなら、資産の権利移転や投資機能まで必要とは限りません。排出量やクレジットなら算定・検証の根拠、設備の状態なら現場の計測が必要です。将来の構想と現在提供される機能を分け、継続して入力・確認できる業務から検証を進めます。

