ADAS(先進運転支援システム)とは?
ADAS(エーダス)は「Advanced Driver-Assistance Systems」の略称で、日本語では「先進運転支援システム」と呼ばれます。カメラ、レーダー、LiDAR(レーザーセンサー)などのセンサーとAI技術を組み合わせ、ドライバーの運転操作を支援するシステムの総称です。
2026年現在、ADASは新車の多くに標準搭載されるようになり、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)は2021年以降の新型車に義務化されています。ADASの市場規模は拡大を続けており、2030年にかけて年率10%以上の成長が見込まれています(REPORTS INSIGHTS)。
ADASと自動運転(AD)の違い
| 項目 | ADAS(先進運転支援) | AD(自動運転) |
|---|---|---|
| 主体 | 人間が運転の主体 | システムが運転の主体 |
| レベル | レベル0〜2 | レベル3〜5 |
| 役割 | ドライバーの操作を「支援」 | システムが自律的に「運転」 |
| 現状 | 広く実用化・普及済み | レベル3が限定的に実用化 |
| 法規制 | AEB等の一部機能は義務化 | レベル3は特定条件下で許可 |
ADASはあくまでドライバーの安全な運転をサポートする目的で設計されており、運転の最終判断はドライバーが行います。一方、自動運転(レベル3以上)はシステムが運転の主体となります(NECソリューションイノベータ)。
自動運転レベルの分類
| レベル | 名称 | 内容 | 分類 |
|---|---|---|---|
| 0 | 運転自動化なし | 全てドライバーが操作 | − |
| 1 | 運転支援 | ステアリングまたは加減速のいずれかをシステムが支援 | ADAS |
| 2 | 部分運転自動化 | ステアリングと加減速の両方をシステムが支援(ドライバーは常時監視) | ADAS |
| 3 | 条件付運転自動化 | 特定条件下でシステムが運転。緊急時はドライバーが対応 | 自動運転 |
| 4 | 高度運転自動化 | 特定条件下でシステムが完全に運転。ドライバーの介入不要 | 自動運転 |
| 5 | 完全運転自動化 | あらゆる条件でシステムが完全に運転 | 自動運転 |
2026年時点では、レベル2が市場の主流で全体の50%以上を占めています。レベル3はホンダ「レジェンド」やメルセデス・ベンツが限定的に実用化しています。
ADASの主要機能一覧
衝突回避・被害軽減
- AEB(衝突被害軽減ブレーキ):前方の車両や歩行者を検知し、自動でブレーキをかける
- FCW(前方衝突警告):衝突の危険を検知し、警報で知らせる
- BSM(後側方死角検知):斜め後方の死角にいる車両を検知して警告
車線維持・操舵支援
- LKA(車線維持支援):車線からの逸脱を検知し、ステアリングを自動補正
- LDW(車線逸脱警告):車線逸脱時に警報で知らせる
速度・車間距離制御
- ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール):前方車両との車間距離を自動調整しながら定速走行
- ISA(速度制限支援):制限速度を超えないよう支援
駐車支援
- APA(自動駐車支援):駐車スペースを検知し、ステアリング操作を自動化
- RCTA(後方交差交通警告):バック時の後方横断車両を検知
ADASを支えるAI技術
画像認識AI
カメラ映像からAIがリアルタイムで歩行者、車両、信号、標識、白線を認識します。ディープラーニングの進化により、雨天・夜間・逆光など悪条件下での認識精度が大幅に向上しています。
センサーフュージョン
カメラ、ミリ波レーダー、LiDAR、超音波センサーの情報をAIが統合処理し、周囲環境の3D認識を高精度に行います。単一センサーでは検知できない状況(遮蔽物の裏の車両等)にも対応可能です。
予測AI
周囲の車両や歩行者の動きをAIが予測し、衝突リスクを事前に算出します。「この歩行者は横断しそう」「前方車両は急ブレーキをかけそう」といった予測に基づき、早期の警報や制御を実行します(NTTデータMSE)。
ADAS市場の最新動向(2026年)
義務化の拡大
日本では2021年から新型乗用車へのAEB義務化が段階的に進み、2026年時点ではほぼ全ての新車にAEBが搭載されています。欧州でもEU一般安全規則(GSR2)により、ISA、ドライバー疲労検知などの追加機能の義務化が進んでいます。
レベル2+の進化
テスラのAutopilot、日産のProPILOT、トヨタのAdvanced Driveなど、レベル2の高度化版(レベル2+)が急速に進化しています。ハンズオフ走行(手放し運転)が高速道路の特定条件下で可能になるなど、レベル3に近い体験を提供しています。
よくある質問(FAQ)
Q. ADASは全ての車に搭載されていますか?
2026年時点で、新車の大半にAEB等の基本的なADAS機能が搭載されています。ただし、ACCやLKAなどの高度な機能はグレードやオプションによって異なります。中古車ではADAS非搭載の車両も多数あります。
Q. ADASがあれば事故は起きませんか?
ADASは事故リスクを大幅に低減しますが、完全に防ぐものではありません。ADASはあくまで「支援」であり、ドライバーが常に運転に集中し、最終判断を行うことが前提です。
Q. ADASの後付けは可能ですか?
一部の機能(ドライブレコーダー連携の衝突警告等)は後付けデバイスとして販売されていますが、AEBやACCなどの制御系機能の後付けは一般的ではありません(ユピテル)。
まとめ
ADAS(先進運転支援システム)は、AI・センサー技術を活用してドライバーの安全運転を支援するシステムです。AEB、ACC、LKAなどの機能が新車に広く搭載され、義務化も拡大しています。自動運転(レベル3以上)とは異なり、ADASはドライバーが主体のシステムですが、AI技術の進化により高度化が加速しています。
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