株式会社renue
renueについて
renueは、AIで業務を実装する会社です
AIコンサルティングから図面AI・広告運用エージェント・コールセンターAIまで、実際に動いているサービスをご覧いただけます。renueが何をしている会社か、まずはサービス一覧からご確認ください。
AI導入のROIは「計算できない」のではなく「計算の仕方を知らない」だけ
「AIの効果は定量化しにくい」という声をよく聞きますが、実際にはAI導入のROIは明確に計算可能です。ポイントは、工数削減・売上向上・リスク低減の3軸で効果を整理し、5つの項目に分解して3つのシナリオで試算すること。
本記事では、AI導入のROI計算テンプレートを提供し、稟議書に記載する数字の作り方まで実践的に解説します。
ROI計算の基本式
AI ROI(%)=(創出された価値 − 総投資額)÷ 総投資額 × 100
総投資額はCapEx(初期費用)とOpEx(運用費用)に分けて計算します。
- CapEx:環境構築、初期テンプレート整備、ルール整備、初回研修、RAG初期データ整備
- OpEx:ツール月額利用料、運用担当者の工数、レビュー・監査ログ確認工数、継続改善工数
5項目×3シナリオの試算テンプレート
5つの入力項目
- 人件費単価:対象業務の担当者の時給(例:3,000円/時)
- 対象業務の現状工数:月間の手作業時間(例:月80時間)
- AI導入後の削減率:AIにより削減される工数の割合(例:70%)
- AI導入の総投資額:CapEx+12ヶ月分のOpEx
- 追加効果:売上向上額やリスク低減の金銭的価値(定量化可能なもの)
3つのシナリオ
- 悲観シナリオ:削減率を控えめに設定(例:50%)。最低限の効果
- 基本シナリオ:期待される効果(例:70%)。稟議書のメイン数字
- 楽観シナリオ:最大効果(例:85%)。ポテンシャルの提示
計算例:図面入力業務のAI-OCR導入
入力項目:
- 人件費単価:3,000円/時
- 現状工数:月80時間(5名×月16時間)
- 初年度の費用:初期200万円+月額5万円×12ヶ月=260万円。初期200万円は一時費用、月額5万円は2年目以降も継続する運用費として分けます。以下は便益が一定で追加費用ゼロと仮定した試算で、実際の支出削減や達成効果ではありません
悲観シナリオ(50%削減):
- 年間削減額:80時間×50%×3,000円×12ヶ月=144万円
- 初年度の便益・費用に基づくROI試算:(144万−260万)÷260万×100=−44.6%。これは工数換算便益を用いた試算で、企業の純利益とは別です。年間純便益は144万−60万=84万円、月間では12万−5万=7万円。初期200万÷84万=約2.38年(200万÷7万=約28.6ヶ月)なので、2年末までには回収せず、便益が続く場合の単純モデルで3年目に回収します
基本シナリオ(70%削減):
- 年間削減額:80時間×70%×3,000円×12ヶ月=201.6万円
- 初年度の便益・費用に基づくROI試算:(201.6万−260万)÷260万×100=−22.5%。2年目以降も年60万円の運用費が継続し、追加費用ゼロなら年間純便益は201.6万−60万=141.6万円です。年度内の便益・費用の差額と、初期200万円を含む累積回収を区別します
- 投資回収期間:月間純便益=201.6万÷12−5万=11.8万円、初期200万÷11.8万=約17.0ヶ月。260万÷(201.6万÷12)=約15.5ヶ月という式は、初年度の費用と毎月の総便益を混在させ、継続する月額運用費を反映しないため、この条件の回収式には使えません。実際は便益発生・支払時期と追加費用を含む累積キャッシュフローで確認し、純便益がゼロ以下なら回収できません
楽観シナリオ(85%削減+月間受注増300万円):
- 年間削減額:80時間×85%×3,000円×12ヶ月=244.8万円
- 年間受注増(粗利ベース):300万×12ヶ月×粗利率10%=360万円
- ROI:(244.8万+360万−260万)÷260万×100=132.6%(受注増は粗利換算で加算)
3つの効果軸 — 「見えにくい効果」も定量化する
軸1:工数削減(最も計算しやすい)
手作業の時間×人数×時給で直接計算。図面入力、レポート作成、問い合わせ対応等。
軸2:売上向上(間接効果)
見積もりのリードタイム短縮→受注機会の増加、営業分析の高度化→成約率向上等。見積もり業務の自動化が受注機会の拡大につながる場合もあります。
軸3:リスク低減(見落とされがち)
品質検査AIによる不良品流出防止、図面ミスの手戻りコスト削減(全体予算の約10%という値は、対象工程・比較期間・費用範囲・分母の原資料が未確認。全案件に共通する削減率とは扱わず、自社の実測値で評価)、属人化リスクの低減(担当者退職時の引き継ぎコスト)。これらを金銭換算してROIに含めることで、投資の説得力が大幅に向上します。
稟議書に載せるべき数字の作り方
数字1:月間削減工数と人件費換算
「月○時間の削減=年間○万円の人件費削減」。経営層に最も伝わる数字。
数字2:投資回収期間
「○ヶ月で回収」。2年以内が承認の目安。基本シナリオで2年以内、悲観シナリオでも3年以内であれば合理的な投資と判断されます。
数字3:3シナリオのROI
悲観・基本・楽観の3パターンを提示することで、「楽観的すぎる」という批判を回避しつつ、ポテンシャルも示せます。
数字4:放置コスト
「AI導入しない場合の年間コスト」を明示。「投資しないことのリスク」を数値化。
数字5:業界の導入率
業界の導入率や市場成長率に関する公表データ(出典を明記できるものに限る)。




