株式会社renue
財務経理AI
財務経理AIで、この記事のテーマを実務に落とし込めます
renueが社内で運用しているシステムをサービス化したものです。何ができるか、どう動くかをサービスページでご覧ください。
病院の医事課は、受付・資格確認、診療費の計算、レセプトの作成・請求、請求後の確認などを通じて、診療と会計をつなぐ部門です。具体的な担当範囲は病院の組織によって異なります。本記事では2026年10月24日に確認した公的機関と医療機関の資料を基に、主要業務、改定への対応、AIを検証する際の確認点を整理します。
医事課の業務内容:受付・会計・請求を関係部門とつなぐ
医事課の仕事を理解するには、窓口での患者対応と、診療情報に基づく請求の両方を見る必要があります。受付では本人や保険資格の確認と必要な情報の登録、会計では診療内容に対応する費用の確認、請求では記録と算定条件の点検を行います。どの業務を医事課、診療情報管理部門、医師事務作業補助者、委託先などが担うかは、院内の分担で確かめます。
実際の業務の例として、北里大学メディカルセンターの職員紹介では、医事課を外来・入院・診療支援・庶務の係に分け、外来担当の診療報酬請求、妊産婦健診、自賠責の業務を紹介しています。レセプトの不備をチェックし、必要に応じてカルテや医師へ確認する流れも説明されています。一つの病院の紹介を全施設共通の組織図とはせず、自院の分担を整理する参考として捉えます。
患者の会計と、保険者への請求を区別する
国民健康保険中央会の制度説明では、患者が窓口で支払う一部負担と、保険者に請求する医療費を分け、レセプトを一か月分の診療行為をまとめた明細書として説明しています。請求は審査支払機関を通じて行われ、国保では各都道府県の国民健康保険団体連合会が関わります。会計を終えたことと、請求・審査・支払の確認を終えたことは別です。
医事課と診療情報管理部門の境界も、名称だけで一律に決めないことが大切です。レセプトの内容を確かめるには診療記録が必要で、DPCに関係する業務では対象施設の算定方法やコーディング等の確認も伴います。記録に不足や不一致があったときに誰へ照会し、誰が訂正や判断を行うかを定めます。医事課が診療上の判断を推測して、記録へ付け足す運用にはしません。
介護事業所との情報共有を検討する場合は、医療側の確認窓口に加え、介護側の記録・申し送り・閲覧と訂正の担当も確認します。介護DXの情報連携と導入評価では、記録ソフトと介護情報基盤、利用条件と現場の対応を分けて整理しています。両側の業務を確認し、医療と介護の制度を一つの手続きとして扱わないようにします。
文書の受付でも、申請者が書く情報、会社が証明する情報、医師の意見などを区別します。たとえば傷病手当金申請書の書き方と確認点では、協会けんぽの紙の申請書の構成や各記入者の役割を整理しています。文書の依頼を受けたことと、証明の内容や給付の可否を確定することは別なので、窓口から確認先への引き渡しを明確にします。
業務を身につける際は、制度や算定の知識だけでなく、記録の確認、患者への説明、関係職種への照会、システム操作を対応させて学ぶと整理しやすくなります。資格名の一覧を覚えることだけを専門性とせず、自院で扱う診療、請求の種類、担当する工程を確認します。担当替えや委託先の変更があっても確認先が分かるよう、業務手順と引き継ぎ情報を保つことを推奨します。
レセプトは作成・提出・返戻対応・入金確認を分けて管理する
請求業務では、診療記録や会計情報からレセプトを作り、内容を点検して提出し、受け付けられた結果と審査・支払を確認します。医療情報基盤・診療報酬審査支払機構の電子レセプトの作成案内は、点数表ごとの手引き、標準仕様、記録条件仕様、マスターコードの使用を案内しています。自由な文章として整っていても、請求の仕様に合うとは限りません。
院内の締切は、外部の請求日程から逆算し、診療科への照会、修正、再点検、提出結果の確認を含めて設定します。通常の提出と、返戻分の再請求、取下げ、再審査の手続きを同じ締切として管理しないようにします。担当者が送信操作をした時点で完了とせず、対象件数、処理結果、未解決の項目を確認し、対応する人を残す運用を推奨します。
返戻の再請求と、査定への再審査請求を混同しない
同機構の審査業務の説明では、審査で適切でないと判断された内容の査定と、適否の判断が難しいものや整備されていないものの返戻を区別しています。返戻を受けた場合と、審査の結果に対して再審査を求める場合では、確認する通知や必要な根拠、手続きが変わります。いずれも単に同じ請求を送り直す作業とは扱いません。
特にオンラインの返戻再請求の案内は、返戻ファイルを使用せず新たな一次請求ファイルで作り直すと、査定前の内容で再請求され、返戻履歴を確認できなくなる事象を説明しています。原則として返戻ファイルを用いるという案内に沿い、採用するシステムの手順を確認します。AIや表計算による整形を入れる場合も、履歴の関係を失わないことを検証します。
再審査・取下げの公式手続きでは、オンライン請求医療機関等での提出方法や、添付資料がある場合の郵送等の扱いを案内しています。当月レセプトの取下げ期限も、毎月の案内で確認する項目です。すべての手続きを一律に自動送信できるとせず、対象となる請求と必要な確認をそろえます。
請求後には、請求額、支払額、差異の理由、対応中の通知を結び付けます。また、保険者等からの支払と患者の未払いは、相手や対応方法が異なります。未収金を一括で回収率だけの問題として捉えず、内容の確認、説明、相談先への接続を分けます。支払が難しい患者への案内は、利用できる制度や院内の相談窓口へつなぎ、AIの推測した属性で対応を自動決定しない方針とします。
業務改善の記録には、未提出、照会中、再点検待ち、提出済み、結果確認待ちなどの状態と担当を対応させます。返戻率や査定率を測る場合も、件数か金額か、診療月か審査月かをそろえ、原因別に見ます。単に数値を下げることを目的にせず、適切な記録と請求ができ、未処理を見つけられるかを評価する進め方が有効です。
2026年の制度対応:改定資料・資格確認・改組を更新する
2026年10月時点の運用を説明する記事では、診療報酬改定の施行前に何を準備するかという説明だけでは不十分です。厚生労働省の令和8年度診療報酬改定ページには、算定方法、施設基準、実施上の留意事項、届出様式、疑義解釈、訂正通知が掲載されています。確認時点では9月25日の疑義解釈や10月7日の訂正の案内もあり、当初の概要資料だけで運用を固定しないことが大切です。
改定への対応は、資料の要約、院内への影響確認、マスターや設定の更新、必要な届出、現場での記録方法、請求の試験を分けて進めます。改定率の一つの数字を、個々の点数や病院の収入が同じ率で増えるという意味にしません。本記事でも一律の増収率は示さず、自院で扱う算定項目と条件を公式原典へ対応させる進め方を取ります。対象施設に応じてDPC等の関係通知も確認します。
看護配置やICT活用に関する施設基準を確認する際は、看護管理部門の配置・シフト・業務分担の整理も参照できます。対象となる入院料、看護職員等の集計対象、勤務予定と実績、業務負担の評価を看護部門と照合し、制度の確認・届出と現場の勤務調整を分けて担当と確認先を決めます。
受付はマイナ保険証・資格確認書と例外対応を確認する
厚生労働省の資格確認方法の案内では、従来の健康保険証の有効期限は2025年12月1日に終了しており、受付ではマイナ保険証または資格確認書を提示する方法を説明しています。「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は異なり、後者を単独で使える書類として扱いません。古い受付マニュアルや院内FAQに残る表現も確認対象です。
機器や通信の問題等でオンライン資格確認ができない際も、直ちに全額自己負担と決める運用にはしません。公式のオンライン資格確認QAを参照し、マイナンバーカードと資格情報画面等の組み合わせ、再診時の確認、初診時の申立書など、状況に対応した方法を確認します。エラー表示の内容、確認した情報、次の対応を残し、AIによるエラー分類だけで資格の有無を確定しない設計とします。
支払基金の名称と接続先の案内を現行化する
2026年10月22日更新の公式案内では、社会保険診療報酬支払基金は2026年10月1日に「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」(略称:DX審査支払機構)へ改組したと説明されています。ホームページのドメインも hpdx.or.jp へ変更されています。過去の通知を読む際の旧名称と、現在の問い合わせ先やシステムの案内を区別します。
同案内にはオンライン請求システム等の再セットアップに関する情報もあります。医療機関向けと保険者向けでは対象の接続先が異なるため、検索で見つけたURLを一律に設定しません。院内のシステム担当やベンダーと、対象の端末、適用する手順、期限、完了確認を照合します。記事から実システムへ直接操作を促すのではなく、公式の対象別手順へ戻れるようにします。
医事課のAI活用は、根拠・確認者・安全管理を含めて検証する
医事課でAIを検討する際は、制度文書の検索や変更点の整理、照会内容の分類、点検候補の提示など、対象を具体化します。生成された説明が自然であることと、対象の診療に対して算定条件を満たすことは別です。根拠資料の版、適用時期、該当箇所を確認できるようにし、確認できない内容を未確定として扱います。海外の請求制度やベンダーの導入率を、日本の業務へそのまま当てはめません。
DX審査支払機構のAI振分機能は、過去の審査結果等を活用し、人の審査を必要とするレセプトと、コンピュータチェックで完結するレセプトを振り分ける仕組みとして説明されています。これは審査支払側の特定の仕組みです。医療機関が任意の生成AIへ診療情報を送れば、同じ審査や請求の適正性が保証されるという説明には使いません。
医療情報の管理は、医事課だけで完結させない
厚生労働省は、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版(令和8年6月)と、同年6月のサイバーセキュリティ対策チェックリストを公開しています。旧版の説明だけに依存せず、情報システムや安全管理の担当、提供事業者と現行資料を確認します。業務が便利になることと、医療情報を取り扱える条件を満たすことを分けて評価します。
令和8年度版チェックリストでは、医療機関・薬局側と事業者側の確認を分け、権限、不要アカウント、ログ、バックアップと復旧等を扱っています。事業者の「対象外」は、その項目の責任が消えるという意味ではなく、契約範囲外で医療機関側が担うことを示すため、責任分界の確認が必要です。AIを追加する場合も、送信先、閲覧者、保存・削除、障害時の連絡先を具体的な構成で整理します。
AIに関する一般的な脅威と管理の整理には、AIセキュリティの実践ガイドも参照できます。ただし医療分野の個別要件の代わりにはせず、院内の規程、契約、適用する公的資料と照合します。実データを試験へ使うかどうかも事前に確認し、導入の説明だけを目的に、患者情報を外部サービスへ送信しないようにします。
小さな対象で効果と誤りを測り、実装範囲を決める
検証では、見つけられた不備だけでなく、見逃し、誤った警告、確認と修正の時間を測ります。対象の診療科や期間、件数、使った資料の版をそろえ、難しい例外を含めて評価します。AIの提案を誰が確認し、どの権限で訂正・承認・提出するかも決めます。評価から本番利用へ進む判断は、PoCの評価基準と本番移行の設計で補足しています。
院内の確認依頼、期限管理、資料検索、既存システムとの連携を改善したい場合は、renueのFDEが相談先です。公開サービスで案内する要件整理・設計・実装・運用の支援として、現在の業務とデータ、連携条件、担当者を整理し、検証する範囲を具体化します。特定の診療の算定可否を代わりに判断するサービスや、査定・返戻の削減を一律に保証する仕組みとしては案内しません。

