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板金図面の書き方 完全ガイド|展開図の計算方法・曲げ加工指示・加工限界と設計テンプレート【2026年版】

2026/4/10

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板金図面の書き方 完全ガイド|展開図の計算方法・曲げ加工指示・加工限界と設計テンプレート【2026年版】

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株式会社renue

2026/4/10 公開

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板金図面とは?切削加工図面との違い

板金図面とは、金属の薄板(一般的に0.5~6mm程度)を切断・曲げ・溶接などで加工して製品を作るための図面です。切削加工の図面とは異なり、「展開図」という概念が加わるのが最大の特徴です。

板金加工では、1枚の平らな板から曲げ加工で立体形状を作り出します。そのため、完成品の形状だけでなく「曲げる前の平板の形状(展開図)」を正しく導き出すことが、設計の核心となります。

板金図面に必要な情報

  • 完成品の形状・寸法:三角法による投影図(通常の製図と同じ)
  • 展開図:曲げ加工前の平板形状と寸法
  • 板厚:材料の厚さ(t=1.6など)
  • 材質:SPCC(冷間圧延鋼板)、SUS304(ステンレス)、A5052(アルミ)など
  • 曲げ指示:曲げ方向、曲げ角度、内R
  • 表面処理:めっき、塗装、アルマイトなど

展開図の基本:なぜ展開寸法は完成寸法と異なるのか

板金を曲げると、曲げの外側は引き伸ばされ、内側は圧縮されます。しかし板厚の中間付近には伸びも縮みもしない面が存在し、これを中立面(中立軸)と呼びます。

展開寸法は中立面に沿った長さとなるため、完成品の外側寸法を単純に足し合わせた値とは一致しません。曲げ部分では「伸び」が発生するため、その分だけ展開寸法は短くなります。

展開寸法の基本式

展開長 = 各直線部の長さの合計 − 曲げ箇所ごとの伸び補正値の合計

展開寸法の計算方法

方法1:外側寸法加算法(実務で最も一般的)

完成品の外側寸法を合計し、曲げ箇所ごとに「伸び値(曲げ補正値)」を差し引く方法です。

展開長 = 外側寸法の合計 − (伸び値 × 曲げ箇所数)

伸び値は板厚・曲げ角度・材質・金型(ダイV幅)によって異なります。各加工工場が実測データとして蓄積しているため、発注先に確認するのが確実です。

90°曲げの伸び値目安(参考)

板厚(mm)SPCC目安(mm)SUS304目安(mm)A5052目安(mm)
0.81.21.31.1
1.01.51.61.4
1.62.42.62.2
2.03.13.32.8
3.25.05.34.6

※上記はV幅が板厚の6~8倍のダイを使用した場合の目安値です。実際の値は加工条件により異なります。

方法2:中立面基準法

中立面の位置を計算し、その面に沿った長さを求める方法です。曲げRが板厚の5倍以上の大きなR曲げに適しています。

中立面の位置は一般的に、内側面から板厚の約1/3の位置(板厚 × 0.33程度)とされますが、曲げRや板厚によって変動します。

板金図面の曲げ指示方法

曲げ方向の指示

図面上で曲げ方向を明確にする方法は以下の通りです。

  • 投影図で表現:正面図・側面図で曲げ後の形状を示す(最も一般的)
  • 展開図に曲げ線と方向記号を記入:展開図上に一点鎖線で曲げ線を示し、山折り・谷折りを区別
  • 注記で補足:「曲げ内R = t(板厚と同じ)」などの注記を追加

曲げ内Rの指示

指示方法意味使用場面
R指示なし加工者に任せる(通常は最小R)一般的な板金部品
R=t板厚と同じR標準的な指定。応力集中の緩和
R=2t以上板厚の2倍以上のR外観品質が重要な場合
具体的な数値R3、R5など相手部品との嵌合がある場合

板金設計で押さえるべき加工限界

板金図面を描く上で、加工可能な形状の限界を知っておくことが重要です。

穴と曲げの距離

曲げ線の近くに穴があると、曲げ加工時に穴が変形します。

  • 最低距離:穴端から曲げ線まで 板厚の4倍以上
  • 推奨距離:板厚の5倍以上

最小曲げ寸法

曲げのフランジ(立ち上がり部分)が短すぎると、金型で掴めず加工できません。

  • 最小フランジ長さ:ダイV幅の半分 + 板厚 が目安
  • 例:板厚2mm、V幅12mmの場合 → 最小フランジ = 6 + 2 = 8mm

曲げの干渉

箱型形状など複数回の曲げがある場合、曲げ順序によっては金型と干渉して加工できないことがあります。

  • 対策1:曲げ順序を考慮した形状設計
  • 対策2:逃げ穴(スリットや切欠き)を設ける
  • 対策3:溶接による組立に変更

板金加工の一般的な公差

加工内容一般公差備考
穴位置精度±0.05mmレーザー/タレパン加工
穴間距離±0.1mm同一プログラムでの加工
曲げ寸法±0.15~0.3mm曲げ精度はプレスブレーキの精度に依存
穴~曲げ線距離±0.15mm穴加工と曲げ加工の累積誤差

板金図面のよくある間違いと対策

間違い1:展開図を描かずに完成図だけ出す

加工者が展開計算を行うため時間がかかり、認識齟齬のリスクも高まります。

対策:展開図は必ず添付しましょう。3D CADの板金機能を使えば自動で展開できます。

間違い2:穴が曲げ線に近すぎる

板厚の4倍未満の距離に穴を配置すると、曲げ時に穴が楕円に変形します。

対策:穴端から曲げ線まで板厚の4倍以上を確保。どうしても近い場合は逃げスリットを入れましょう。

間違い3:曲げ内Rの未指定

R指示がないと加工者の判断で最小Rになりますが、材質・板厚によっては割れのリスクがあります。

対策:特にアルミ合金やステンレスの厚板では、曲げ内Rを明示的に指定しましょう。

間違い4:板厚を考慮しない寸法記入

外側寸法なのか内側寸法なのかが不明確で、板厚分のずれが生じます。

対策:寸法基準を統一し(外側基準が一般的)、図面内に「寸法は外側基準」と注記しましょう。

板金図面テンプレート:注記の書き方

板金図面の注記欄に記載すべき標準的な項目をテンプレートとして紹介します。

  • 材質:SPCC-SD t=1.6
  • 表面処理:三価クロメートめっき(膜厚8μm以上)
  • 曲げ内R:指示なきR = t
  • バリ方向:曲げ内側
  • 寸法基準:外側寸法
  • 一般公差:JIS B 0408 B級
  • 溶接後仕上:溶接箇所はビードを除去し、平滑に仕上げること

板金図面とAI:デジタル化の展望

板金図面は展開図・曲げ指示・加工注記など、複合的な情報を含むため、AI-OCRによるデジタル化においては高度な解析が求められます。

  • 展開図の自動認識:曲げ線・穴位置を自動検出し、3D形状を推定
  • 加工注記の構造化:板厚・材質・表面処理などの注記情報を自動抽出しデータベース化
  • 類似部品検索:過去の板金部品の展開形状から類似品を検索し、見積もりや工程設計に活用

renueでは、板金図面を含む多様な製造図面のAI読み取り・データ化ソリューションを提供しています。お気軽にご相談ください。

まとめ

  • 板金図面の核心は展開図。曲げ加工前の平板形状を正しく導き出すことが最重要
  • 展開寸法は外側寸法加算法(外寸合計 − 伸び値)で計算するのが一般的
  • 伸び値は板厚・材質・金型(V幅)で異なる。発注先に確認するのが確実
  • 穴と曲げ線の距離は板厚の4倍以上を確保(変形防止)
  • 曲げ内Rの指示、寸法基準(外側/内側)の明記、バリ方向の指定が重要
  • 注記欄には材質・板厚・表面処理・一般公差・曲げRを漏れなく記載

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