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板金図面の書き方 完全ガイド|展開図の計算方法・曲げ加工指示・加工限界と設計テンプレート【2026年版】

2026/8/21 (更新: 2026/9/16)

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板金図面の書き方完全ガイド。展開図の計算方法・曲げ加工指示・加工限界と設計テンプレート【2026年版】

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板金図面の書き方 完全ガイド|展開図の計算方法・曲げ加工指示・加工限界と設計テンプレート【2026年版】

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株式会社renue

2026/8/21 公開2026/9/16 更新

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板金図面とは?切削加工図面との違い

板金図面とは、金属の薄板(対応板厚は材質・加工法・設備によって異なります)を切断・曲げ・溶接などで加工して製品を作るための図面です。切削加工の図面とは異なり、「展開図」という概念が加わるのが最大の特徴です。

板金加工では、1枚の平らな板から曲げ加工で立体形状を作り出します。そのため、完成品の形状だけでなく「曲げる前の平板の形状(展開図)」を正しく導き出すことが、設計の核心となります。

板金図面に必要な情報

  • 完成品の形状・寸法:正面図・平面図・側面図などの投影図(板金図面の読図)
  • 展開図:曲げ加工前の平板形状と寸法
  • 板厚:材料の厚さ(t=1.6など)
  • 材質:SPCC(冷間圧延鋼板)、SUS304(ステンレス)、A5052(アルミ)など
  • 曲げ指示:曲げ方向、曲げ角度、内R
  • 表面処理:めっき、塗装、アルマイトなど

展開図の基本:なぜ展開寸法は完成寸法と異なるのか

板金を曲げると、曲げの外側は引き伸ばされ、内側は圧縮されます。しかし板厚の中間付近には伸びも縮みもしない面が存在し、これを中立面(中立軸)と呼びます。

展開寸法は中立面に沿った長さとなるため、完成品の外側寸法を単純に足し合わせた値とは一致しません。外側寸法の合計から求める場合は、曲げ部分の伸び補正値を差し引きます。直線部だけを合計する方法とは、寸法の基準が異なります。

展開寸法の基本式

展開長 = 外側寸法の合計 − 曲げ箇所ごとの伸び補正値の合計。中立面基準では「各直線部の長さの合計 + 中立面に沿う曲げ部の長さの合計」となります(外寸と補正値、中立面基準法)。

展開寸法の計算方法

方法1:外側寸法加算法

完成品の外側寸法を合計し、曲げ箇所ごとに「伸び値(曲げ補正値)」を差し引く方法です。

展開長 = 外側寸法の合計 − (伸び値 × 曲げ箇所数) ※各曲げの補正値が等しい場合。異なる場合は曲げごとの補正値を合計して差し引きます。

伸び値は板厚・曲げ角度・材質・金型(ダイV幅)によって異なります。加工工場の実測データを使う場合は、発注先に適用条件を確認してください(アマダの伸び補正値の説明)。

90°曲げの伸び補正値(アマダ公表のSPCCの例)

板厚(mm)材質ダイV幅(mm)伸び補正値α(mm)
0.8SPCC61.48
1.0SPCC61.74
1.6SPCC102.80
2.0SPCC123.44
2.3SPCC143.94

※アマダの公開表から、90°曲げ・SPCCの5例を抜粋しています。V幅は各行の値です。SUS304やA5052に流用せず、材質・板厚・金型・曲げ条件ごとの実測値を確認してください。

方法2:中立面基準法

中立面の位置を計算し、その面に沿った長さを求める方法です。アマダの解説では、曲げRが板厚の5倍以上の場合と、それ未満の場合を分けて近似計算しています(中立面基準法)。

中立面の位置は、内側面からの距離を板厚で割ったK係数で表せます。アマダのR≧5tの近似では板厚の中央(0.5t)を用い、Rが小さい場合は内側への移動を考慮します。一律に0.33tとはせず、曲げR・板厚・材料・加工条件に合う値を設定してください(FusionのK係数の定義)。

板金図面の曲げ指示方法

曲げ方向の指示

図面上で曲げ方向を明確にする方法は以下の通りです。

  • 投影図で表現:正面図・側面図で曲げ後の形状を示す(最も一般的)
  • 展開図に曲げ線と方向記号を記入:展開図上に一点鎖線で曲げ線を示し、山折り・谷折りを区別
  • 注記で補足:「曲げ内R = t(板厚と同じ)」などの注記を追加

曲げ内Rの指示

指示方法意味使用場面
R指示なし発注先の加工仕様・合意した標準Rを適用。自動的に最小Rになるとは限らない一般的な板金部品
R=t板厚と同じR設計条件に合う場合の指定例。材質・調質・金型等で適否を確認
R=2t以上板厚の2倍以上のR意匠や相手部品との関係で大きなRが必要な場合
具体的な数値R3、R5など相手部品との嵌合がある場合

板金設計で押さえるべき加工限界

板金図面を描く上で、加工可能な形状の限界を知っておくことが重要です。

穴と曲げの距離

穴と曲げ部の距離が短いと、曲げ加工時に穴が変形することがあります。必要な距離は板厚・材質・穴種・曲げ形状によって異なります(ミスミの加工条件)。

  • 最低距離:穴端からの測定基準を確認し、発注先の材質・板厚・穴種・曲げ形状別の下限値を適用
  • 設計時の確認:加工限界値ぎりぎりでは穴が変形する場合があるため、余裕や穴精度を加工先と確認

最小曲げ寸法

曲げのフランジ(立ち上がり部分)が短すぎると、ダイの両肩で材料を支持できず、加工できない場合があります(アマダの最小フランジ寸法)。

  • 最小フランジ長さ:アマダの説明では(V幅/2)×√2 ≒ 0.7×V幅が概算。使用金型と寸法基準を確認
  • 例:板厚2mm、V幅12mmの場合 → 上記の概算では最小フランジ ≒ 0.7×12 = 8.4mm。実際の加工可否は金型仕様で確認

曲げの干渉

箱型形状など複数回の曲げがある場合、曲げ順序によっては金型と干渉して加工できないことがあります。

  • 対策1:曲げ順序を考慮した形状設計
  • 対策2:逃げ穴(スリットや切欠き)を設ける
  • 対策3:溶接による組立に変更

板金加工の公差:加工サービスの公開仕様例

以下はミスミが公表する板金加工品の許容差です。JIS B 0408 B級を採用していますが、一部型式には別の保証値があり、他社・他製品へ一律に適用する表ではありません。穴位置・穴間距離・穴と曲げの距離についても、曲げの有無、基準寸法、個別指定に応じて発注先と確認してください。

基準寸法(mm)曲げなし部の許容差(mm)曲げ加工部の許容差(mm)
6以下±0.1±0.3
6超〜30以下±0.2±0.5
30超〜120以下±0.3±0.8
120超〜400以下±0.5±1.2

板金図面のよくある間違いと対策

間違い1:発注先が求める図面・データを確認しない

展開図の提出を求める発注先へ完成図だけを渡すと、追加の展開計算や確認に時間がかかり、認識齟齬も生じやすくなります。

対策:展開図の要否と受け渡すデータ形式を発注先と確認しましょう。3D CADの板金機能では、設定した曲げ条件に基づいて展開できます(CAD/CAMによる展開の説明)。

間違い2:穴が曲げ線に近すぎる

穴を曲げ部へ近づけすぎると、曲げ時に穴が楕円に変形することがあります。下限距離は板厚の倍率だけでは決まりません。

対策:発注先の仕様に従い、穴端から曲げ部までの距離と寸法基準を確認。どうしても近い場合は逃げスリットを入れましょう。

間違い3:曲げ内Rの未指定

R指示がない場合は発注先の仕様や加工者の判断に依存し、材質・板厚によっては割れのリスクがあります。

対策:特にアルミ合金やステンレスの厚板では、曲げ内Rを明示的に指定しましょう。

間違い4:板厚を考慮しない寸法記入

外側寸法なのか内側寸法なのかが不明確で、板厚分のずれが生じます。

対策:寸法基準を統一し(外側基準が一般的)、図面内に「寸法は外側基準」と注記しましょう。

板金図面テンプレート:注記の書き方

板金図面の注記欄の記入例を紹介します。以下の材質・板厚・膜厚・R・公差等は例であり、製品の要求仕様と発注先の加工条件に合わせて決定してください。

  • 材質:SPCC-SD t=1.6
  • 表面処理:亜鉛めっき(亜鉛層の膜厚8μm以上)+三価クロメート処理(めっき層と後処理の仕様例)
  • 曲げ内R:指示なきR = t
  • バリ方向:曲げ内側
  • 寸法基準:外側寸法
  • 一般公差:JIS B 0408 B級(採用する場合の注記例。適用部位・個別公差・発注先の保証条件を確認)
  • 溶接後仕上:溶接箇所はビードを除去し、平滑に仕上げること

板金図面とAI:デジタル化の展望

板金図面は展開図・曲げ指示・加工注記など、複合的な情報を含むため、AI-OCRによるデジタル化では、記号や寸法の位置関係を扱う必要があります。以下は活用を検討する項目で、採用製品と対象図面を用いた検証が必要です。

  • 展開図の自動認識:曲げ線・穴位置の検出と、3D形状推定への利用可否を確認
  • 加工注記の構造化:板厚・材質・表面処理などの注記情報の抽出とデータベース化を検討
  • 類似部品検索:過去の板金部品の展開形状を検索対象にし、見積もりや工程設計に使えるかを評価

renueの図面AIは、板金図面を含む多様な製造図面の読み取り・データ化に対応しています。お気軽にご相談ください。

まとめ

  • 板金図面の核心は展開図。曲げ加工前の平板形状を正しく導き出すことが最重要
  • 展開寸法は外側寸法加算法(外寸合計 − 各曲げの伸び補正値の合計)など、寸法基準に合う方法で計算
  • 伸び値は板厚・材質・金型(V幅)で異なる。発注先に確認するのが確実
  • 穴と曲げ部の距離は、穴の変形を防ぐため、発注先の材質・板厚・穴種・曲げ形状別の条件に合わせて確保
  • 曲げ内Rの指示、寸法基準(外側/内側)の明記、バリ方向の指定が重要
  • 注記欄には材質・板厚・表面処理・一般公差・曲げRを漏れなく記載

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FAQ

よくある質問

板金図面とは、金属の薄板(対応板厚は材質・加工法・設備により異なります)を切断・曲げ・溶接などで加工して製品を作るための図面です。切削加工の図面とは異なり、展開図という概念が加わるのが最大の特徴で、曲げる前の平板の形状を正しく示す必要があります。

曲げ加工では板の内側が圧縮され外側が伸びるため、展開長は単純な寸法の足し算では正確になりません。中立面基準では、直線部の長さに中立面に沿う曲げ部の長さ(ベンドアローワンス)を加えます。外側寸法から伸び補正値を差し引く方法とは区別してください。中立面の位置はK係数で表し、曲げ条件に合わせて設定します。アマダの解説:https://www.sheetmetal.amada.co.jp/column/course02/basis11/ 。CADソフトの板金機能を使えば自動計算が可能です。

曲げ線の位置、曲げ角度、曲げ方向(山曲げ・谷曲げ)、曲げ半径を明確に指示します。曲げ半径は材質・調質・板厚・金型などの条件に合わせて指定します。指示がない場合の扱いも発注先と確認してください。複数の曲げがある場合は曲げ順序も指示することで精度が向上します。

最小曲げ半径、穴と曲げ部の最小距離、最小フランジ寸法、バーリングの最小肉厚、溶接歪みの考慮が主な確認項目です。各限界値は材質・板厚・穴種・曲げ形状・金型により異なり、一律の板厚倍率では決められません。発注先の加工条件を確認し、加工不良やコスト増を避けてください。ミスミの条件例:https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td05/g0001.html

展開図の生成にはCAD/CAMの板金機能を利用できます。これにAIによる情報抽出・類似図面検索などを組み合わせ、加工限界のチェック、曲げ順序の検討、コスト見積もりを支援する活用が考えられます。各機能の対応範囲や精度は製品・図面条件で異なるため、設計ミスの発見や作業時間短縮につながるかを実データで確認してください。CAD/CAMによる展開:https://www.sheetmetal.amada.co.jp/column/course/basis03/

頻出する板金部品(L字ブラケット、箱型カバー等)のテンプレートを社内で整備し、標準的な材質・板厚・曲げ加工の指示を事前に定義しておきます。テンプレートをベースにカスタマイズすることで、設計の標準化と効率化を両立できます。

図面AI

図面の読み取りから積算まで、AIで自動化できます

PDF/TIF/紙図面をAIが構造化し、見積の自動生成やCADコード生成による3Dモデル作成まで対応します。renueの図面AIが何をどこまでできるかをご覧ください。

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