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寸法公差の書き方と普通公差一覧表|JIS B 0405の4等級・公差指示方法・加工精度の目安【2026年版】

2026/4/10

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寸法公差の書き方と普通公差一覧表|JIS B 0405の4等級・公差指示方法・加工精度の目安【2026年版】

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株式会社renue

2026/4/10 公開

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寸法公差とは?なぜ図面に必要なのか

寸法公差とは、図面で指示された寸法に対して許容される誤差の範囲です。どんなに精密な加工機械でも、指示寸法ぴったりに仕上げることは物理的に不可能です。温度・湿度・工具の摩耗・素材の状態などにより、必ずばらつきが生じます。

寸法公差を図面で指示する目的は以下の通りです。

  • 組立の保証:相手部品と確実に嵌合・組み付けができる寸法範囲を規定する
  • 品質の安定:加工者によるばらつきを一定範囲に収め、品質を均一化する
  • コストの最適化:必要以上に厳しい公差を避け、加工コストを適正に抑える

寸法公差の基本用語

用語意味例(φ50 +0.025/0 の場合)
基準寸法図面で指示する理想的な寸法50mm
上の許容差基準寸法に対する許容最大値の偏差+0.025mm
下の許容差基準寸法に対する許容最小値の偏差0mm
最大許容寸法基準寸法 + 上の許容差50.025mm
最小許容寸法基準寸法 + 下の許容差50.000mm
公差(公差幅)最大許容寸法 − 最小許容寸法0.025mm

寸法公差の指示方法:3つのパターン

パターン1:数値で直接指示

寸法値の後ろに上下の許容差を記入する方法です。最も一般的な指示方法です。

表記例意味
50 ±0.149.9~50.1mmの範囲で仕上げる(両側対称公差)
50 +0.1/-0.0549.95~50.1mmの範囲(片寄り公差)
50 +0.025/050.000~50.025mm(穴基準のH7等)
50 0/-0.02549.975~50.000mm(軸基準のh6等)

パターン2:はめあい記号で指示

穴と軸の組み合わせ精度が重要な場合、はめあい記号を使います。

  • 穴:φ50H7(上の許容差 +0.025、下の許容差 0)
  • 軸:φ50g6(上の許容差 -0.009、下の許容差 -0.025)

はめあい記号の詳細は当サイトの「はめあい公差 完全ガイド」をご覧ください。

パターン3:普通公差(一般公差)で一括指示

個別に公差を指示しない寸法に対して、図面の注記で一括指定する方法です。

普通公差(JIS B 0405)完全解説

普通公差は、図面上で個別に公差指示がない寸法に自動的に適用される公差です。JIS B 0405:1991で規定されています。

適用方法

図面の表題欄または注記欄に以下のように記載します。

  • 「普通公差 JIS B 0405-m」(中級を適用する場合)
  • 「一般公差 JIS B 0405 精級(f)」(精級を適用する場合)

公差等級の種類

等級記号適用場面
精級f (fine)精密機械部品。高精度が求められる場合
中級m (medium)一般機械部品。最もよく使われる等級
粗級c (coarse)溶接構造物、板金部品
極粗級v (very coarse)鋳造品、大型構造物

長さ寸法の普通公差一覧表

基準寸法の区分精級(f)中級(m)粗級(c)極粗級(v)
0.5以上~6以下±0.05±0.1±0.2
6超~30以下±0.05±0.1±0.3±0.5
30超~120以下±0.1±0.2±0.5±1.0
120超~400以下±0.15±0.3±0.8±1.5
400超~1000以下±0.2±0.5±1.2±2.5
1000超~2000以下±0.3±0.8±2.0±4.0
2000超~4000以下±0.5±1.2±3.0±6.0

(単位:mm)

角度寸法の普通公差一覧表

対象辺の長さ区分精級(f)中級(m)粗級(c)極粗級(v)
10以下±1°±1°±1°30'±3°
10超~50以下±0°30'±0°30'±1°±2°
50超~120以下±0°20'±0°20'±0°30'±1°
120超~400以下±0°10'±0°10'±0°15'±0°30'
400超±0°5'±0°5'±0°10'±0°20'

面取り・丸みの普通公差

基準寸法の区分精級(f)中級(m)粗級(c)極粗級(v)
0.5以上~3以下±0.2±0.2±0.4±0.4
3超~6以下±0.5±0.5±1.0±1.0
6超±1.0±1.0±2.0±2.0

公差の決め方:実務的な指針

公差設定の基本原則

  1. 機能に必要な公差のみ個別指示:嵌合面・シール面・位置決め面など
  2. その他は普通公差に委ねる:JIS B 0405-mで十分な場合がほとんど
  3. 加工能力を考慮する:加工方法の標準精度を超える公差は不要にコストアップする

加工方法別の一般的な達成精度

加工方法達成可能な公差(目安)
レーザー切断±0.1~0.3mm
フライス加工±0.02~0.05mm
旋盤加工±0.02~0.05mm
研削加工±0.005~0.01mm
ワイヤーカット±0.005~0.01mm
板金曲げ±0.15~0.3mm
鋳造±0.5~2.0mm

個別公差を指示する際は、この加工能力を超えない範囲で設定しましょう。

寸法公差でよくある間違いと対策

間違い1:すべての寸法に個別公差を指示

機能に関係のない寸法にまで±0.05等の厳しい公差を指示すると、加工コストが大幅に上がります。

対策:普通公差(JIS B 0405-m)を基本とし、機能面のみ個別指示しましょう。

間違い2:普通公差等級の記載漏れ

図面に普通公差の指示がないと、加工者が独自の判断で仕上げ、品質がばらつきます。

対策:表題欄に必ず「JIS B 0405-m」等の普通公差等級を記載しましょう。

間違い3:公差の積み重ね(公差チェーンの未考慮)

複数の寸法を積み重ねると、各寸法の公差も累積して最終的な誤差が大きくなります。

対策:基準面を設定し、そこからの寸法で指示する「基準面方式」を採用しましょう。

間違い4:片側公差と両側公差の使い分けミス

穴径に両側対称公差(±0.05)を使うと、はめあいの意図が不明確になります。

対策:穴はプラス方向(+0.025/0)、軸はマイナス方向(0/-0.025)の片側公差が基本です。

ISO普通公差との関係

JIS B 0405はISO 2768-1に対応しています。海外向け図面ではISO規格番号で記載することがあります。

JIS規格ISO規格対象
JIS B 0405ISO 2768-1長さ寸法・角度寸法の普通公差
JIS B 0419ISO 2768-2幾何特性の普通公差

海外向け図面では「ISO 2768-mK」のように記載します(mは寸法公差の中級、Kは幾何公差の中級)。

寸法公差と図面AI

寸法公差の情報は図面のAI解析において重要な抽出対象です。

  • 公差値の自動認識:「±0.1」「+0.025/0」などの公差表記をOCRで読み取り、数値データとして構造化
  • 普通公差の自動適用:注記欄の普通公差等級を検出し、個別公差のない寸法に自動適用
  • 加工見積への活用:公差の厳しさに応じた加工方法・コストを自動算出

renueでは、寸法公差を含む図面情報のAI読み取り・構造化ソリューションを提供しています。お気軽にご相談ください。

まとめ

  • 寸法公差は基準寸法に対する許容誤差の範囲。加工品質とコストのバランスを管理する
  • 指示方法は数値直接指示・はめあい記号・普通公差の3パターン
  • 普通公差(JIS B 0405)はf(精級)・m(中級)・c(粗級)・v(極粗級)の4等級
  • 中級(m)が最も一般的。図面には必ず普通公差等級を記載する
  • 個別公差は機能面のみに指示し、加工方法の達成精度を超えない範囲で設定
  • 海外向けはISO 2768-mKの形式で記載

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