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公認会計士の平均年収856万円を一次データで分解する|厚労省賃金統計・JICPA・職階別の実数で見る2026年版

2026/5/12

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公認会計士の平均年収856万円を一次データで分解する|厚労省賃金統計・JICPA・職階別の実数で見る2026年版

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2026/5/12 公開

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公認会計士の平均年収は856万2,600円(厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査)— 数字を分解する

「公認会計士の年収」を調べると、出典によって500万円から1,500万円まで幅広い数字が出てくる。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和6年(2024年調査)によると、職種「公認会計士・税理士」(合算)の平均年収は 856万2,600円。ただし税理士と合算であり、公認会計士単独では監査法人勤務・事業会社勤務・独立開業で年収レンジが大きく分かれる。

本記事では、(a) 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和6年:2024年調査公表分)、(b) 日本公認会計士協会(JICPA)が公開する会員数推移・キャリアレポート、(c) 金融庁 公認会計士・監査審査会の試験結果統計、を一次ソースとして年収構造を分解する。これから公認会計士を目指す人、既に資格を持って次のキャリアを考えている人、を主な想定読者にしている。

引用する一次データはすべて公開されているので、自分で再確認できる:

勤務先別の年収傾向:監査法人 vs 事業会社 vs 独立開業

厚生労働省 賃金構造基本統計調査(令和6年)の経営母体別集計と、日本公認会計士協会の会員動向資料を組み合わせると、勤務先別の傾向は以下のように整理できる。なお具体額はチーム編成・所属法人・地域・経験で大きくぶれるため、本節では幅のあるレンジ感のみ記す。

  • Big4監査法人(あずさ・トーマツ・あらた・新日本系列):厚労省 賃金構造基本統計調査の専門・技術職分類で上位帯に位置し、職階で大きな差がつく(後述)。
  • 準大手・中小監査法人:Big4より処遇は控えめだが、ライフワークバランスを取りやすい層として知られる。
  • 事業会社(経理・財務・内部監査・経営企画):厚労省 賃金構造基本統計調査の役職別集計(部長・課長級)に該当する処遇帯で、CFO候補は役員報酬として有価証券報告書に開示される。
  • 独立開業(個人事務所・税理士業務併用)JICPA会員動向資料からも、業務量や顧客基盤で収入が大きく振れることが示唆される。
  • コンサルティングファーム(Big4 Advisory・FAS・戦略系):監査業務より高い処遇水準が一般的とされる業界カテゴリ。具体額は各社が個別に開示していないため、本記事では公的統計に基づく相対比較のみ示す。
  • 金融機関(銀行・証券・保険):会計・監査専門職として、各社の有価証券報告書記載の従業員平均年間給与と同等程度の処遇帯で採用されるケースが多い。

勤務先による相対差は大きく、独立開業のトップ層と若手スタッフでは数倍規模の開きがある。キャリア初期の3〜5年で勤務先を選ぶことが、長期的な年収カーブを大きく左右する。

監査法人の職階別の処遇イメージ:スタッフ→シニア→マネージャー→パートナー

監査法人内では、職階で年収が階段状に上がる。具体額の一次ソースは限定的なため、本節では (i) 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和6年公表分の職種別・年齢階層別賃金、(ii) 日本公認会計士協会が公表する会員動向、(iii) 金融庁 公認会計士・監査審査会による試験合格者の年齢分布、をクロスリファレンスし、相対的な処遇イメージを示す。

  • スタッフ(1〜4年目):厚労省 賃金構造基本統計調査令和6年公表値の専門職若手帯と整合し、試験合格直後の常勤監査補助として位置づけられる。
  • シニアスタッフ(5〜8年目):監査チームの実質リーダー、現場マネジメントを担う層で、厚労省 賃金構造基本統計調査の30代前半・専門職帯と概ね一致する。
  • マネージャー(9〜14年目):チームを統括、クライアントとの対外折衝を担う層で、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和6年の課長級・専門職帯に相当する処遇イメージ。
  • シニアマネージャー(15年目前後):複数チームの統括を担う中核管理職で、厚労省 賃金構造基本統計調査令和6年の部長級専門職と整合する。
  • パートナー(出資者):監査法人の経営者層で、上場監査法人(あずさ等)が公表する有価証券報告書の役員報酬開示が一次ソースとなる。

パートナーまで昇進する公認会計士は、入所者全体の概ね 5〜10% とJICPA等の業界資料で示されており、競争は激しい。一方、マネージャークラスには経験10年前後で多くの会計士が到達する。

なお職階別処遇は「Big4在籍時の標準値」で、準大手・中小監査法人や事業会社では1段階低めに、コンサルティングファーム・FASでは1段階高めに振れるのが業界常識として知られている。

年代別の年収カーブ:合格直後 → 30代マネージャー → 40代パートナー候補

公認会計士試験合格後の年代別年収カーブは、勤務先によらず概ね右肩上がりだが、Big4と中小監査法人で傾きが違う。e-Stat 賃金構造基本統計調査(令和6年公表分)の年齢階層別集計と、金融庁 公認会計士・監査審査会の試験合格者年齢分布をあわせて見ると、概ね以下のステージに整理できる。

  • 合格直後(25〜27歳前後・スタッフ1年目):厚労省 賃金構造基本統計調査の20代前半・専門職帯と整合。
  • 20代後半(経験3〜5年・スタッフ後期〜シニア初期):同統計の20代後半・専門職帯。
  • 30代前半(経験6〜10年・シニア〜マネージャー昇格期):厚労省統計の30代前半・係長級から課長級への昇格期と一致する処遇推移。
  • 30代後半(経験11〜15年・マネージャー):同統計の課長級・専門職帯と整合。
  • 40代(経験16〜20年・シニアマネージャー〜パートナー候補):厚労省 賃金構造基本統計調査の部長級・専門職帯に相当する処遇イメージ。
  • 50代以降(パートナー定着 or 独立):上場監査法人の有価証券報告書(パートナー報酬開示)およびJICPA会員動向が一次ソースとなる層。

このカーブは「同一監査法人で勤続したケース」の標準値で、転職や事業会社への移籍では年収が一時的に下がる時期がある。一方、独立開業や FAS への移籍では、30代後半で年収を一気に引き上げるケースもある。

試験合格率と難易度:年間1,500〜1,800人合格、合格率約10%

公認会計士試験は、金融庁 公認会計士・監査審査会が実施している。同庁の試験結果ページでは、直近の合格者数が概ね年間1,500〜1,800人、合格率は約10%前後で推移していることが公表されている。

受験資格は不要で、誰でも受験可能。ただし試験範囲は (a) 短答式試験(4科目:財務会計論・管理会計論・監査論・企業法)と (b) 論文式試験(5科目:会計学・監査論・企業法・租税法・選択科目)の2段階で、合格までに最低1〜2年、平均3〜4年の準備期間を要するとされる(金融庁 公認会計士・監査審査会の試験要綱)。

合格後は、監査法人等で2年以上の業務補助・実務補習所での3年間の修了考査を経て、初めて公認会計士登録が可能になる。試験合格 = 即「公認会計士」ではなく、実務経験を経て登録、という制度設計(日本公認会計士協会登録規定)。

IFRS・サステナビリティ報告など新領域の年収プレミアム

近年、公認会計士の業務範囲は伝統的な財務諸表監査から大きく広がっている。日本公認会計士協会のキャリア提言においても、以下の新領域での専門性確保が会員に推奨されている:

  • IFRS(国際財務報告基準):上場企業の任意適用が増加。IFRS 適用支援業務は会計士のキャリア多様化の主要領域としてJICPAの各種提言で取り上げられている。
  • サステナビリティ報告(SSBJ・ISSB対応):2026年以降、上場企業に開示義務が段階導入。金融庁のサステナビリティ開示制度整備に伴い、新領域で需要急増。
  • M&A・FAS(Financial Advisory Services):Due Diligence、バリュエーション、PMI支援など、コンサルティング寄りの業務領域。
  • フォレンジック(不正調査):粉飾決算・横領等の調査業務で、監査品質向上文脈でJICPAが継続的に取り上げている領域。
  • サイバーセキュリティ監査:システム監査・SOC報告書発行で、CIA・CISA等の資格と組み合わせる領域。
  • 暗号資産・Web3 監査:暗号資産取引業者の監査領域で、金融庁の暗号資産業者規制に伴い専門性が求められる。

これら新領域は需要が拡大期にあり、専門性を持つ会計士は転職市場で高評価とされる。逆に伝統的な監査業務だけでキャリアを続けると、AI・自動化で代替されるリスクが指摘されている。JICPA も会計士のキャリア多様化を後押しする提言を継続的に発表している。

事業会社の経理・財務・経営企画への転職と処遇

公認会計士から事業会社への転職は、近年の主要キャリアパスの一つ。事業会社側のニーズは、(i) 上場企業のIR・開示担当、(ii) M&A推進担当、(iii) 内部監査責任者、(iv) CFO候補、と多岐にわたる。処遇水準は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和6年の役職別賃金(係長・課長・部長級)と各上場企業の有価証券報告書(役員報酬・従業員平均年間給与)を組み合わせて推定するのが一次ソースに沿った見方。

  • 経理マネージャー(30代):厚労省 賃金構造基本統計調査の課長級・専門職帯と整合。
  • 財務部長・経理部長(40代):同統計の部長級・専門職帯。
  • CFO・財務担当役員:上場企業の有価証券報告書(役員報酬欄)が一次ソース。各社の規模・業績で大きく変動する。
  • IR担当(上場準備企業含む):上場企業の従業員平均年間給与(有価証券報告書)と同等以上の処遇水準。
  • 内部監査責任者:監査法人マネージャー級と同水準帯で採用されるケースが多い。

監査法人スタッフ・シニアからの事業会社マネージャークラスへの移籍は、年収が上がる典型パターン。一方、Big4マネージャーから事業会社マネージャー級への移籍は、年収横ばい〜微減で働き方を改善する選択肢になる。具体額は本人の経験と志望業界の処遇水準で決まるため、複数社の有価証券報告書を比較して交渉するのが定石。

独立開業:税理士業務併用が一般的

独立開業する公認会計士の多くは、税理士登録(税理士法第3条による特例で、公認会計士は税理士登録可能)を行い、税理士業務(法人税申告・所得税申告等)を併用する。これにより監査業務の閑散期にも安定収入を得られる。日本公認会計士協会の会員動向資料でも、独立会計士の業務範囲が税務・監査・コンサルに広がっている傾向が示されている。

独立開業の年収は経営状態によって幅広い:開業初期は顧客開拓フェーズで安定までに時間を要し、5〜10年で顧客基盤が安定すると監査法人マネージャー級と同等以上の処遇が見込める。大規模事務所(パートナー・所員10人以上)では、上場監査法人パートナーと比較される処遇帯まで上振れすることもある。JICPAの独立会計士向けキャリアセミナー資料が現場感の参考になる。

独立は経営リスクと初期投資(事務所・人件費)があるが、軌道に乗れば監査法人パートナーと同等以上の年収を得る可能性がある。逆に開業初期の収入不安定リスクは、配偶者の収入や個人貯蓄で補完するケースが多い。

男女別の年収格差:女性会計士の比率と年収差

公認会計士業界の女性比率は、合格者では約25〜30%、登録会計士では約15%と、全体の中では決して高くない(金融庁 公認会計士・監査審査会の試験結果統計およびJICPA会員動向)。同JICPAの公開統計によると、女性会計士の年収は男性会計士より低い傾向にあり、原因として (a) 出産・育児期の常勤離脱、(b) パートナーへの昇進比率の低さ、(c) 高単価の M&A・FAS 等への配属比率の低さ、が指摘されている。

近年は、各 Big4 が女性会計士のキャリア継続支援(育児支援、時短勤務、リモート対応)を強化しており、構造改善は進行中。女性会計士のロールモデルとなるシニアマネージャー・パートナー職も、徐々に増えている段階。

AI・テクノロジー領域での会計士の新キャリア

本記事の最後に、AI・テクノロジー領域における公認会計士のキャリア展開について触れておく。

2024〜2026年にかけて、(i) 監査業務の AI 自動化(伝票確認・サンプリング・異常検知)、(ii) 経理 SaaS の急速な普及、(iii) IFRS/SSBJ 対応の組織再構築、により、会計士の伝統的業務は大きな転換期にある。日本公認会計士協会のテクノロジー対応提言でも、AIを活用した監査品質向上の取り組みが重要テーマとして示されている。

  • 会計 SaaS の業務責任者・PdM:マネーフォワード・freee・SAP 等の経理 SaaS で会計知見を活かす職種。
  • 監査 AI スタートアップ:監査自動化ツール開発企業の業務責任者。
  • AI コンサルファームの会計知見専門職:会計データ × AI の交差点でクライアント支援。
  • 暗号資産・Web3 監査の専門職:暗号資産取引業者・DAO 等の新領域監査で、金融庁の暗号資産規制と整合。
  • サステナビリティ・ESG 報告の専門職金融庁のサステナビリティ開示制度整備に伴い需要拡大。

renue でも、医療・製造・金融等の AI 実装案件で会計知見を持つメンバーが財務インパクト評価・監査効率化設計・コンプライアンス設計の役割で参画するケースがある。会計士資格 × AI/データ実装スキルを持つ人材は、転職市場で希少性プレミアムが付きやすい層になっている。

キャリアの選択肢を整理する

本記事は公認会計士の年収を一次データで分解することを主題にしてきたが、最後にキャリアパスの選択肢を整理する:

(A) Big4監査法人でパートナー昇進ルート。最も安定的な高年収パス。15〜20年の継続が前提。

(B) 監査法人 → 事業会社の経理・財務責任者 → CFO。上場企業の有価証券報告書役員報酬欄に開示される処遇帯への上振れ可能性。

(C) 独立開業(税理士業務併用)。経営リスクあり、軌道に乗れば監査法人パートナー級の処遇可能性。

(D) FAS・M&A コンサルへの転身。30代で監査法人マネージャー級を上回る処遇帯への移行が可能とされる業界カテゴリ。

(E) IFRS・サステナビリティ・サイバー監査などの新領域専門化。希少性プレミアムが期待される。

(F) 海外勤務(米国 USCPA・英国 ACCA 等のダブル資格取得)。グローバル監査法人での処遇が見込める。

(G) 会計 SaaS・監査 AI・AI コンサル等のテクノロジー領域。市場の拡大とともにキャリア選択肢が増えている領域。

これら7つの選択肢を並べたうえで、自分のライフステージ・キャリアの軸・家族の合意と照らし合わせて、もっとも整合する道を選ぶのが健全な判断。年収だけでなく、業務内容・働き方・成長軸・将来の選択肢を全部テーブルに乗せて比較するのが大事。

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まとめ

  • 公認会計士・税理士の平均年収は856万2,600円(厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査)。公認会計士単独では同統計の専門職帯に該当する処遇イメージ。
  • 勤務先別の処遇差は大きい:Big4監査法人スタッフ層〜独立開業上位層で数倍規模の開き。
  • 職階別処遇はスタッフ→シニア→マネージャー→パートナーと階段状に上昇し、各段階が厚労省統計の係長・課長・部長級と概ね整合。
  • IFRS・サステナビリティ・FAS・暗号資産監査等の新領域で年収プレミアムが顕著。
  • 事業会社・コンサル・SaaS・独立等、キャリアパスは7種以上。年収だけでなくライフステージ整合で選ぶのが健全。

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FAQ

よくある質問

厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査によると、公認会計士・税理士の平均年収は約856万円です。ただし税理士と合算のため、公認会計士単独では同統計の専門職帯に該当する処遇水準です。

職階で階段状に上がり、スタッフ→シニア→マネージャー→シニアマネージャー→パートナーの順で、厚生労働省賃金構造基本統計調査の係長・課長・部長級の専門職帯と整合します。パートナーは上場監査法人の有価証券報告書役員報酬欄が一次ソースです。

スタッフ・シニアからの移籍は年収増、Big4マネージャーからの移籍は横ばい〜微減で働き方改善が典型です。CFO候補は上場企業の有価証券報告書役員報酬欄に開示される処遇帯まで上振れする可能性があります。

開業初期は顧客開拓フェーズで安定までに時間を要し、5〜10年で顧客基盤が安定すると監査法人マネージャー級と同等以上が見込めます。税理士業務併用が一般的で、JICPAの会員動向資料で独立会計士の業務範囲拡大が示されています。

伝統的な財務諸表監査はAI自動化が進む一方で、IFRS・サステナビリティ報告・FAS・暗号資産監査・会計SaaS等の新領域では希少性プレミアムが顕著で、JICPAも会員のキャリア多様化を提言しています。

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