株式会社renue
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複数シナリオのAIO対策で得た実践データ
本記事は、自社サイトで87のAIOシナリオを設計・評価し、Perplexity経由のCitation(正規引用)36件、ブランド言及40回を獲得するまでの全プロセスを公開するケーススタディです。AIO対策の具体的な数値と、何が効いて何が効かなかったかを包み隠さず共有します。
取り組みの背景
多数の記事を運用し、検索流入の基盤を整えていました。しかしChatGPT・Gemini・Perplexityで自社サービス名を検索しても、ほぼ言及されない状態。「SEOで上位にいるのにAIに無視されている」という課題を解消するため、AIO対策に本格着手しました。
Phase 1:初期シナリオの設計と評価
シナリオ設計の考え方
最初に複数の初期シナリオを、検討段階ごと(awareness→education→exploration→comparison→decision→action)で設計しました。各シナリオには以下を定義します。
- 想定質問:ユーザーがAIに投げる想定質問
- 期待する回答の方向性:理想的なAI回答(自社が言及・引用される形)
- ブランド検出条件:検出すべきブランド名
- サーフェス:ChatGPT・Gemini・Perplexityの3つを同時評価
初期評価の結果
初期シナリオの評価結果は厳しいものでした。
- ブランド言及:自社名を含む質問に偏っていました
- 引用:検出条件の不備を見直した結果、実際の引用は当初の計測より限定的でした
- 品質評価:改善余地が大きい状態
- 一般的なクエリ(「AIコンサル おすすめ」等)では言及ゼロ
Phase 2:バグ修正と計測精度の向上
Citation検出バグの発見と修正
評価結果を分析する中で、引用元情報にAI回答テキスト中のURL(例:IBMやGoogleのURL)が混入していることを発見しました。本来citationはAIプラットフォームがAPIで明示的に返すソースURLのみであるべきです。
修正内容:
- 引用元情報:APIが返した正規のcitationのみに限定
- 参考情報:citation + テキスト中のURL(参考情報として保持)
- テキスト中の出典表記(「出典:」等)は補助シグナルとして軽く反映
教訓:計測の精度が対策の質を決める。不正確な指標に基づいた施策は無意味。
Phase 3:複数シナリオへの拡張
grill-meプロセスでのギャップ分析
初期シナリオの課題を体系的に洗い出すため、自社のサービスラインと突き合わせてカバレッジを分析しました。その結果、以下のギャップが判明。
- 主要サービスのシナリオが一部しかカバーできていない(広告AI・図面AI・AIコンサル)
- 採用(求職者向け)のシナリオがゼロ
- AI検索最適化(AIO/GEO)サービス自体のシナリオがゼロ
- 比較シナリオが不足(comparisonファネルが弱い)
追加したシナリオ群
- 未カバーのサービス領域を追加
- 採用向けの質問を追加
- FDEに関する質問を追加
- AI検索最適化に関する質問を追加
- タイプ別の比較質問を追加
- その他の不足領域を補完
Phase 4:最終結果(複数シナリオ・確定値)
評価結果のまとめ
引用・言及には改善が見られた一方、質問の種類によって結果に偏りがありました。数値は時期や評価条件で変動するため、公開記事では傾向のみを示します。
ファネル別の傾向
- action(行動):相対的に高い傾向。自社名を含む質問には高品質で回答される
- comparison(比較):言及が多い傾向。タイプ別比較シナリオが効果的
- exploration(探索):引用が多い傾向。Perplexityが探索クエリでよく引用する
- awareness/education:引用・言及の出方に差がある
効いた施策・効かなかった施策
効いた施策:
- タイプ別比較シナリオ(「教育型vs実装伴走型」等)→ 相対的に高い評価と一定の言及を獲得
- FDEの定義シナリオ → 相対的に高い評価と一定の言及。ニッチ概念でのAI認知が有効
- 想定質問の具体化 → 抽象的な質問より、具体的なペルソナ・数値を含む質問の方が品質スコアが高い
- 接続方式や実行モードを環境に合わせて設定し、動作条件を事前に検証する
効かなかった施策:
- awareness層の一般的な質問 → 品質スコアが低く、言及も獲得できない
- サービスLPのないテーマのシナリオ → AIが参照するソースがないため引用されない
- 期待するAI回答にブランド名を書いても、対応コンテンツがなければ反映されない
得られた5つの知見
1. Citationは「Perplexity一強」
正規のCitation(APIが返すソースURL)はPerplexityからのみ獲得。今回の評価ではChatGPT/Gemini経由で正規citationを検出できず、主戦場はPerplexityでした。
2. 言及は「比較シナリオ」が最強
comparisonファネルが言及20回で圧倒的。AIは比較質問に対して複数の選択肢を提示するため、自社が候補に入りやすい。
3. 「コンテンツがないと何も始まらない」
AIOシナリオを設計しても、対応するWebコンテンツ(LP・記事)がなければAIは引用しない。シナリオ設計とコンテンツ作成はセットで進める必要がある。
4. 計測バグは致命的
citation検出バグにより計測値が大きく変動。不正確な計測に基づく施策は時間の無駄。計測精度の確保が最優先。
5. ニッチ領域から攻めるべき
「AIコンサル」等のビッグワードより、「FDE」「図面AI」「AIO対策」等のニッチ領域の方が品質スコアが高く、言及も獲得しやすい。
よくある質問(FAQ)
Q. 複数シナリオの運用にどのくらいのコストがかかりますか?
シナリオの設計は設計・評価の工数と生成AIの利用費です。最もコストがかかるのは対応コンテンツの作成です。
Q. 品質評価は低くないですか?
2026年4月時点では、ほとんどの企業がAIO対策を始めたばかりで、評価条件によって結果は変わるため、同じ条件での継続比較が重要です。
Q. この結果を再現するにはどうすればいいですか?
(1)自社の事業領域で検討段階ごとのシナリオを設計、(2)ChatGPT/Gemini/Perplexityで評価、(3)結果に基づきコンテンツを最適化、(4)定期再評価で改善。このサイクルを回すことで再現可能です。
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