株式会社renue
図面AI
図面の読み取りから積算まで、AIで自動化できます
PDF/TIF/紙図面をAIが構造化し、見積の自動生成やCADコード生成による3Dモデル作成まで対応します。renueの図面AIが何をどこまでできるかをご覧ください。
プレス加工品の図面では、形状に加えて、材質・板厚、必要な寸法と公差、バリの扱い、曲げや成形後の状態を伝えます。板厚の倍数だけで加工可否を決めず、製品の機能と、材料・金型・工程の条件を対応させることが大切です。打抜き・曲げ・絞り・バーリングの確認点と、注記の整理、図面AIの活用方法を解説します。
プレス加工品の図面で、最初に決める情報と公差
プレス加工には、金型で材料を切り離す打抜きや、曲げ、絞りなどがあります。板金加工にもタレットパンチプレスやプレスブレーキを使う工程が含まれるため、「板金」と「プレス」を互いに排他的な分類にはしません。汎用設備を使う場合と専用型で量産する場合でも、型、工程、数量、要求精度や後処理をそろえて比較します。専用型だから必ず安い、一定の精度が無条件に出るという判断は避けましょう。
図面では、完成品の材質と必要な材料状態、板厚、図番と改訂、基準となる面・穴、寸法、公差、表面処理、検査の条件を整理します。曲げた後の形状を示す製品図と、展開形状や途中工程の資料も区別してください。完成品のどの状態で測るかが曖昧だと、成形前後や表面処理前後で確認結果が食い違います。投影・断面や指示の基本は、機械図面の記号と読み方も参照できます。
JIS B 0408:1991は、金属板の打抜き・曲げ・絞りによるプレス加工品の普通寸法公差を対象とする規格です。採用する場合は規格番号と版、等級、対象の寸法・加工区分を確認します。全製品を一律にB級としたり、金属板のせん断加工を含むあらゆる工法へ広げたりしません。機能上重要な寸法には、個別の要求と検査方法を定めます。
ミスミの公差資料では、同じB級でも打抜きと曲げ・絞りの表が分かれています。例えば基準寸法50mmは「30を超え120以下」の区分で、同資料の打抜きは±0.3mm、曲げ・絞りは±0.8mmです。この例は該当区分の普通寸法許容差の比較であり、全箇所の加工能力を保証する値ではありません。必要な個別公差、取引上の適用条件と照合します。
図面の要求と加工側の見積条件は、試作時から対応を取ります。数量、検査、材料証明や表面状態の要求、変更時の型改修も含めて確認すると、形状だけでは見えない費用と工程を把握できます。普通公差でよい寸法と、組付けや機能に影響する寸法を分けて伝えることが、検査や修正の優先順位にもつながります。
打抜きの穴・外形・バリ方向を、対象の縁で指示する
穴を抜くピアシングと、外周を抜き取った側を製品とするブランキングでは、製品として残す部分が異なります。ミスミのプレス加工の基礎資料は、穴寸法を決めるパンチ刃先と、ブランキングの製品寸法を決めるダイ内径を区別しています。すべての打抜き寸法がダイだけで決まるとは扱わず、摩耗やクリアランスを含めて要求と工程を確認します。
同資料では、下向きにブランキングして抜き取る製品のバリは上側となり、穴抜きなどとは方向が反対になる例を示しています。上下が異なる型や、加工後に反転する工程もあるため、図面には完成品のどの外周・穴縁を対象とするか、どちらの面側にバリを許すかを示します。製品のバリの向きと、パンチの移動・加圧方向を混同しないでください。組付け、接触面や手が触れる箇所などの要求に合わせて決めます。
バリ方向の指定と、許容する高さ・形状、除去や後処理の指示は別です。「曲げ内側」と書けば必ず手に触れず安全になるとは限りません。組立後の向きや使用状態まで確認します。高さを管理するなら、対象の縁、測定箇所・方法、処理前後の状態、合否の基準を定めましょう。板厚の一定割合を、そのまま全製品のバリ許容量として使うことはできません。
最小穴径や穴間の残り幅は、材質と材料状態、板厚、パンチの形状・支持、金型とクリアランス、工程に関わります。穴の中心間距離と、穴の縁から縁までの幅を分けて指示してください。互いに離れた丸穴では、中心間距離から両穴の半径の和を引くと最短の縁間距離になります。同じ「2t」という表記でも、中心か縁かで残る材料幅は異なるため、寸法線で基準を明確にします。
Wilson Toolの解説も、クリアランスの一律の目安では材料の違いを考慮できない点を説明しています。またDayton Laminaの技術資料は、片側のクリアランスとして割合を示すことや、穴とバリの要求に合わせた評価を説明しています。片側すきまと両側合計を混ぜず、メーカーの推奨や試験結果も対象条件と一緒に確認します。
曲げ・絞り・バーリングの形状と工程条件を確認する
曲げでは内側の半径、曲げ角度、フランジの寸法、近くの穴や切欠き、圧延方向を確認します。穴との距離は、穴縁か中心か、曲げ線か曲げ半径の端かを図示します。必要な距離や逃げ形状は材質・板厚・内R・金型・加工順などによるため、異なる条件の「2t」「3t」等を同じ限界値として置き換えません。展開と完成形状の関係は、板金図面の展開・曲げの確認点も参考になります。
ミスミの曲げ部の解説は、切断縁の状態、バリ面、圧延方向と曲げ線、内側の半径が割れや強度に関係することを示しています。ここで比較する方向は曲げ線の向きで、パンチが押す方向とは異なります。複数の曲げがある部品では、各曲げと材料方向の関係、完成時の角度とスプリングバックへの対応を加工先と確認します。
円筒絞りでは、絞る前の径Dと、絞った後の径dの取り方を決めます。アイダエンジニアリングの解説では、絞り率を絞り後の径÷絞り前の径としています。ミスミの工程設計の解説は、絞り比をその逆数として区別しています。D/dとd/Dは増減の意味も異なるため、用語だけで工程条件を伝えず、式と径の測定基準を添えましょう。
例えばDを100mm、dを50mmと仮定すれば、D/dは2、d/Dは0.5です。これは逆数関係を示す計算例で、この条件なら一工程で加工できるという判定ではありません。限界や工程数は、材質、板厚と径の関係、形状、加工硬化、パンチ・ダイの各R、押さえや潤滑などに応じて確認します。最終形状の要求と、中間工程やトリミングの条件を分け、割れ・しわや必要な板厚も検証します。
バーリングで穴の周囲にフランジを作り、タップ加工等に使う場合も、高さだけでは判断できません。しごきバーリングの解説は、下穴、クリアランス、パンチ形状で高さや肉厚が変わり、ねじ部の強度にも影響することを示しています。必要なねじ、かみ合う有効長さ、フランジの向き、残る肉厚、締結の要求を合わせて確認し、特定の高さ割合や山数を全用途の共通条件にしません。
図面注記を整理し、AIの抽出と人の確認をつなぐ
注記のテンプレートは、確定した仕様を入れるための枠として使います。材質、板厚、一般公差の等級、バリの高さや曲げRを、別部品の数値のまま流用しないでください。以下は記入項目の例です。必要な寸法・対象箇所は製品図で示し、空欄や未確定事項を残したまま製造指示と扱わず、設計・加工・検査の担当者で確認します。
材質・材料状態/板厚:[対象の仕様] 普通寸法公差:[規格番号・版・等級・適用範囲] 個別公差・検査:[対象の寸法・測定基準・状態] バリ:[対象の縁・許容面側・高さ等・後処理] 曲げ・成形:[内R・角度・完成寸法・材料方向等] 表面処理:[仕様・対象面・処理前後の寸法条件] 資料と承認:[図番・改訂・関連資料・確認者]
表面処理や組立で機能が変わる箇所には、その状態で必要な要求を対応させます。例えば成形品の内外径、取付穴、接触する縁など、どの情報をどのビューで確認するかを決めると、注記だけでは伝わりにくい条件を減らせます。断面図の表し方と確認点も参照し、内部や厚さ方向の情報が不足する箇所を補います。
AIを使う場合は、文字や寸法を抽出できることと、その部品の加工可否や設計の妥当性を判定できることを分けます。バリの注記を読み取っても、対象の縁や完成状態との対応が取れているか確認が必要です。未記載の条件を推定した場合は、図面に書かれた情報と区別して設計者へ確認します。図面AI-OCRの評価方法を参考に、正誤だけでなく不足・要確認の項目と修正時間も記録しましょう。
renueの図面AIは、仕様・寸法・数量の抽出と検索、人による確認・修正、データベースと連携した見積などを案内しています。プレス品では、材質・板厚・形状に加え、型、数量、工程、後処理や検査条件が見積に必要かを確認してください。図面だけから金型費・加工単価や成形可否が無条件に確定するとは想定せず、対象とする工程を絞って試します。
利用するCADと出力・編集の条件は機械CADの比較と選び方でも整理しています。台帳や承認、価格・工数の既存システムまでつなぐ場合は、FDEの実装・運用支援へ相談できます。図番・改訂、抽出元の位置、適用したルール、確認者と差戻しを追えるようにし、入力から確認・修正・登録までの時間と品質を測って対象を広げましょう。

