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プレス加工品の図面書き方ガイド|打ち抜き・曲げ・絞りの設計ルールとバリ方向・穴径・絞り比の指示方法【2026年版】

2026/9/16 (更新: 2026/8/26)

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プレス加工品の図面書き方ガイド。打ち抜き・曲げ・絞りの設計ルールとバリ方向・穴径【2026年版】

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プレス加工品の図面書き方ガイド|打ち抜き・曲げ・絞りの設計ルールとバリ方向・穴径・絞り比の指示方法【2026年版】

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2026/9/16 公開2026/8/26 更新

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プレス加工品の図面とは?板金加工との違い

プレス加工品とは、金型(パンチとダイ)で金属板を打ち抜き・曲げ・絞りして成形する部品です。レーザーやタレパンによる「板金加工」と異なり、金型を使った大量生産を前提とした設計が必要です。

板金加工とプレス加工の違い

項目板金加工プレス加工
切断方法レーザー・タレパン金型(打ち抜き)
曲げ方法プレスブレーキ(汎用金型)専用金型
適合ロット少量~中量大量生産
初期費用低い高い(金型費用)
ピース単価高い安い(大量生産効果)
精度±0.1~0.3mm±0.05~0.1mm
図面の注意点穴と曲げの距離、展開図バリ方向、コイニング、絞り比

プレス加工の4大分類と図面指示

1. 打ち抜き加工(ブランキング・ピアシング)

金属板から所定の形状を切り抜く加工です。

穴の最小径

材質最小穴径根拠
アルミ・軟鋼(延性材)≧ 1.2t(板厚の1.2倍)英語文献データ
ステンレス・高張力鋼≧ 2.0t(板厚の2.0倍)英語文献データ

バリ方向の図面指示

打ち抜き加工では、パンチ側(上面)がダレ面、ダイ側(下面)がバリ面になります。バリ方向は製品の品質・安全性に直結するため、図面に必ず指示します。

  • 「バリ方向:下面」(バリが下に出る)
  • 「バリ方向:曲げ内側」(曲げ加工後に手に触れない側)

英語文献データ:バリの許容量は一般的に板厚の10%です。例えば板厚1.0mmなら、バリ高さ0.1mm以下が標準許容値。

一般的な設計指針:図面にはバリ方向を標注(毛刺方向を標注)することが必須。バリ方向と冲圧方向(プレス方向)は別概念であることに注意が必要です。

図面での角R指示

一般的な設計指針:打ち抜き品のすべての稜角にR≧0.5t(板厚の0.5倍以上)の丸みを設ける。尖角は応力集中による割れと金型摩耗の原因。

2. 曲げ加工(ベンディング)

曲げの設計ルール

項目基準備考
穴と曲げ線の距離≧ 2t(板厚の2倍)英語文献:2×material thicknessが基準
最小曲げ内R≧ t(板厚以上)材質が硬いほど大きなRが必要
最小フランジ高さ≧ 4t金型で掴める最低限の高さ
曲げ方向圧延方向に直角が望ましい圧延方向に平行に曲げると割れやすい

英語文献データ:高張力材の曲げでは圧延方向(grain direction)に注意。圧延方向に平行に曲げると割れリスクが大幅に増加。図面には「曲げ方向は圧延方向に直角とする」と注記。

リリーフノッチ(逃げ切欠き)

曲げ部の端部に設ける切欠きで、曲げ時の膨らみ(バルジング)を防止します。

  • ノッチ幅:板厚以上
  • ノッチ長さ:曲げRの外側まで達する長さ

3. 絞り加工(ディープドローイング)

平板から箱型やカップ型の立体形状を作る加工です。

絞り比の制限

項目基準
初回絞り比(D/d)≦ 2.0(ブランク径÷絞り径)
再絞り比≦ 1.3~1.5
底部R≧ t(板厚以上)。推奨3t~5t
側壁R(ダイR)≧ 4t~8t

一般的な設計指針:絞り品の底と壁の最小丸みR1はR1>t(板厚以上)、一般的にR1=(3~5)tが推奨。最大Rは8t以下。

4. バーリング加工

穴の周囲に立ち上がり(フランジ)をつける加工。薄板にねじ山を確保するために使用。

  • バーリング高さの目安:下穴径の30~50%
  • ねじ山数の確保:3山以上が必要(設計業界の慣例)
  • 図面指示例:「バーリング加工 M4タップ 有効ねじ山3山以上」

プレス加工品の図面注記テンプレート

  • 材質:SPCC-SD t=1.0
  • バリ方向:曲げ内側とする
  • バリ許容値:板厚の10%以下
  • 指示なき角R:R0.5以上
  • 指示なき曲げ内R:R=t
  • 一般公差:JIS B 0408 B級
  • 表面処理:三価クロメートめっき 膜厚8μm以上
  • 曲げ方向:圧延方向に直角とする(高張力材の場合)

プレス加工の図面でよくある間違い

間違い1:バリ方向の未指示

バリ方向を指示しないと、金型の設計者がバリ方向を任意に決めてしまい、組立時に干渉したり手を切る危険がある。

対策:すべてのプレス加工品にバリ方向を明記。

間違い2:穴と曲げが近すぎる

穴と曲げ線の距離が2t未満だと、曲げ時に穴が変形する。

対策:穴と曲げ線の距離は最低2t。可能なら3t以上確保。

間違い3:絞り比が大きすぎる

1回の絞りでD/d>2.0にしようとすると割れが発生する。

対策:絞り比2.0を超える場合は多段絞りを検討し、図面に工程を明示。

プレス加工品と図面AI

  • バリ方向の自動認識:図面の注記からバリ方向を自動抽出し、組立図との整合性を検証
  • 加工性チェック:穴と曲げの距離、絞り比、最小穴径をAIが自動検証
  • 見積自動化:プレス加工品の形状・板厚・材質から金型費とピース単価を自動算出

renueでは、プレス加工品を含む製造図面のAI読み取り・見積自動化ソリューションを提供しています。

まとめ

  • プレス加工品の図面にはバリ方向・角R・穴最小径・曲げルール・絞り比の指示が必要
  • 打ち抜き穴の最小径は延性材で1.2t、高張力材で2.0t
  • バリ許容値は板厚の10%以下。バリ方向は必ず図面に明記
  • 穴と曲げ線の距離は最低2t。高張力材は圧延方向に直角に曲げる
  • 絞り加工の初回絞り比は2.0以下。底部Rは3t~5tが推奨
  • すべての稜角にR≧0.5tの丸みを設ける

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FAQ

よくある質問

バリ方向の指示が最も重要です。プレス加工では打ち抜き方向によってバリが発生する面が決まるため、機能面や外観面にバリが出ないよう図面で明確に指示する必要があります。バリ方向は組立時の嵌合精度や安全性にも影響するため、省略せずに記載することが基本です。

プレス加工は金型を使った大量生産を前提とするため、金型設計に必要な情報(バリ方向、抜き方向、絞り比、最小穴径など)を図面に盛り込む必要があります。板金加工はレーザーやタレパンを前提とした個別加工のため、加工方法の自由度が高く、図面の制約は比較的少ないです。

一般的に最小穴径は延性材で板厚の1.2倍以上、高張力材で板厚の2.0倍以上が目安です。板厚より小さい穴はパンチの折損リスクが高まります。また穴間のピッチは板厚の2倍以上、穴と端面の距離は板厚の1.5倍以上が目安です。これらの制約は金型の耐久性と加工精度に直結するため、設計段階で必ず確認します。

最小曲げ半径(板厚の1〜2倍が目安)、スプリングバック(曲げ後の戻り)の考慮、曲げ近傍の穴位置(曲げ線から板厚の2.5倍以上離す)が主な注意点です。材質や板厚によってスプリングバック量が異なるため、金型メーカーとの事前すり合わせが実務では不可欠です。

絞り比はブランク径(素材の直径)と絞り後の製品径の比率で、加工の難易度を示す指標です。一般的に初絞りで絞り比2.0〜2.2が限界とされ、それ以上の深絞りは多段工程が必要になります。材質・板厚・潤滑条件によっても限界値は変わるため、金型設計者との協議が重要です。

JIS B 0408(金属プレス加工品の普通公差)に基づいて指定するのが基本です。特に重要な寸法には個別公差を、その他はJIS普通公差を適用します。打ち抜き寸法はダイ側寸法で管理され、曲げ寸法はスプリングバックの影響を受けるため、機能上重要な寸法を優先的に公差管理します。

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