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プレス加工品の図面とは?板金加工との違い
プレス加工品とは、金型(パンチとダイ)で金属板を打ち抜き・曲げ・絞りして成形する部品です。レーザーやタレパンによる「板金加工」と異なり、金型を使った大量生産を前提とした設計が必要です。
板金加工とプレス加工の違い
| 項目 | 板金加工 | プレス加工 |
|---|---|---|
| 切断方法 | レーザー・タレパン | 金型(打ち抜き) |
| 曲げ方法 | プレスブレーキ(汎用金型) | 専用金型 |
| 適合ロット | 少量~中量 | 大量生産 |
| 初期費用 | 低い | 高い(金型費用) |
| ピース単価 | 高い | 安い(大量生産効果) |
| 精度 | ±0.1~0.3mm | ±0.05~0.1mm |
| 図面の注意点 | 穴と曲げの距離、展開図 | バリ方向、コイニング、絞り比 |
プレス加工の4大分類と図面指示
1. 打ち抜き加工(ブランキング・ピアシング)
金属板から所定の形状を切り抜く加工です。
穴の最小径
| 材質 | 最小穴径 | 根拠 |
|---|---|---|
| アルミ・軟鋼(延性材) | ≧ 1.2t(板厚の1.2倍) | 英語文献データ |
| ステンレス・高張力鋼 | ≧ 2.0t(板厚の2.0倍) | 英語文献データ |
バリ方向の図面指示
打ち抜き加工では、パンチ側(上面)がダレ面、ダイ側(下面)がバリ面になります。バリ方向は製品の品質・安全性に直結するため、図面に必ず指示します。
- 「バリ方向:下面」(バリが下に出る)
- 「バリ方向:曲げ内側」(曲げ加工後に手に触れない側)
英語文献データ:バリの許容量は一般的に板厚の10%です。例えば板厚1.0mmなら、バリ高さ0.1mm以下が標準許容値。
中国語文献データ:図面にはバリ方向を標注(毛刺方向を標注)することが必須。バリ方向と冲圧方向(プレス方向)は別概念であることに注意が必要です。
図面での角R指示
中国語文献データ:打ち抜き品のすべての稜角にR≧0.5t(板厚の0.5倍以上)の丸みを設ける。尖角は応力集中による割れと金型摩耗の原因。
2. 曲げ加工(ベンディング)
曲げの設計ルール
| 項目 | 基準 | 備考 |
|---|---|---|
| 穴と曲げ線の距離 | ≧ 2t(板厚の2倍) | 英語文献:2×material thicknessが基準 |
| 最小曲げ内R | ≧ t(板厚以上) | 材質が硬いほど大きなRが必要 |
| 最小フランジ高さ | ≧ 4t | 金型で掴める最低限の高さ |
| 曲げ方向 | 圧延方向に直角が望ましい | 圧延方向に平行に曲げると割れやすい |
英語文献データ:高張力材の曲げでは圧延方向(grain direction)に注意。圧延方向に平行に曲げると割れリスクが大幅に増加。図面には「曲げ方向は圧延方向に直角とする」と注記。
リリーフノッチ(逃げ切欠き)
曲げ部の端部に設ける切欠きで、曲げ時の膨らみ(バルジング)を防止します。
- ノッチ幅:板厚以上
- ノッチ長さ:曲げRの外側まで達する長さ
3. 絞り加工(ディープドローイング)
平板から箱型やカップ型の立体形状を作る加工です。
絞り比の制限
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 初回絞り比(D/d) | ≦ 2.0(ブランク径÷絞り径) |
| 再絞り比 | ≦ 1.3~1.5 |
| 底部R | ≧ t(板厚以上)。推奨3t~5t |
| 側壁R(ダイR) | ≧ 4t~8t |
中国語文献データ:絞り品の底と壁の最小丸みR1はR1>t(板厚以上)、一般的にR1=(3~5)tが推奨。最大Rは8t以下。
4. バーリング加工
穴の周囲に立ち上がり(フランジ)をつける加工。薄板にねじ山を確保するために使用。
- バーリング高さの目安:下穴径の30~50%
- ねじ山数の確保:3山以上が必要(設計業界の慣例)
- 図面指示例:「バーリング加工 M4タップ 有効ねじ山3山以上」
プレス加工品の図面注記テンプレート
- 材質:SPCC-SD t=1.0
- バリ方向:曲げ内側とする
- バリ許容値:板厚の10%以下
- 指示なき角R:R0.5以上
- 指示なき曲げ内R:R=t
- 一般公差:JIS B 0408 B級
- 表面処理:三価クロメートめっき 膜厚8μm以上
- 曲げ方向:圧延方向に直角とする(高張力材の場合)
プレス加工の図面でよくある間違い
間違い1:バリ方向の未指示
バリ方向を指示しないと、金型の設計者がバリ方向を任意に決めてしまい、組立時に干渉したり手を切る危険がある。
対策:すべてのプレス加工品にバリ方向を明記。
間違い2:穴と曲げが近すぎる
穴と曲げ線の距離が2t未満だと、曲げ時に穴が変形する。
対策:穴と曲げ線の距離は最低2t。可能なら3t以上確保。
間違い3:絞り比が大きすぎる
1回の絞りでD/d>2.0にしようとすると割れが発生する。
対策:絞り比2.0を超える場合は多段絞りを検討し、図面に工程を明示。
プレス加工品と図面AI
- バリ方向の自動認識:図面の注記からバリ方向を自動抽出し、組立図との整合性を検証
- 加工性チェック:穴と曲げの距離、絞り比、最小穴径をAIが自動検証
- 見積自動化:プレス加工品の形状・板厚・材質から金型費とピース単価を自動算出
renueでは、プレス加工品を含む製造図面のAI読み取り・見積自動化ソリューションを提供しています。
まとめ
- プレス加工品の図面にはバリ方向・角R・穴最小径・曲げルール・絞り比の指示が必要
- 打ち抜き穴の最小径は延性材で1.2t、高張力材で2.0t
- バリ許容値は板厚の10%以下。バリ方向は必ず図面に明記
- 穴と曲げ線の距離は最低2t。高張力材は圧延方向に直角に曲げる
- 絞り加工の初回絞り比は2.0以下。底部Rは3t~5tが推奨
- すべての稜角にR≧0.5tの丸みを設ける
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