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国家公務員の平均年収714万円を一次データで分解する|人事院給与等実態調査・俸給表・地方公務員給与から見る2026年版

2026/5/12

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国家公務員の平均年収714万円を一次データで分解する|人事院給与等実態調査・俸給表・地方公務員給与から見る2026年版

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株式会社renue

2026/5/12 公開

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国家公務員の平均年収は714万3,000円(2025年人事院勧告後)— 数字を分解する

「公務員の年収」を調べるとき、最初に目にするのは「国家公務員の平均年収は約700万円台」という大まかな数字である。人事院「国家公務員給与等実態調査結果」 および 労働政策研究・研修機構(JILPT)2025年10月号 の人事院勧告解説によると、2025年の人事院勧告で月給が +15,014円(+3.62%)引き上げられ、ボーナスも 4.65カ月分に増額。これにより国家公務員の平均年収は 714万3,000円(一般職・行政職、2025年勧告反映後)となった。これは過去34年で最大の引き上げ幅である。

ただし、「公務員」と一言で言っても、(a) 国家公務員 / 地方公務員、(b) 一般職 / 専門職、(c) 行政職 / 公安職 / 専門技術職、(d) 大都市自治体 / 地方自治体、で年収構造は大きく違う。本記事では、人事院・総務省・各自治体公表データを順番に読み解いて、自分が「いま公務員になる場合 / 公務員から転職する場合」に確認すべき数字を整理する。

引用する一次データはすべて公開されているので、自分で再確認できる:

国家公務員の年収内訳:基本給332,237円 + 手当 + ボーナス4.65か月

国家公務員(行政職一)の月例給は平均414,480円で、内訳は基本給(俸給)332,237円が約8割、各種手当が残りの約2割である(出典:人事院 国家公務員給与等実態調査)。これに年2回のボーナス(期末手当 + 勤勉手当)が4.65か月分加算され、年収714万3,000円という数字に帰結する。

主な手当は人事院「国家公務員の給与制度の概要」に網羅されている。以下の手当額は同概要および 人事院 給与等実態調査 から引用したものである:

  • 地域手当:勤務地によって基本給の3%〜20%(人事院 給与制度概要 より、東京23区の20%が最大)。
  • 俸給の特別調整額(管理職手当):管理職に基本給の10%〜25%(同概要 俸給の特別調整額の項より)。
  • 住居手当:賃貸住居の家賃に応じて月額上限28,000円(人事院 給与等実態調査 手当額一覧より)。
  • 通勤手当:実費支給(公共交通機関・自動車別)。
  • 扶養手当:配偶者・子・父母等で月額数千〜10,000円台(人事院 給与制度概要 扶養手当の項より)。
  • 超過勤務手当(時間外勤務手当):基本給を時給換算して125%〜150%。
  • 夜勤・休日勤務手当:勤務時間帯に応じて加算。

つまり「平均年収714万円」は、勤務地・役職・家族構成・残業時間で個人差が大きく、東京勤務で管理職・扶養家族ありなら900万円台に届くケースもある一方、地方勤務で若手・独身なら500万円台に留まることもある。

2025年人事院勧告のインパクト:34年ぶりの大幅引き上げ

労働政策研究・研修機構(JILPT)「2025年10月号スペシャルトピック」によると、2025年の人事院勧告(2025年8月7日)は、月給 +15,014円(+3.62%)、ボーナス +0.05〜0.10月、合算で年間賃金引き上げ率が約5.1%という、1991年(平成3年)以来、過去34年で最大の引き上げ幅となった。背景は、(i) 民間企業の賃上げペースが急速に進み、官民の給与格差が拡大した、(ii) 国家公務員の若手の離職率が上昇しており、人材確保のため処遇改善が急務、の2点である。

JILPT および 人事院 給与等実態調査 によれば、この引き上げは約280,000人の国家公務員(一般職)に適用される。地方公務員は、各自治体の給与条例で別途定められるが、人事院勧告に準じて連動するのが一般的で、地方も同様の幅で引き上げられる見込み。

The Japan Times の 「Japan's public workers set to get largest pay hike in 34 years」 でも、この引き上げが「政府の人材確保戦略の中核」として位置付けられていると報じられている。

地方公務員の年収:自治体別の差は明確に存在する

地方公務員の年収は自治体別の給与条例で決まり、勤務地(都道府県・市区町村)による差が大きい。総務省の地方公務員給与関連統計と、各自治体の人事委員会勧告から、傾向を整理すると:

  • 東京都・特別区:地域手当の上限が20%乗るため、平均年収は国家公務員相当〜やや上の帯(700万円台〜800万円台)。
  • 政令指定都市:地域手当12%〜16%帯で、平均年収は650万円〜750万円帯。
  • 地方中核都市(県庁所在地):地域手当6%〜10%帯で、平均年収は600万円〜700万円帯。
  • 地方の市町村:地域手当0%〜6%帯で、平均年収は550万円〜650万円帯。

地域手当が地方公務員の年収格差の最大要因であることは、人事院 国家公務員給与等実態調査 および各都道府県人事委員会の年次勧告から確認できる。最新の月額俸給・手当データは e-Stat 国家公務員給与等実態調査の統計表 から各自で再確認できるので、自分が応募・在籍する自治体の地域手当区分と組み合わせて年収目安を出すのが確実。海外メディアの参考解説として 日本公務員収入の中国語解説(2021年集計の二次資料) もあるが、絶対値の根拠は必ず人事院・e-Statの一次資料で確認すること。

地方公務員の正確な給与は、勤務先の人事委員会が毎年公表する「職員の給与に関する報告」で確認できる。例:東京都人事委員会、大阪府人事委員会、各市区人事委員会など。

俸給表別の年収:行政職 / 公安職 / 専門職 / 研究職

国家公務員の給与は、職種ごとに別の俸給表が適用される。人事院「給与制度の概要」 から、主な俸給表と平均年収の傾向を整理:

  • 行政職俸給表(一):本省庁・地方支分部局の事務職。最も適用人数が多い。平均年収714万円帯(前述)。
  • 公安職俸給表:警察庁・刑務官・入国警備官・税関監視官等。基本給が行政職より高く設定され、夜勤手当・特勤手当も乗る。平均年収750万円〜900万円帯。
  • 専門行政職俸給表:航空管制官・特許審査官・植物防疫官等。専門性の高い職種に適用。平均年収700万円〜850万円帯。
  • 研究職俸給表:研究機関に勤務する研究公務員。学位や研究実績で号俸が決まる。平均年収750万円〜1,000万円帯。
  • 医療職俸給表(一)(二)(三):医師(俸給表一)、薬剤師・看護師(俸給表二)、その他医療技術職(俸給表三)。医師は1,000万円超もある。
  • 教育職俸給表:国立大学法人化前の旧制度職員等。現在は新規採用なし。

俸給表別の月額俸給は 人事院 給与関連資料 で公開されており、自分が応募・在籍する俸給表の号俸表を確認すると、年齢・経験年数別の年収カーブが具体的に分かる。

年齢別年収カーブ:1年目350万 → 30歳550万 → 50歳800万

国家公務員(行政職一)の年齢別年収カーブは、e-Stat 国家公務員給与等実態調査 の年齢階層別集計から読み取れる:

  • 22〜25歳(新卒〜入庁3年目):年収350万〜420万円帯。号俸表で2級1〜10号程度。
  • 30歳前後:年収500万〜580万円帯。係長手前のクラス、3級〜4級帯。
  • 35〜40歳:年収600万〜680万円帯。係長・課長補佐クラス、4級〜5級帯。
  • 45〜50歳:年収700万〜850万円帯。課長補佐〜課長クラス、5級〜7級帯。
  • 55歳〜定年:年収800万〜1,000万円帯。本省課長以上で1,000万円超。

注意点として、これは「同一機関に新卒で入庁し勤続したケース」の標準カーブ。中途採用や任期付採用は別の号俸テーブルが適用されるため、自身の状況に応じて人事院の 給与制度概要 を直接参照することを推奨する。

公務員 vs 民間企業:4%プレミアム + 安定性 + 退職金

「公務員の年収は民間より高いか」は議論が尽きないが、人事院が 国家公務員給与等実態調査 と同時に毎年公表している「職種別民間給与実態調査」(人事院勧告の基礎データ、最新は2025年版)の官民比較では、近年の集計で同職種の民間従事者との差は数%程度の範囲にある(参考集計として民間給与統計サイト Average Civil Servant Salary in Japan もあるが、絶対値の検証は人事院の一次資料で行うこと)。ただしこの差は単純比較では測りきれず、(a) 公務員の退職金(25年以上勤続で2,000万円超)、(b) 共済年金の手厚さ、(c) 雇用保証性、(d) 残業手当の確実な支給、を考慮するとトータル報酬の差は広がる方向にある。

逆に公務員側のデメリットとしては、(i) 個人成果による昇給幅が小さい(年功カーブ中心)、(ii) 業界横断スキルの蓄積が難しい、(iii) 副業に大幅な制限がある(国家公務員法第103条等)、(iv) 異動が定期的にあり勤務地・職務内容のコントロールが難しい、が挙げられる。年収の数字以上に、ライフスタイル・キャリア観との整合で評価すべきポジションである。

The Japan Times の 「Government employees in Japan to see higher bonus pay」 でも、近年の人材確保戦略として「賃金の引き上げ」と「働き方改革(残業削減・リモート可など)」がセットで進められていることが整理されている。

退職金と共済年金:トータル報酬で見る公務員の経済価値

人事院「国家公務員の給与制度の概要」(退職手当の項)および国家公務員退職手当法によれば、国家公務員の退職金は勤続年数と退職時の俸給月額で決まる。25年以上勤続して定年退職する場合、平均的な退職手当は 2,000万円超。これに退職後の 共済年金(厚生年金相当)が積み上がる。

長期スパンで見ると、公務員のトータル報酬(給与+ボーナス+退職金+年金)は、同職種の民間正社員と比較して相対的に有利という指摘がある。ただし具体的な生涯報酬比較は、勤続年数・役職昇進ペース・退職金支給率で大きく変わるため、自分のケースでの試算は人事院 給与制度概要 の俸給表と退職手当条例(国家公務員退職手当法、各自治体の退職手当条例)から計算するのが確実。

地方公務員も同様の構造で、自治体の退職手当条例に基づいて支給される。額は国家公務員と同水準〜やや低めで設計されているケースが多い。

公務員になる経路 / 公務員から転職する経路

公務員年収を考える文脈は、大きく2つに分かれる:

(A) 公務員になる経路:国家公務員試験(総合職・一般職・専門職)、地方上級試験、市役所職員試験、警察官・消防官試験など。試験区分と年齢制限で受験可否が決まる。最近は社会人経験者採用枠も拡大しており、30代でも国家公務員に転身する経路が増えている。

(B) 公務員から民間に転職する経路:行政経験を活かして、民間企業の渉外・規制対応・公共事業領域への転身が一般的。コンサルファーム、シンクタンク、業界団体、PE/VCの投資先支援、自治体向けSaaS企業、医療・福祉・教育系の事業会社、なども受け入れ先として増えている。

(B) の場合、年収は職種・転職先により大きく変動する。同じ「公務員からの転職」でも、シンクタンク・コンサルへ移ると年収アップが見込める一方、自治体向けSaaS企業へ移ると年収維持〜微減で働き方が改善、というように選択肢の幅が広い。具体的な年収レンジは 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 の職種別集計から、転職先候補の実数を確認するのが堅い。

キャリアの選択肢を広げる視点

本記事は公務員の年収を一次データで分解することを主題にしてきたが、最後に「公務員資格・行政経験を活かして展開できるキャリア」について、選択肢の1つとして触れておく。

2024〜2026年にかけて、政府・自治体のDX推進、ガバメントAI、デジタル庁の組織拡大、自治体向けSaaS市場の成長など、行政経験者の民間移籍機会が広がっている方向性は デジタル庁公式厚生労働省 賃金構造基本統計調査 関連集計から読み取れる。renue でも自治体・中央省庁向けのAI実装案件で、行政経験者の知見を翻訳する役割が求められる場面がある。具体的な年収レンジや待遇は転職先企業ごとに大きく異なるため、複数社の求人票で比較するのが確実。

もちろん、これは数あるキャリアパスの1つにすぎない。公務員として組織の中で専門性を深める道、民間シンクタンク・コンサルへの転身、業界団体や国際機関への移籍、起業による政策提言、それぞれに独自の価値がある。「年収の上げ方」を考えるときは、この多様な選択肢の中から、自分のライフステージと価値観に合うものを選ぶのが健全な判断軸だと思う。

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renueでは、公務員資格や行政経験を活かして、自治体・中央省庁向けのAI実装領域でキャリアを伸ばしたい方とのカジュアル面談も実施しています。公務員からの転職を相談する場として使っていただいて構いません。

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まとめ

  • 国家公務員(行政職一)の平均年収は714万3,000円(2025年人事院勧告反映後)。月給+15,014円・ボーナス4.65か月の引き上げで過去34年で最大幅。
  • 地方公務員は地域手当で差が出る。東京特別区700万円台〜地方市町村550万円帯。
  • 俸給表(行政職/公安職/専門行政職/研究職/医療職)で年収レンジが大きく違う。
  • 公務員のトータル報酬は民間+4%程度+退職金2,000万円超+共済年金。長期スパンでは相対的に有利という試算が一般的。
  • 公務員からの転職先として、コンサル・シンクタンク・自治体向けSaaS・行政DX領域が増加中。

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FAQ

よくある質問

行政職一の平均で714万3,000円(2025年人事院勧告反映後)。月給+15,014円・ボーナス4.65か月の引き上げで過去34年最大幅です。

基本給(俸給)約8割+各種手当約2割+ボーナス4.65か月分。手当は地域手当(東京20%最大)・管理職手当・住居・通勤・扶養・超過勤務などです。

地方公務員も人事院勧告に準じて連動しますが、地域手当の差が大きく東京特別区で700万円台、地方市町村で550万円帯まで広がります。

同職種で公務員は民間より約4%高い水準。退職金(25年以上勤続で2,000万円超)・共済年金を含めるとトータル報酬では相対的に有利という試算が一般的です。

公安職750-900万円帯、研究職750-1,000万円帯、医療職(医師)は1,000万円超のケースもあります。

行政経験を活かす転職先(コンサル・シンクタンク・自治体向けSaaS・行政DX領域)で年収アップが見込まれる場合があります。

個人成果による昇給幅が小さい・業界横断スキルの蓄積が難しい・副業大幅制限・定期的な異動の4点。ライフスタイル整合で評価すべきです。

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