株式会社renue
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障害者雇用は、障害のある人が仕事に必要な能力を発揮し、働き続けられるよう、募集・選考と職場の環境を整える取組です。法定雇用率への対応、差別禁止・合理的配慮、採用後の支援は、それぞれ対象や手続が異なります。2026年10月26日に確認した厚生労働省・JEEDの公開資料を基に、制度と採用・定着の進め方、AIを使う際の確認点を整理します。
障害者雇用の制度:法定雇用率と合理的配慮の対象を分ける
障害者雇用促進法は、雇用の促進に加え、均等な機会・待遇、能力の発揮や職業の安定を目的としています。身体障害、知的障害、精神障害だけでなく、長期にわたる職業生活上の制限を踏まえる定義があります。一方、雇用率への算定では所定の確認・換算が必要です。支援を受ける対象と、雇用率の算定対象を同じものとして扱いません。
2026年7月以降の法定雇用率
JEEDの制度解説では、民間企業の率は2024年4月から2.5%、2026年7月から2.7%です。対象となる事業主の範囲も、制度上の常用雇用労働者数40.0人以上から37.5人以上へ変わりました。以下は確認日時点の率で、一般的な在籍者数や新規採用者の割合をそのまま当てはめる表ではありません。
| 事業主の区分 | 2026年7月以降の法定雇用率 | 確認先 |
|---|---|---|
| 一般の民間企業 | 2.7% | JEEDの雇用率制度 |
| 国・地方公共団体 | 3.0% | 厚生労働省の公務部門の制度 |
| 都道府県等の教育委員会 | 2.9% | 厚生労働省の公務部門の制度 |
必要な障害者数は、算定の基礎となる労働者数に法定雇用率を乗じ、1人未満を切り捨てて求めます。除外率の適用がなく、換算後の基礎数が100人の民間企業という説明例なら、100×2.7%=2.7から2人分です。障害者側にも勤務時間や障害の程度等による換算があるため、この値と実人数は分けます。算定の表と特例で、自社の条件を確認してください。
雇用義務の人数未満でも合理的配慮は関係する
雇用分野の差別禁止・合理的配慮は2016年4月から施行されています。民間の事業主は規模だけで対象外とせず、募集・採用時と採用後の対応を確認します。公務部門には独自の法体系もあるため、民間企業の手続をそのまま置き換えないようにします。
合理的配慮指針は、本人が直面する支障と意向を踏まえる話合いを重視しています。障害名だけで担当業務や配慮を決めず、何が妨げになり、どの方法なら能力を示しやすいかを確認します。希望する方法が過重な負担になるときも、意向を尊重し、負担にならない範囲の措置を話し合います。小規模だから不要、希望された方法をすべて実施する、という両方の単純化を避けます。
納付金・調整金・助成金は、目的と対象・手続を確認して使う
障害者雇用納付金制度は、事業主間の経済的負担を調整し、雇用を促進・安定させる制度です。法定雇用率の対象範囲と納付金の対象範囲は異なり、未達成の全企業へ同じ納付義務があるわけではありません。納付金を支払うことと、必要な雇用や職場環境を整えることを置き換えないようにします。
| 制度 | 対象・金額の概要 | 注意点 |
|---|---|---|
| 障害者雇用納付金 | 常時雇用する労働者が100人超で法定雇用率未達成の場合、不足1人当たり月額5万円 | 雇用率の算定と申告対象期間を確認する。罰金と混同しない |
| 障害者雇用調整金 | 100人超の事業主の法定雇用障害者数を超える分に月額2万9,000円。支給対象人数が年120人月を超える分は2万3,000円 | 申請が必要。実人数と人月を混同しない |
| 報奨金 | 100人以下で、障害者数の年度合計が各月の労働者数の4%の年度合計と72人月の多い方を超える場合、その超過分に月額2万1,000円。年420人月を超える支給対象分は1万6,000円 | 法定雇用率の超過分に一律支給する制度ではなく、所定の計算と申請が必要 |
雇用率への対応では、雇入れ計画の作成命令・勧告等や、正当な理由なく勧告に従わない場合の公表が定められています。雇用状況の未報告・虚偽報告、命令された計画の未作成・未提出等には30万円以下の罰金が定められており、未達成そのものへの即時の罰金とは区別します。障害者雇用促進法第46・47・86条を参照し、対象となる手続を窓口で確認します。
採用時と職場の支援で助成の目的・窓口が違う
| 制度・支援 | 目的と確認点 |
|---|---|
| 特定求職者雇用開発助成金・特定就職困難者コース | ハローワーク等の紹介による継続雇用を助成。中小企業が短時間労働者以外の「重度障害者等」を雇う区分は3年間で240万円という表がありますが、紹介経路・対象者・企業規模・支給期の賃金額等に条件があります |
| 職場適応援助者助成金 | 訪問型・企業在籍型の職場適応援助者による支援への助成。助成対象者・事業主、認定・申請の時期等を確認する |
| 障害者介助等助成金・作業施設設置等助成金 | 雇用管理上の介助等と、施設・設備の整備は別の制度。支援する措置に合う区分を確認する |
| ジョブコーチ支援事業 | 職場へ出向き本人と職場へ支援する事業。事業主へ金銭を支給する助成金とは区別する |
採用関係の助成金は労働局・ハローワーク、JEEDの助成金は都道府県支部など、制度に合う相談・申請先を確認します。助成金の額を先に採用計画の確定収入にせず、紹介・雇入れ・認定・申請の順番、必要書類、最新の支給要領を調べます。特定就職困難者コースでは、2026年4月以降の申請分の賃金台帳提出についても案内されています。厚生労働省の重要なお知らせを含め、検討時点の条件を確認してください。
採用と定着:職務の設計、本人との対話、支援の引継ぎをつなぐ
採用は、仕事の棚卸しから始めます。業務の目的、必要な技能、作業手順、困ったときに相談する相手を整理し、入社時に必要な条件と育成できる部分を分けます。単純・反復作業へ限定するのではなく、本人の希望・経験・能力と業務を照合します。必要な調整を通じて働く機会や業務手順を見直すことは、組織にとっても改善の入口ですが、生産性や企業イメージが必ず上がるという成果保証にはしません。
募集先はハローワーク、専門の求人・紹介事業者、就労支援機関や学校などから、職務と支援体制に合う接点を選びます。求人票では仕事内容・勤務条件、連絡方法、選考上の配慮を相談する窓口を明確にします。特例子会社を使う場合は、単なる紹介経路とは分けて、雇用率算定の認定と職場の体制を確認します。厚生労働省の特例子会社等の説明も、一定の要件・認定を前提としています。
選考では、仕事に必要な能力をどう確認するかと、試験や面接へ参加する際の障壁を区別します。筆談、文字での連絡、移動の負担や時間への配慮などは、本人と話し合う方法の例です。同じ方法を全員へ当てはめるだけで公平とせず、調整後も何の能力を確認したかが評価者へ伝わるようにします。スキルベース採用の評価基準・実務課題の設計も、職務と根拠を対応付ける参考になります。
入社後の相談を、継続して対応できる体制にする
受入れ時には、担当業務、指示の方法、道具や環境、相談担当と育成の進め方を確認します。面談の頻度は「月1回以上なら十分」という共通基準にせず、本人と職場の状況に応じて設定します。相談後に誰が何を確認・調整し、いつ本人へ戻すかも決めます。研修や役割拡大の機会、職務の変更時の配慮も見直し、相談のための情報を必要以上に共有しない運用にします。
JEEDのジョブコーチ支援は、新規就職だけでなく雇用後も対象とし、本人・事業主双方との相談と同意に基づく計画で支援します。職場の指示や環境を調整し、上司や同僚へ支援方法を伝えて、職場内で支援を続けられるようにする役割です。永続的な常駐や定着率の大幅向上を一律に約束するものとはせず、外部の支援を受ける間から引継ぎを考えます。
多様性の構成だけでなく、応募、選考、入社後の機会と支障を見る考え方は、ダイバーシティ採用の制度・選考の見直しとAI活用で確認できます。採用人数、相談への対応、業務の習得や負担を分けて記録し、本人の意向と職場の状況に沿って見直す運用へつなげます。
AI・データ活用は、支援の補助と採否・配慮の判断を分けて設計する
AIは求人文の下書き、手順書の整理、文字起こし・要約、採用データの集計などを補助する方法として検討できます。ただしAIを入れれば偏見が排除されるとはしません。音声・表情・入力速度などが職務能力と無関係な評価にならないか、必要な情報が欠けた回答を低評価へ置き換えていないかを確認します。出力の原文との照合、訂正、別の方法で確認し直す手順を用意します。
合理的配慮指針は、相談者のプライバシー保護や、相談したことを理由とする不利益な取扱いの禁止も示しています。相談体制と情報の取扱いを踏まえ、障害・健康情報を集めてAIへ送ることを採用分析の標準手順にしません。目的、必要な項目、取扱いの根拠、説明・同意等、閲覧者と保存、送信先を事前に確認します。本人への確認や同意だけで、あらゆる利用の条件が整うとは扱わない設計が必要です。
業務支援を試すための検討例
以下は説明用の設計例で、企業の成功実績や治療・診断の効果ではありません。事務作業の例なら、手順書と練習課題を用意し、AIの要約を原文と照合する工程、迷ったときの相談先を決めます。処理件数だけでなく、手戻り、本人の負担と必要な支援を見て、道具と手順を調整します。AIを使わない方法も含めて、本人が利用しやすいかを確かめます。
製造の例では、現場の安全条件と、在宅で行える記録業務を切り分け、勤務や連絡方法を個別に相談します。小売の例では、検品や商品情報登録の手順を写真・チェック欄で示し、例外時の確認者を決めます。いずれも障害名から適職を決めたり、AIで体調や離職を自動的に判定したりする例ではありません。導入前後の比較では、同じ仕事・期間・条件をそろえ、本人と職場の両方の使いやすさを確認します。
採用分析の相談先と、対象に含めない判断を明確にする
応募から面接・内定・承諾までの媒体別・段階別集計や、終了理由、選考のリードタイムを整理する場合は、renueの採用分析エージェントの機能を確認できます。利用中のATS、項目・権限、集計対象と期間をそろえ、どこで候補者が離脱し、対応に時間がかかるかを調べるための導線です。個別の採否、合理的配慮の法的判断、障害者の体調監視・専門的な定着支援を自動で引き受ける機能とは分けて検討します。

