renue

ARTICLE

売上と利益の違いとは?5つの利益の種類・計算方法・見方をわかりやすく解説【2026年版】

公開日: 2026/4/1

売上と利益の違い

売上(売上高)とは、企業が商品やサービスを販売して得た総収入額です。事業規模の大きさを示す指標ですが、そこからコストを差し引いた残りが利益です。

売上が大きくても、コストがそれ以上にかかっていれば利益は赤字になります。経営の健全性を判断するには、売上だけでなく利益の種類と構造を理解することが不可欠です(弥生)。

損益計算書(PL)に登場する5つの利益

損益計算書(P/L: Profit and Loss Statement)には、上から順に5つの利益が記載されています。

利益の種類計算式何がわかるか
①売上総利益(粗利)売上高 − 売上原価商品・サービスそのものの収益力
②営業利益売上総利益 − 販売費及び一般管理費本業での稼ぐ力
③経常利益営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用本業+財務活動を含む通常の収益力
④税引前当期純利益経常利益 + 特別利益 − 特別損失臨時的な損益を含む利益
⑤当期純利益税引前当期純利益 − 法人税等最終的に企業に残る利益

各利益の詳細解説

①売上総利益(粗利)

売上総利益 = 売上高 − 売上原価

商品やサービスを提供するための直接的なコスト(原材料費、仕入原価、製造原価等)を差し引いた利益です。粗利率(売上総利益 ÷ 売上高)は業種によって大きく異なり、製造業は30〜40%、SaaSは70〜80%が目安です。

②営業利益

営業利益 = 売上総利益 − 販売費及び一般管理費(販管費)

人件費、広告費、家賃、減価償却費などの間接費を差し引いた利益で、企業の本業での稼ぐ力を最も端的に示す指標です。営業利益がマイナスの場合、本業で赤字であることを意味します(URUMO)。

③経常利益

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用

営業外収益は受取利息・配当金・為替差益など、営業外費用は支払利息・為替差損などが含まれます。財務活動の影響を含む「日常的な」経営活動全体の収益力を示します。日本の会計実務では、経常利益を最も重視する傾向があります(OBC)。

④税引前当期純利益

税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 − 特別損失

特別利益は固定資産売却益など、特別損失は災害損失・減損損失などの臨時的な損益です。

⑤当期純利益(最終利益)

当期純利益 = 税引前当期純利益 − 法人税等

全てのコストと税金を差し引いた後に最終的に企業に残る利益です。株主への配当原資となり、ROE(自己資本利益率)の計算にも使われます(セゾンカード)。

利益を見るときのポイント

1. 営業利益と経常利益の比較

営業利益が黒字なのに経常利益が赤字の場合、借入金の利息負担が重い可能性があります。逆に営業利益が赤字でも経常利益が黒字の場合、本業以外の収益(投資収益等)に依存している状態です。

2. 経常利益と当期純利益の比較

両者に大きな差がある場合、特別損益(臨時的な要因)が影響しています。一時的な資産売却益で利益が膨らんでいる場合、翌期以降の再現性がないため注意が必要です。

3. 利益率の推移を追う

利益の絶対額だけでなく、売上高に対する利益率(営業利益率、経常利益率等)の推移を見ることで、収益力が改善しているか悪化しているかを判断できます。

業種別の利益率の目安

業種売上総利益率営業利益率
SaaS70〜85%10〜25%
製造業25〜40%5〜10%
小売業25〜35%2〜5%
コンサルティング50〜70%15〜25%
飲食業60〜70%5〜10%

よくある質問(FAQ)

Q. 営業利益と経常利益のどちらが重要ですか?

分析の目的によります。「本業の稼ぐ力」を見たい場合は営業利益、「財務コストを含む日常的な収益力」を見たい場合は経常利益です。日本企業の分析では経常利益が重視される傾向がありますが、グローバルではEBITDA(営業利益ベース)が主流です(freee)。

Q. 売上が増えても利益が減ることはありますか?

あります。「増収減益」と呼ばれる状態で、売上は伸びているがコスト増加がそれを上回っている場合に発生します。新規事業への先行投資期や、原材料費の高騰時によく見られます。

Q. 利益を増やすにはどうすればよいですか?

利益を増やす方法は大きく3つです。①売上を増やす(顧客数の増加、単価の向上)、②原価を下げる(仕入れコストの最適化、生産性の向上)、③販管費を下げる(業務効率化、固定費の見直し)。AIを活用した業務自動化は②③の両方に効果があります。

まとめ

売上は企業の総収入、利益は収入からコストを差し引いた残りです。損益計算書には5つの利益(売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益)があり、それぞれ異なる切り口で企業の収益力を示しています。経営判断には、利益の絶対額だけでなく利益率の推移と各利益間の関係を読み解くことが重要です。


renueでは、AIを活用した財務データ分析の自動化や経営ダッシュボードの構築を支援しています。財務分析やデータ活用のご相談はお問い合わせください。

参考情報