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住民税を確かめるときは、年収だけでなく「何年の所得に対する、何年度の税か」を確認します。本記事の試算は2026年度、つまり2025年の給与所得に対するモデルです。2026年の給与に対する2027年度住民税には改正があるため、年度を分けて説明します。
住民税の仕組み:課税年度・所得割・均等割を分ける
個人住民税は、都道府県民税と市区町村民税を合わせた地方税です。基本的には、その年の1月1日の住所地で、前年1月から12月までの所得を基に計算します。例えば2026年度は2025年中の所得が基準で、1月2日以降に引っ越しても、原則としてその年度の納付先は変わりません。給与からの徴収時期と、所得が生じた年は一致しない点に注意します。
所得割は総合課税分の標準税率が合計10%
所得割は、所得から所得控除を差し引いた課税所得を基に計算する部分です。総合課税分の標準税率は市区町村民税6%・都道府県民税4%の合計10%、指定都市は8%・2%です。給与収入そのものに10%を掛ける計算ではありません。株式・土地等の分離課税や退職所得は計算が異なり、自治体独自の税率の扱いも確認します。
計算の骨格は「所得割=課税所得×税率-調整控除などの税額控除」です。実際は市区町村と都道府県の分をそれぞれ計算します。武蔵野市の案内では、課税所得の1,000円未満と、それぞれの所得割の100円未満を切り捨てます。合計10%だけで最後まで計算すると、端数処理による差が生じる場合があります。
均等割の標準額と、国税の森林環境税
均等割は、非課税条件に当てはまらない人に定額で課される部分で、標準額は年4,000円です。2024年度からは、別の国税である森林環境税1,000円も併せて徴収されます。したがって、標準額による合計は「住民税の所得割+均等割4,000円+森林環境税1,000円」です。森林環境税まで住民税の均等割と呼ばないようにします。
一律に全自治体で定額部分が5,000円とは限りません。例えば大阪市の2026年3月更新の案内では、市民税・府民税の均等割は4,300円で、別に国税の森林環境税1,000円を徴収します。府の均等割に300円を加算する制度と、国の森林環境税は区別が必要です。税額が違うときは、所得だけでなく自治体の上乗せも確認してください。
根拠:武蔵野市・個人住民税の概要と端数処理、大阪市・税額の計算と均等割の加算。国税の所得税は所得に対する超過累進税率を用いるなど、控除額と税率が住民税とは異なります。
収入から課税所得を求め、控除と年度の違いを確認する
給与所得控除と所得控除は、計算の段階が違う
給与所得者は、まず給与収入から給与所得控除を反映して給与所得を求め、次に基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引きます。2026年度の給与所得控除は最低65万円、上限195万円です。年収660万円未満では4,000円単位の計算等があるため、単純な概算率ではなく対象年度の給与所得計算表を使います。
2026年度住民税の基礎控除は、合計所得金額2,400万円以下で43万円、2,400万円超2,450万円以下で29万円、2,450万円超2,500万円以下で15万円、2,500万円超で0円です。所得税の基礎控除額をそのまま転記できません。国税庁の表も、2025年分と2026年分以後で金額や適用条件を分けています。
- 社会保険料控除は、対象となる本人や生計を一にする親族の保険料について、その年に支払った額などを確認します。後の試算で使う「年収の15%」は法定の一律料率ではありません。
- 配偶者控除は本人・配偶者の所得等の条件があり、一般の控除額は最大33万円、老人控除対象配偶者は最大38万円です。扶養控除は一般33万円、19歳以上23歳未満の特定扶養親族は45万円など、年齢・所得等で区分します。
- 生命保険料控除は新旧契約等で計算が異なり、住民税の合計適用限度額は7万円です。医療費控除は対象医療費から補填金等と10万円を引く計算が基本で、総所得金額等200万円未満では10万円に代えてその5%を用い、控除上限は200万円です。
- 地震保険料控除や小規模企業共済等掛金控除も対象条件を確認します。iDeCoの掛金は国民年金基金連合会の公式説明で全額所得控除の対象とされていますが、支出額そのものが同額返金される制度ではありません。
2027・2028年度の変更を2026年度モデルと混ぜない
2026年の給与は2027年度住民税に反映されます。武蔵野市の2026年10月15日掲載の案内では、給与収入220万円以下について、2027・2028年度の給与所得控除は最低保障額74万円となります。扶養親族等の所得要件にも変更があります。一方、住民税の基礎控除は所得税と同じ引上げではありません。「所得税の非課税の目安」と「住民税の非課税の目安」も同じ数字にはできません。
控除額の根拠は武蔵野市の所得控除一覧と2026年度の人的控除差の表、年度改正は2027年度住民税の変更点を参照してください。所得税は国税庁の年分別の基礎控除表を別に確認します。住宅ローン控除などの税額控除は、ここまでで求めた所得割から適用条件と限度額に応じて差し引きます。
年収別シミュレーションと、ふるさと納税の計算例
次は2026年度の説明用モデルで、2025年の給与収入のみ、独身・扶養なし、社会保険料を給与収入の15%と仮定します。基礎控除43万円、人的控除差5万円による調整控除2,500円、所得割は6%・4%、均等割4,000円、国税の森林環境税1,000円を使い、他の控除や自治体の上乗せは含めません。実際の社会保険料、家族構成、所得、各控除で税額は変わります。
| 給与収入 | 給与所得 | 課税所得 | 住民税の年額 | 森林環境税との合計 | 合計の概数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 132万円 | 59万円 | 60,500円 | 61,500円 | 約6万円 |
| 300万円 | 202万円 | 114万円 | 115,500円 | 116,500円 | 約12万円 |
| 400万円 | 276万円 | 173万円 | 174,500円 | 175,500円 | 約18万円 |
| 500万円 | 356万円 | 238万円 | 239,500円 | 240,500円 | 約24万円 |
| 600万円 | 436万円 | 303万円 | 304,500円 | 305,500円 | 約31万円 |
| 700万円 | 520万円 | 372万円 | 373,500円 | 374,500円 | 約37万円 |
| 1,000万円 | 805万円 | 612万円 | 613,500円 | 614,500円 | 約61万円 |
年収500万円なら、給与所得356万円-仮定の社会保険料75万円-基礎控除43万円=課税所得238万円です。市民税の所得割は238万円×6%-1,500円=141,300円、都民税の所得割は238万円×4%-1,000円=94,200円。合計235,500円に均等割4,000円と森林環境税1,000円を加えると240,500円です。これを12で割ると月平均約2万円ですが、実際の各月の徴収額は通知書で確認します。
表の概数は万円単位に四捨五入しています。例えば年収600万円の合計は305,500円で、「約31万円」を12で割った額と、元の305,500円を12で割った額は一致しません。概数から納付額を逆算しないことが大切です。調整控除の根拠は武蔵野市の計算方法です。
ふるさと納税は、寄附額と控除額を区別する
ふるさと納税は、上限の範囲内で寄附額から2,000円を引いた部分が所得税と翌年度住民税から控除される制度です。寄附という支出があり、税金だけが無条件に減る制度ではありません。住民税の特例控除には、調整控除後の所得割の20%という上限があります。
同じ2025年所得の年収500万円モデルなら、235,500円×20%÷79.79%+2,000円≒61,030円が寄附額の上限の概算です。約6.1万円は控除額そのものではなく、2026年の寄附にそのまま使える上限でもありません。寄附した年の所得・控除・制度に基づき再計算します。特例控除の割合と上限と国税庁の控除・申告の説明を確認してください。
ワンストップ特例は、確定申告が不要な人で寄附先5団体以内などの条件があり、所得税相当分も住民税から控除されます。医療費控除などで確定申告をする場合は特例が無効になるため、ワンストップ申請済み分も含めて申告します。手順はふるさと納税のやり方、申告の準備は初めての確定申告の手順も参照してください。
通知書・納付方法・非課税条件を確認する
給与天引きは6月から翌年5月まで
給与からの特別徴収は、通常、前年所得を基に計算された税額を6月から翌年5月に徴収する方法です。2026年度なら2026年6月から2027年5月が対象となります。前年に課税対象の所得がない新入社員は通常2年目から始まりますが、入社前にアルバイトなどの所得があれば、1年目にも課税される場合があります。
通知書の発送日は自治体や徴収方法で異なります。例えば新宿区の2026年度の案内では、特別徴収の税額通知は5月15日に給与支払者宛て、普通徴収等の通知は6月10日に発送するとされています。全国共通の到着日ではありません。給与明細の控除欄と通知書を照合する際は、給与明細の見方と手取り額の計算も参考にしてください。
普通徴収は本人が通知書・納付書等に従って納める方法です。新宿区の普通徴収は6月・8月・10月・翌年1月末が基本ですが、休日に当たる場合や自治体の違いは通知を確認します。同区は口座振替やスマートフォン決済等も案内しています。退職後も前年所得に対する税が残ることがあり、残額の一括徴収、普通徴収、新勤務先での特別徴収継続などを、退職時期・給与額・手続きに応じて確認します。
「非課税」は個人・世帯・税目ごとに確かめる
新宿区の案内では、扶養のない単身者は前年の合計所得金額45万円以下などの条件で所得割・均等割ともに非課税です。2026年度に給与収入のみなら、給与所得控除65万円を使うため年収110万円以下がその例になります。扶養人数や本人の状況、自治体で条件は変わり、所得割だけが非課税になる場合もあります。
2027・2028年度は、給与所得控除の改正を受け、台東区は給与収入のみの場合の非課税の目安を119万円以下と案内しています。これは同区の案内であり、全国一律の基準として扱わず、森林環境税を含む自分の自治体の条件を確認します。個人が非課税であることと、世帯全体が非課税であることも区別してください。保険料軽減や給付等は、それぞれの制度の対象条件を別に確認します。
根拠:新宿区の非課税条件、納付の案内、2026年度通知書の発送案内、徴収方法を変更する異動届の記載例、台東区の2027年度改正案内。
個別の概算は自治体が案内する住民税試算も利用できます。ただし対象年度・対応所得・入力条件を確認し、結果は確定税額として扱いません。新宿区は2026年度システムで申告書作成機能を利用できない旨も案内しています。試算を行うことと、税の申告・納付を完了することは別の手続きです。
