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境界型防御とは?ゼロトラストとの違い・限界・移行のポイントをわかりやすく解説【2026年版】

公開日: 2026/4/1

境界型防御とは?

境界型防御とは、社内ネットワーク(内部)と外部ネットワーク(インターネット)の間にファイアウォールやVPNなどの「境界」を設置し、外部からの侵入を防ぐセキュリティモデルです。「内部は安全、外部は危険」という考え方に基づいています。

2026年現在、クラウド移行、リモートワーク、SaaS利用の拡大により「内部と外部の境界」が曖昧になっています。境界型防御だけでは対応しきれない脅威が増加し、ゼロトラストセキュリティへの移行が加速しています(インテック)。

境界型防御の仕組み

基本コンセプト

「Trust but Verify(信用する、しかし検証する)」

  • 社内ネットワークに接続された端末は信頼済みとして自由にアクセスを許可
  • 外部からのアクセスはファイアウォールで遮断・制御
  • リモートアクセスはVPNで社内ネットワークに接続

主な構成要素

要素役割
ファイアウォール外部からの不正アクセスを遮断
VPNリモートユーザーを社内ネットワークに安全に接続
IDS/IPS侵入の検知・防止
DMZ外部公開サーバーを配置する緩衝地帯
プロキシサーバーWeb通信のフィルタリング・監視

境界型防御の限界

1. 侵入後の防御がない

一度境界を突破されると、社内ネットワーク内は自由にアクセス可能です。ランサムウェアが社内に侵入するとラテラルムーブメント(横展開)で被害が拡大します。

2. クラウド利用に対応しにくい

SaaSやIaaSが普及し、データが社内ネットワークの外にある状態が常態化。境界型防御では保護範囲から外れます。

3. リモートワークへの対応

社外から社内ネットワークにVPN接続する構成はVPN機器の脆弱性が攻撃対象となり、実際にVPNを経由した侵入事例が急増しています。

4. 内部不正に弱い

社内ネットワーク内のアクセスを信頼するため、内部犯行や内部感染への対応が不十分です(サイバネット)。

ゼロトラストとの違い

項目境界型防御ゼロトラスト
基本思想内部は信頼、外部は不信全てを不信(Never Trust, Always Verify)
認証ネットワーク接続時に1回アクセスの都度、継続的に検証
アクセス制御ネットワーク単位(接続すれば自由)リソース単位(最小権限の原則)
クラウド対応困難(境界の外にある)ネイティブに対応
リモートワークVPN依存(ボトルネック化)場所を問わず同一ポリシーで制御
内部不正対策弱い内部もアクセスごとに検証

境界型防御からゼロトラストへの移行ステップ

  1. 現状のセキュリティ環境を可視化:どのシステムが境界型で保護されているかを棚卸し
  2. ID管理の統合(IdP導入):全ユーザー・全デバイスのID管理を一元化し、多要素認証を導入
  3. 最小権限の原則を適用:業務に必要な最低限のアクセス権のみを付与
  4. エンドポイントセキュリティの強化:EDRの導入で端末レベルの脅威を検知・対応
  5. 段階的にVPNをSASE/SSEに置換:クラウドベースのセキュリティサービスに移行

完全なゼロトラストへの移行には時間がかかるため、境界型防御を維持しつつ段階的にゼロトラスト要素を追加するハイブリッドアプローチが現実的です(Japan IT Week)。

よくある質問(FAQ)

Q. 境界型防御は完全にやめるべきですか?

すぐに全廃する必要はありません。ゼロトラストへの完全移行には数年かかるのが一般的です。境界型防御を基盤として維持しつつ、ID管理・エンドポイント保護・クラウドセキュリティをゼロトラストの考え方で段階的に強化していくのが推奨されます。

Q. 中小企業でもゼロトラストは導入できますか?

はい。Microsoft 365のConditional Access(条件付きアクセス)やGoogle Workspaceのセキュリティ設定など、既存のクラウドサービスの機能を活用することで、中小企業でもゼロトラストの基本要素を導入できます(NRIセキュア)。

まとめ

境界型防御は「内部は安全」を前提としたセキュリティモデルですが、クラウド化・リモートワーク・内部不正の増加により限界が指摘されています。ゼロトラストは「全てを検証」する新しいモデルであり、2026年は境界型防御からゼロトラストへの段階的移行が主流です。


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