株式会社renue
内製化支援
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renueが社内で運用しているシステムをサービス化したものです。何ができるか、どう動くかをサービスページでご覧ください。
境界型防御は、社内外などのネットワークの境目で通信を制御する考え方です。ゼロトラストは、接続した場所だけで信頼を与えず、誰が、どの端末やサービスから、何へアクセスするのかを確認する設計の考え方です。両者を製品の新旧やVPNの有無だけで分けると、現在必要な対策を早く外したり、導入済み製品の名前だけで安全と判断したりするおそれがあります。本稿は2026年10月28日に確認した公式公開資料から、違いと移行時の確認点を整理します。
境界型防御とゼロトラストは、信頼と制御の置き方を比べる
境界型防御では、ファイアウォールなどを使い、異なるネットワーク間で通してよい通信を制御します。社外から社内へ入る経路に加え、公開システムや内部の区画の間にも制御点を置けます。実際の構成によっては、アプリケーションごとの認証や権限、端末保護も組み合わされています。「社内に接続すれば必ず全システムを自由に使える」「内部の対策は存在しない」と一律にはいえません。
問題は、境界を通過したことや社内の端末であることだけで、その先の操作まで広く許してしまう設計です。認証情報が盗まれた場合や、正規の利用者が必要以上の権限を持つ場合には、入口の制御だけでは扱いきれないリスクが残ります。クラウドの利用でも、所在が社外というだけで保護できないとは決めず、各サービスの認証・権限と実際の接続経路を調べます。
英国NCSCの設計原則は、ネットワークへの暗黙の信頼を除き、アクセスポリシーに基づいて要求を確認するアプローチを説明しています。利用者だけでなく、端末やソフトウェアとして動くサービスの識別、状態の把握、ポリシーと監視を対応させます。これは英国の技術ガイダンスを参照した説明で、日本の法令や全企業の認証要件を一律に定めるものではありません。
| 比較する観点 | 境界を中心にした制御で確認すること | ゼロトラストの観点で追加して確認すること |
|---|---|---|
| 接続と信頼 | どの境界で、どの通信を通しているか | 接続場所だけで権限を与えていないか |
| 利用者と対象 | ネットワーク接続後にどこまで到達できるか | 利用者・端末・サービスごとに必要な資源と操作を限定しているか |
| 状態の変化 | 認証後の権限変更や端末状態をどう扱うか | 変化を判断へ反映し、アクセスの継続や停止を制御できるか |
| 証拠 | 境界機器やアプリの記録が何を示すか | 判断理由と実際のアクセス結果を追えるか |
表は自社構成を調べるための本稿の整理です。片方を導入すれば他方の役割が消えるという比較ではありません。現在の制御と不足する制御を具体的な業務へ対応させ、重複と抜けを確認します。
認証と認可、継続的な評価と利用者の再操作を分ける
認証は、要求している利用者やサービスが誰かを確認することです。認可は、その主体が対象のデータやサービスへ、どの操作をしてよいかを決めることです。ログインに成功しても、すべてのデータの閲覧・変更・出力を許す理由にはなりません。一般利用と管理操作、本人のデータと他部門のデータ、閲覧と削除などを区分して、業務上必要な範囲へ権限を対応させます。
NCSCの認証・認可の説明では、利用者の識別や状態、端末の健全性、場所など複数の情報を考慮します。また、強い認証を行うことと、常に利用者へ追加操作を求めることを分け、リスクに応じた追加認証やSSOによる操作負担の軽減も説明しています。継続的な確認を、画面を押すたびにパスワードや認証コードを入力する仕組みと理解しないようにします。
ポリシーによる認可の説明は、判断を行う仕組みと、接続を許可・拒否する仕組みを区別しています。状態が変われば再認証や接続終了が必要となることもありますが、具体的な反映方法は製品・構成によって異なります。管理画面に設定を保存できたことと、対象アプリの接続や既存セッションへ意図どおり反映されたことは分けて検証します。
| 対象 | 確認する例 |
|---|---|
| 従業員・委託先 | 所属や契約期間、担当業務、変更・退職時の権限更新 |
| 端末 | 管理状態と必要な保護、状態情報の更新や取得不能時の扱い |
| サービス間の処理 | 実行主体、接続相手、使える資源・操作と権限を失効させる手順 |
| 重要な管理操作 | 実行権限と変更承認、操作記録、失敗時の確認・復旧 |
人のログインだけを整えても、定期処理やシステム間の接続が共通の過大な権限で動いていれば、別のリスクが残ります。自動処理の実行者を識別し、どの業務に必要な接続かを残しましょう。利用者・端末の状態を収集するときも、必要な項目、保存・閲覧の範囲と担当を決めます。
ポリシーを変更できる管理者と、その変更を記録・確認する役割も対象です。NCSCは判断の中核となる仕組みや設定の保護、ポリシーの監査・レビューを説明しています。制御される側だけでなく、制御を変える経路にも注意を向けることが大切です。全製品で同じ信号や制御を使える前提にせず、対応する版・機能・契約条件を確認してください。
移行では既存対策を残し、対象業務と拒否・許可の結果を検証する
NCSCのゼロトラスト解説は、単一の製品や一度の導入で完成するものではなく、既存対策が管理していたリスクを次の対策でも扱う必要があると説明しています。VPNをなくすこと自体も移行の目的ではありません。現在のVPNが提供している制御と依存する業務を調べ、必要な保護を置き換える前に廃止しないようにします。
本稿では、まず重要なデータと業務、その利用者・端末・サービス、接続経路、現在の権限を一覧にする進め方を提案します。古いアプリ、管理用の接続、外部委託先の保守、夜間の定期処理も含めます。新しいID基盤へ対応できるか、既存の権限や通信がどう変わるかを確かめると、製品を買った後で移行できない業務が見つかるリスクを減らせます。
検証では、正常に接続できる条件と拒否すべき条件を対にします。例えば、担当者が許可された端末から必要な資料を読む条件と、権限のない部門の資料を開こうとする条件です。異動後の権限、端末状態の変化、状態情報が届かない場面、ID基盤やネットワークの障害も、自社の影響に応じて対象へ加えます。実機で未確認の条件は、設定が存在するだけで動作確認済みと扱いません。
| 切替前にそろえるもの | 判断に使う記録 |
|---|---|
| 対象と影響 | 業務・資源・利用者、接続の依存関係、残す対策と例外 |
| 試行 | 許可・拒否の期待結果と実結果、誤った拒否や過剰許可、未確認項目 |
| 切替 | 変更担当と承認者、対象設定、切り戻し条件と連絡経路 |
| 引継ぎ | 運用担当、監視・問い合わせ・復旧の対応範囲と確認日 |
新しいポリシーの影響を観測する段階でも、既存の防御を維持し、記録を確認する担当を置きます。正常な業務を誤って止めた場合の対応を準備し、障害時の例外アクセスは必要な対象・権限・期間と承認、使用記録を管理します。無制限に通す恒久的な抜け道を、運用の代わりに残さないことが重要です。
接続製品の役割を整理する際は、SASE・SSE・SD-WANとゼロトラストの関係も参照できます。接続の統合、回線の制御、アクセス設計を区分し、名称だけで保護範囲や移行完了を判断しないための補足です。移行期間は、業務の依存と検証結果から決め、全企業共通の年数や固定の導入順で確定しません。
監視・権限の更新・復旧と費用を、運用の担当へ引き継ぐ
ゼロトラストの導入後も、利用者、端末、アプリ、接続先と業務は変わります。NCSCの設計原則は、利用者・端末・サービスに監視の焦点を合わせ、設定したポリシーとの関係を確かめることを説明しています。アラートの数だけでなく、どの要求が、どの情報に基づいて許可・拒否され、実際に何が起きたかを確認できる記録が必要です。
運用では、記録の対象、時刻、利用者や実行主体、端末・接続先の識別を対応させます。ログが届かないことを、攻撃も障害もない証拠にしません。取得の遅延や欠落と、確認済みの正常を分けます。拒否件数が減っても、必要な制御が無効になった結果では改善と評価できないため、過剰な許可、正常業務の誤拒否、対応未完了も合わせて確認します。
異動・退職、委託契約の終了、端末の紛失、システムの廃止などに対する権限の更新も運用に含めます。変更の申請、承認、設定、アクセス結果の確認を分け、実行したつもりで古い権限が残っていないかを確かめます。既存セッションの終了やサービス間の接続への反映条件は製品ごとに調べ、共通の即時失効を保証しないようにします。
インシデントや障害が起きた場合は、誰がアクセスを制限し、業務停止と復旧を判断するかを決めておきます。必要な履歴の保全、代替業務、復旧後の権限や接続の確認までを対象にします。防止・検知・対応・復旧を一つの製品やAI分析へ任せきりにせず、担当と連絡先、対応時間、専門家や提供元へ引き継ぐ条件を残しましょう。
費用の見積りでは、製品のライセンスだけでなく、既存構成の調査、ID・端末・アプリの連携、検証、移行中の併用、ログ保管、監視、教育、保守と更新を含めます。比較するときは、対象業務と対応範囲、期間、追加契約の有無をそろえます。認証方式の変更だけで必ず運用費が減る、AIなら監視要員が不要になるといった効果は、実測なしに補いません。
認証・権限、外部との接点、古いシステムと停止・復旧の見直しは、renueのAIセキュリティ支援へ相談できます。公開案内では、対象とテスト環境を事前に合意した診断、改善点の報告を扱い、改修・刷新、移行と運用の整備は別途範囲を合意して進めます。特定製品の全設定代行や全システムへの接続、認証取得・法令適合、侵害の完全防止を保証する説明へ広げません。
相談時には、守るデータ、既存の経路と権限、困っている事象、変更できる環境、現在の運用担当を整理します。確認済みの範囲と未確認の条件を残し、切替後の確認や引継ぎまで合意します。製品の導入完了と、業務で対策を維持できることを分けて確かめる進め方です。

