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みなし残業(固定残業代)とは?意味・計算方法・違法ケースを解説【2026年版】

2026/9/16 (更新: 2026/10/11)

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みなし残業(固定残業代)とは?意味・計算方法・違法ケースを解説について、基礎知識から実務で押さえたいポイントまで分かりやすく解説します。

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みなし残業(固定残業代)とは?意味・計算方法・違法ケースを解説【2026年版】

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2026/9/16 公開2026/10/11 更新

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はじめに:みなし残業は「あらかじめ残業代を含む」給与体系

「みなし残業って何?」「残業しなくても払われる?」「超えた分はどうなる?」——みなし残業(固定残業代制)は、毎月の給与にあらかじめ一定時間分の残業代を含めて支給する制度です。

求人票でよく見る「月給30万円(固定残業代40時間分含む)」がこれにあたります。正しく運用されれば合法ですが、運用を誤ると違法になるケースもあります。本記事では、みなし残業の仕組みから計算方法、メリット・デメリット、違法になるケースまで解説します。

第1章:みなし残業の基本

みなし残業(固定残業代)とは

みなし残業は、毎月一定額の残業代を固定で支給する賃金の仕組みで、「固定残業代制」「定額残業代制」とも呼ばれます。実際の労働時間を記録して割増賃金を計算する必要があり、固定額が法定の割増賃金額に不足すれば差額の支払いが必要です。

例:「月給30万円(うち固定残業代5万円・月30時間分相当を含む)」という仮の給与表示なら、基本給25万円+固定残業代5万円=月給30万円です。これは金額の内訳を示す例で、月平均所定労働時間などが不明なため、5万円が30時間分の法定割増賃金を満たす計算例ではありません。残業が30時間以下でも約定の5万円は支給され、実際の法定割増賃金が5万円を上回れば差額も必要です。第3章の160時間という前提では、30時間分は58,594円となります。

みなし残業の法的根拠

固定残業代については、労働基準法37条の割増賃金を支払ったといえるかが問題になります。通常の賃金と割増賃金部分を判別でき、固定額が法定の割増賃金額を下回る場合には差額を支払う必要があります。賃金の性質は、契約書の記載、会社の説明、実際の勤務状況などを踏まえて判断します。一方、職業安定法5条の3に基づく求人時の労働条件明示では、固定残業代を除く基本給、時間数・金額等の計算方法、超過した時間外・休日・深夜労働への追加支払を明示する必要があります(厚生労働省の固定残業代Q&A)。

第2章:固定残業代で確認する3項目

①基本給と固定残業代が明確に区分されている

以下の3項目には、求人時の明示義務と割増賃金の支払条件が含まれます。3項目だけで制度の有効性を一律に判断するものではありません。「月給30万円(固定残業代含む)」だけでは内訳が分かりません。「基本給25万円+固定残業代5万円(30時間分)」のように、固定残業代を除いた基本給と固定残業代を区分し、計算方法も示します。表示した固定額が法定計算を満たすかは別途確認します。

②固定残業代に相当する時間数が明示されている

求人時には「30時間分」「40時間分」などの時間数、金額等の計算方法を明示します。何時間分かを表示しただけで割増賃金の支払義務を満たすわけではなく、契約内容と実際の労働時間から支払額を確認する必要があります。

③超過分の残業代が別途支払われる

固定残業代の対象とされた時間外・休日・深夜労働について、実際の法定割増賃金額が固定額を上回った場合は、差額を別途支払う義務があります。設定時間を超えた場合に加え、設定時間内でも基礎賃金や割増率の計算によって不足が生じることがあります。支払期日に必要な差額を支払わない運用は違法です。

第3章:みなし残業の計算方法

固定残業代の計算式

固定残業代は、基礎賃金・時間区分別の法定割増率・固定時間に基づき計算

例:基本給25万円、1年間における月平均所定労働時間160時間、固定残業30時間の場合。他に割増賃金の基礎に算入する手当はなく、30時間は全て月60時間以内の通常の法定時間外労働で、法定休日労働・深夜労働を含まないとします。1時間あたり基礎賃金 = 250,000 ÷ 160 = 1,562.5円。固定残業代 = 1,562.5 × 1.25 × 30 = 58,593.75円、月額合計の1円未満を四捨五入すると58,594円です。この前提で固定額が5万円なら、実際に30時間残業した月には8,594円の差額が必要です。基礎賃金には算入対象の手当も含め、時間区分ごとの割増率で計算します(厚生労働省の割増賃金の計算解説)。

超過分の計算

上の160時間の前提で、30時間分の固定残業代58,594円を支給済みで、実際に40時間の通常の法定時間外労働をした場合、超過10時間分 = 1,562.5 × 1.25 × 10 = 19,531.25円、円単位では19,531円を追加します。40時間分の法定額78,125円から支給済みの58,594円を差し引いた額とも一致します。一方、固定額が5万円なら、必要な追加額は78,125円 − 50,000円 = 28,125円です。

第4章:みなし残業のメリット・デメリット

企業のメリット

  • 人件費の予測が容易:毎月の残業代が固定のため、人件費の変動が小さくなる
  • 求人の見栄え:固定残業代を含めた総額が高く見えるため、求人での訴求力が上がる
  • 事務効率化:毎月の残業時間計算の手間がある程度軽減される(ただし超過分の計算は必要)

従業員のメリット

  • 残業が少なくても固定額が保証:実際の残業が固定時間以下でも、固定残業代は全額支給
  • 効率的に働くインセンティブ:残業時間を減らしても収入が変わらないため、効率的に仕事を終わらせる動機になる

デメリット・リスク

  • 「残業が当たり前」の文化を助長:「固定残業代を払っているのだから、その分は残業するべき」というプレッシャー
  • 実質的な基本給の低さ:「月給30万円(固定残業代5万円含む)」は実質基本給25万円。他社の「月給28万円(固定残業代なし)」の方が基本給は高い
  • 超過分の未払いリスク:実際の法定割増賃金が固定額を上回っても差額を支払わない運用は違法。設定時間内の不足も確認する

第5章:みなし残業が違法になるケース

  • 基本給と固定残業代が区分されていない:「月給30万円(残業代込み)」だけの表記はNG
  • 固定残業時間を超えた分の残業代が支払われない:法定割増賃金に対する不足額の未払いは労基法違反。設定時間内でも不足額の追加支払が必要
  • 固定残業時間が過大:過大な設定は無効と判断される可能性(判断は個別事情によるため専門家に確認)
  • 最低賃金を下回る:基本給と最低賃金に算入する通常の手当を合計し、月給なら1年間における月平均所定労働時間で割って、適用される最低賃金と比較する。固定残業代などの時間外・休日・深夜の賃金、通勤手当、家族手当、精皆勤手当、賞与・臨時の賃金などは除く。最低賃金と比較する賃金額は基本給だけとは限らない(厚生労働省の対象賃金解説)

renueでは、AIを活用した勤怠管理・残業代計算の自動化を支援しています。固定残業代の適正管理、超過残業のアラート機能を含む労務DXを伴走サポートします。

第6章:求人票でのみなし残業の見方

チェックポイント

  • 基本給と固定残業代の金額が明記されているか
  • 固定残業の時間数が明記されているか
  • 「超過分は別途支給」の記載があるか
  • 基本給と最低賃金に算入する手当の合計を時給換算して、適用される最低賃金以上か
  • 固定残業時間と、36協定に基づく実際の法定時間外労働の上限は分けて確認。固定額の設定は、その時間の残業を認める手続きではない

よくある質問(FAQ)

Q1: みなし残業=ブラック企業?

制度自体はブラックではありません。法定割増賃金に対する不足額の未払いは違法です。一方、「基本給が極端に低い」「固定残業時間が過大」という事情だけで一律に違法と決まるわけではありません。最低賃金との比較や契約内容、実際の勤務状況などを確認し、個別に判断します。

Q2: 残業しなくても固定残業代はもらえる?

はい。実際の残業がゼロでも、固定残業代は全額支給されます。

Q3: 固定残業時間を超えたら残業代は出る?

はい。実際の法定割増賃金額が固定額を上回れば、差額の追加支払が必要です。設定時間を超えた場合に加え、設定時間内でも不足することがあります。支払われていない場合は勤務先に確認し、改善されなければ労働基準監督署に相談してください。

Q4: みなし残業と裁量労働制の違いは?

みなし残業は「固定残業代」の仕組み。裁量労働制は「実際の労働時間にかかわらず一定時間働いたとみなす」制度。対象職種や適用条件が異なります。

Q5: みなし残業の相場は何時間?

原稿の「20〜45時間が一般的」という幅は、原調査・対象企業・集計時点を確認できていないため、相場として断定できません。固定残業代の設定時間は賃金の計算上の条件です。36協定で規制されるのは実際の法定時間外労働で、原則月45時間・年360時間以内です。1年単位の変形労働時間制には別の限度時間があり、特別条項等の適用条件も別途確認します。固定時間が45時間を超えるというだけで、36協定違反が確定するわけではありません。

Q6: みなし残業制度をやめることはできる?

従業員の同意を得た上で、就業規則の変更手続きを行えば廃止可能です。ただし、固定残業代の廃止は実質的な賃金引き下げになるため、慎重な対応が必要です。

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FAQ

よくある質問

制度自体はブラックではありません。適正に運用されていれば合法な賃金体系です。実際の法定割増賃金に対する不足額を支払わない運用は違法です。一方、基本給の低さや固定残業時間の過大さだけで全て違法になると一律には判断できません。最低賃金との比較、契約内容、会社の説明、実際の勤務状況などを確認します。透明な運用と適切な水準設定が鍵です。

はい。実際の残業がゼロでも、固定残業代は全額支給されるのが原則です。固定残業代は「あらかじめ一定時間の残業代を含めて支払う」仕組みで、実残業時間に関わらず満額支給されます。これは労働者にとってのメリットで、繁忙期と閑散期がある業務でも安定した収入が保証されます。雇用契約書の確認が大切です。

はい。実際の法定割増賃金額が固定残業代を上回れば、差額の追加支払が必要です。固定残業代の対象とする時間外・休日・深夜労働の範囲を確認し、実際の労働時間と割増率で計算します。設定時間を超えた場合に加え、設定時間内でも金額が不足することがあります。未払いがあればまず勤務先に確認し、改善されなければ労働基準監督署に相談してください。

みなし残業は「固定残業代」の仕組みで、実残業時間に応じて計算する従来の賃金制度の派生形です。裁量労働制は「実際の労働時間にかかわらず一定時間働いたとみなす」制度で、対象職種(専門業務型・企画業務型)や適用条件が法令で厳格に定められています。両者は法的位置づけが大きく異なる別制度です。

原稿の「20〜45時間が一般的」という幅は、原調査・対象企業・集計時点を確認できていないため、相場として断定できません。固定残業代の設定時間は賃金の計算上の条件です。36協定で規制されるのは実際の法定時間外労働で、原則月45時間・年360時間以内です。1年単位の変形労働時間制には別の限度時間があり、特別条項等の適用条件も別途確認します。固定時間が45時間を超えるというだけで、36協定違反が確定するわけではありません。 長時間の固定残業時間設定は実態と乖離しやすく、長時間労働の温床となる可能性があるため、適正水準での運用が労働者保護と企業リスク管理の双方の観点から重要です。

従業員の同意を得た上で、就業規則の変更手続きを行えば廃止可能です。ただし、固定残業代の廃止は実質的な賃金引き下げとなるため、慎重な対応と従業員への丁寧な説明、代替策(基本給引き上げや成果報酬制度の導入)の提示が必要です。労働組合との協議や個別同意の取得を経て、制度移行をスムーズに進めるのが現実的です。

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