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GISとは?地理情報システムの仕組み・建設・都市計画での活用事例

公開日: 2026/4/3

GISとは?地理情報を可視化・分析するシステムの基本

GIS(Geographic Information System:地理情報システム)とは、地理的な位置情報に紐づいた多様なデータを、地図上で統合的に管理・分析・可視化するシステムです。人口分布、土地利用、交通量、地質、気象、インフラ設備など、さまざまな情報を地図上に重ね合わせることで、空間的な関係性やパターンを直感的に把握できます。

都市計画、防災、建設、流通、不動産、環境保全など幅広い分野で活用されており、社会インフラに欠かせない存在となっています。近年は政府がオープンデータとしてGISデータの公開を進めており、2025年には国土交通省が全国の自治体から収集した都市計画GISデータのダウンロードサイトを公開しました。

GISの仕組みと構成要素

空間データ(ベクターデータ・ラスターデータ)

GISで扱うデータは大きく2種類に分かれます。ベクターデータは点・線・面(ポリゴン)で表現され、建物、道路、行政界などを正確に描画します。ラスターデータは画像形式(ピクセルの集合)で、航空写真、衛星画像、標高データなどを表現します。

属性データ

空間データに紐づけられた非空間情報です。例えば、建物ポリゴンに対して「築年数」「構造種別」「用途」「所有者」などの属性情報を付与し、条件に応じた検索や分析が可能になります。

空間解析機能

バッファ分析(指定距離内の対象抽出)、オーバーレイ分析(複数レイヤーの重ね合わせ)、ネットワーク分析(最短経路計算)、統計解析(空間的な相関分析)など、GIS固有の分析手法を提供します。

建設業でのGIS活用事例

施工管理と現場情報の可視化

GIS上に工事区間、進捗状況、資材配置、仮設計画などを表示し、現場全体の状況を俯瞰的に把握します。複数の工区が同時進行する大規模プロジェクトでは、工区間の干渉や資材搬入ルートの調整にGISが活用されています。

インフラ維持管理

道路、橋梁、上下水道、電力設備などのインフラ資産をGIS上で管理し、老朽化の進行度や点検履歴を地図上で可視化します。計画的な修繕と予算配分の最適化に貢献します。

環境アセスメント

建設プロジェクトの環境影響評価において、GISは生態系データ、水系データ、土壌データなどを統合し、環境への影響をシミュレーションするツールとして活用されています。

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都市計画でのGIS活用事例

土地利用計画

都市計画区域や用途地域、容積率・建ぺい率などの規制情報をGIS上で管理し、土地利用の現況分析や将来計画の策定に活用します。国土交通省が公開した都市計画GISデータにより、全国の計画情報への統一的なアクセスが可能になりました。

交通計画

GPS人流データと道路ネットワークデータを組み合わせた交通量推計、公共交通のカバレッジ分析、新規路線の需要予測などにGISが活用されています。

防災計画

ハザードマップの作成、避難ルートの最適化、避難所のカバレッジ分析など、防災計画の立案にGISは不可欠なツールです。洪水シミュレーションや土砂災害リスク評価にも活用されています。

スマートシティ構想

GISをプラットフォームとして、エネルギー消費データ、交通データ、環境データなどを統合し、都市全体の最適化を図るスマートシティの取り組みが各地で進んでいます。清水建設では、都市データ活用のためのGISプラットフォームを構築し、まちづくり計画の支援を行っています。

GIS導入のメリット

意思決定の質の向上

複雑なデータを地図上で直感的に把握できるため、関係者間の合意形成が促進されます。「どこで」「何が」「どの程度」起きているかを視覚的に共有できる点がGISの最大の価値です。

業務効率の向上

紙の図面や台帳で管理していた情報をデジタル化し、検索・更新・共有を効率化します。現場作業員がタブレットでGISデータにアクセスし、リアルタイムで情報を更新できる環境も実現しています。

データ資産の蓄積

GIS上に蓄積されたデータは、将来の計画立案やリスク分析に活用できる企業の知的資産となります。時系列データの分析により、トレンドの把握や予測も可能です。

GISの今後の展望

AI・機械学習との融合により、GISデータからのパターン自動認識や予測分析が進んでいます。また、3D GISやデジタルツインとの連携により、都市空間の立体的なシミュレーションが可能になりつつあります。IoTセンサーからのリアルタイムデータとGISの統合により、動的な都市管理プラットフォームとしての発展も期待されています。

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よくある質問(FAQ)

Q. GISの導入費用はどのくらいですか?

オープンソースのQGISは無料で利用可能です。商用ソフトウェア(ArcGISなど)は年間数十万円~数百万円のライセンス費用がかかります。クラウド型GISサービスも増えており、月額数万円から利用できるプランもあります。

Q. GISを使うには専門知識が必要ですか?

基本的な地図の表示や検索であれば、一般的なITスキルで操作可能です。空間解析や高度なデータ処理を行う場合は、GIS専門の知識やスキルが必要です。近年はノーコード・ローコードのGISツールも登場しています。

Q. GISデータはどこから入手できますか?

国土交通省の「国土数値情報」、総務省の「e-Stat」、国土地理院の「基盤地図情報」など、政府機関から多くのGISデータが無償で提供されています。民間のデータベンダーからは、より詳細なデータを購入することも可能です。

Q. BIMとGISの違いは何ですか?

BIMは個別の建物の3Dモデルと属性情報を管理するシステムで、設計・施工・維持管理に使われます。GISは都市・地域スケールの空間情報を管理するシステムです。両者を連携させることで、建物レベルの詳細情報と都市スケールの俯瞰情報を統合的に活用できます。

Q. 中小企業でもGISは導入できますか?

無料のQGISやGoogle Earthなど、コストをかけずに始められるツールがあります。まずは自社の業務で活用できる場面を特定し、小規模な導入から始めることをお勧めします。