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売上原価に含まれる減価償却費とは?計上基準・仕訳・製造原価との関係をわかりやすく解説

2026/9/16 (更新: 2026/9/1)

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売上原価に含む減価償却費の計上基準・仕訳・製造原価との関係を解説。製造業の実務論点を整理【2026年版】

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売上原価に含まれる減価償却費とは?計上基準・仕訳・製造原価との関係をわかりやすく解説

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2026/9/16 公開2026/9/1 更新

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売上原価に含まれる減価償却費とは?

減価償却費は、損益計算書上で「売上原価」と「販管費」のどちらにも計上される可能性がある費目です。その区分は、減価償却の対象となる資産が製品の製造に直接使用されるかどうかで決まります。

製造用の資産(工場建物、製造機械、金型など)の減価償却費は売上原価(製造原価)に含まれ、販売・管理用の資産(本社ビル、営業車両、事務用PCなど)の減価償却費は販管費に計上されます。

売上原価に含まれる減価償却費の具体例

資産計上区分理由
工場の建物売上原価(製造原価)製品の製造に直接使用される施設
製造機械・装置売上原価(製造原価)製品の加工・組立に使用される設備
金型・治具売上原価(製造原価)特定製品の製造に使用される工具
工場内の運搬車両売上原価(製造原価)製造工程内での材料・製品の運搬に使用
製造管理用ソフトウェア売上原価(製造原価)生産管理・品質管理に直接使用

販管費に計上される減価償却費(参考)

資産計上区分
本社オフィスの建物・内装販管費
営業車両販管費
事務用PC・プリンター販管費
会計ソフト・CRMなどの業務ソフト販管費

製造原価報告書における減価償却費の位置づけ

製造業の決算書では、売上原価の内訳を示す「製造原価報告書」が作成されます。この中で、減価償却費は製造経費の一項目として表示されます。

製造原価は以下の3要素で構成されます。

  1. 材料費:原材料、部品、消耗品の購入費
  2. 労務費:製造ラインの作業員の人件費
  3. 製造経費:材料費・労務費以外の製造関連費用(減価償却費、電力費、修繕費、外注加工費など)

つまり、売上原価の中の減価償却費は「製造経費 → 製造原価 → 売上原価」というルートで損益計算書に反映されます。

仕訳例

製造用機械の減価償却(売上原価計上)

取得価額2,000万円、耐用年数10年、定額法の製造機械の年間減価償却:

借方金額貸方金額
製造経費(減価償却費)2,000,000減価償却累計額2,000,000

この製造経費は、期末に仕掛品→製品→売上原価へと振り替えられます。

本社PCの減価償却(販管費計上)

借方金額貸方金額
減価償却費(販管費)75,000減価償却累計額75,000

業種別の考え方

製造業

工場関連資産が多いため、減価償却費の大部分が売上原価に計上されます。工場と本社が同一建物の場合は、床面積比で按分します。

小売業・サービス業

製造工程がないため、減価償却費はほぼ全額が販管費に計上されます。店舗の内装、什器、POS端末などが対象です。

IT・SaaS企業

サーバー・ネットワーク機器など、サービス提供に直接使用される資産の減価償却費は売上原価に計上するケースがあります。自社開発ソフトウェアの償却は、販売用なら売上原価、社内利用なら販管費が一般的です(キヤノンITソリューションズ)。

売上原価の減価償却費が経営分析に与える影響

粗利率への影響

製造設備の減価償却費が増えると、売上原価が増加し、粗利率が低下します。設備投資の多い製造業では、減価償却費の動向が粗利率を左右する重要なファクターです。

設備投資判断への影響

新規設備投資を行うと、翌期以降の減価償却費が増加し、売上原価が押し上げられます。設備投資の判断には、減価償却費の増加分を売上・効率改善でカバーできるかのシミュレーションが不可欠です。

よくある質問(FAQ)

Q. 減価償却費が売上原価に含まれると、粗利が減って不利ではないですか?

一見そう見えますが、製造原価を正確に把握するためには正しい区分が必要です。減価償却費を販管費に回すと粗利は高く見えますが、製品別の原価分析が不正確になり、誤った経営判断につながるリスクがあります。

Q. リース資産の減価償却費も売上原価に含めるべきですか?

はい、ファイナンスリースで取得した製造用資産の減価償却費は、自社所有資産と同様に売上原価(製造原価)に計上します。

Q. 減価償却方法(定額法・定率法)で売上原価への影響は変わりますか?

はい。定率法は初期に多額の減価償却費を計上するため、設備導入直後の売上原価が大きくなり粗利率が低下します。定額法は毎期均等に計上されるため、売上原価への影響が安定的です。

まとめ

売上原価に含まれる減価償却費は、製造に直接使用される資産(工場建物、製造機械、金型など)の減価償却費です。正しい区分は粗利率の正確な把握と製品別原価分析の精度に直結するため、会計方針に基づいて一貫した処理を行うことが重要です。


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FAQ

よくある質問

製造用の資産(工場建物、製造機械、金型など)の減価償却費は売上原価(製造原価)に計上されます。一方、本社建物やオフィス機器などの管理用資産の減価償却費は販管費に計上されます。対象資産が製品の製造に直接使用されるかどうかが区分の基準です。

製造原価は材料費・労務費・経費(製造経費)の3要素で構成され、減価償却費は経費(製造経費)に含まれます。製造機械や金型の取得費用を耐用年数にわたって費用化し、製品1個あたりのコストに配賦して原価計算を行います。

製造用資産の場合は借方が製造経費(減価償却費)、貸方が減価償却累計額です。決算時に製造経費は仕掛品・製品に振り替えられ、最終的に売上原価に含まれます。販管費の減価償却費は借方が減価償却費(販管費)、貸方が減価償却累計額です。

正確な原価計算と利益管理のためです。製造に使う資産のコストは製品原価に含めることで製品別の収益性を正確に把握でき、管理用資産のコストは期間費用として販管費に計上することで管理コストの効率性を評価できます。

定額法は毎年同額が原価に配賦され安定的です。定率法は初年度に多くの費用が計上され売上原価が高くなりますが、年数が経つにつれ減少します。方法の選択により各期の売上総利益が変動するため、業績評価や税務への影響を考慮して選択します。

製造用と管理用の資産を明確に区分する、固定資産台帳を正確に管理する、設備投資計画と減価償却費の予測を連動させる、税制上の特別償却や即時償却の優遇措置を活用するなどがポイントです。会計ソフトの固定資産管理機能を活用すると効率的です。

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