株式会社renue
renueについて
renueは、AIで業務を実装する会社です
AIコンサルティングから図面AI・広告運用エージェント・コールセンターAIまで、実際に動いているサービスをご覧いただけます。renueが何をしている会社か、まずはサービス一覧からご確認ください。
A2Aプロトコル(Agent-to-Agent)とは?
A2A(Agent-to-Agent)プロトコルとは、AIエージェント同士が相互に通信・連携するためのオープンな通信規約です。Googleの2025年4月9日発表は、Atlassian、Salesforce、SAP、PayPal等50社超の技術パートナーによる支持・貢献と、サービス提供企業の参加を報告しています。これは発表時点の参加説明であり、2026年現在の参画数や全社の本番導入完了数ではありません。
MCPがAIエージェントと「ツール・データ」の接続を標準化するのに対し、A2AはAIエージェントと「AIエージェント」の接続を標準化します。2つのプロトコルは補完関係として説明されています。併用を検討する際は、利用する仕様・SDKの版、ツール接続とエージェント間通信の責任範囲を確認することを提案します。
A2AとMCPの違い
| 観点 | MCP | A2A |
|---|---|---|
| 接続対象 | AIエージェント ↔ ツール・データソース | AIエージェント ↔ AIエージェント |
| 目的 | エージェントが外部ツールを操作する | エージェント同士が協力してタスクを遂行する |
| 提唱者 | Anthropic(2024年11月の公開発表) | Google(2025年4月) |
| 例え | 「USBケーブル」(機器とPCを接続) | 「電話回線」(人と人が対話) |
| ガバナンス | Agentic AI Foundation(Linux Foundation) | 2025年6月23日にLinux Foundationでプロジェクト発足。2026年8月17日にAAIFのホストプロジェクト参加を発表。原稿の「2025年末」という統合時点は未確認のため、A2Aの参加日として使用しないでください |
本記事では、MCPでエージェントに「手足」を与え、A2Aでエージェント間の「会話」を可能にするという組み合わせを検討例として提案します。採用する機能・認証・処理の責任範囲は、自社の業務要件と接続先に合わせて判断してください。
A2Aの仕組み
Agent Card(エージェントカード)
A2Aの中核概念が「Agent Card」です。JSON形式で自分が何ができるか(能力)、どのような入出力に対応するか等を宣言します。公式の発見方式には既知のドメインの所定URL、管理されたレジストリ、直接設定・非公開の探索があり、カードの公開だけで全エージェントを自動発見・最適選定するわけではありません。取得先・探索条件・選定処理はクライアント側で定めます。機密を含むカードにはアクセス制御が必要です。認証・認可は実装で行い、カードの認証方式宣言とは別に、資格情報の取得・要求の認証・スキル/データ/操作の権限判定を設計します。
通信の流れ
- 発見(Discovery):クライアントエージェントが、利用可能なエージェントのAgent Cardを取得
- タスク送信:クライアントが選定したエージェントにタスクを送信
- 実行と応答:受信エージェントがタスクを実行し、結果を返却。長時間のタスクでは、利用する仕様・実装が対応する進捗通知、状態・結果の取得、切断後の再接続方法を確認して設計してください。タスク時間だけでストリーミングの利用を決めないことを提案します
- 結果の統合:本記事の設計例として、クライアント側に複数エージェントの結果をまとめる処理を実装します。結果の統合・品質確認をプロトコルだけで完了する手順とせず、業務ごとに設計してください
A2Aの活用シナリオ
1. 部門横断の業務自動化
設計例として、営業エージェント(CRMデータ分析)、マーケティングエージェント(リード分析)、カスタマーサクセスエージェント(NPS分析)をA2Aで連携させ、統合的な顧客インサイトレポートの作成を支援する構成を検討できます。実装・データ権限・結果の品質と人の確認を設計し、公開された導入実績とは分けて扱います。
2. サプライチェーンの協調
設計例として、調達・在庫管理・物流のエージェントをA2Aで連携させ、需要予測や発注・配送計画の作成を支援する構成を検討します。プロトコルの採用だけで最適化や業務完了が保証されるとせず、制約・権限・確認と実行処理を設計してください。
3. 企業間エージェント連携
設計例として、自社と取引先のエージェント間で見積もり依頼・受注確認・請求書処理の情報を交換する構成を検討します。企業間の業務を対話だけで完結するとせず、相手の接続合意、取引権限、社内承認、例外・取消や監査記録まで設計してください。
導入のロードマップ
本記事では、「MCPファースト、A2Aは段階的に」を導入計画の検討例として提案します。共通の必須順序ではなく、既存接続・業務の依存関係・必要なエージェント数と運用体制に合わせて計画してください。
- フェーズ1:MCPで基盤構築:社内ツール・データベースをMCPサーバー化し、AIエージェントが社内システムにアクセスできる基盤を構築
- フェーズ2:部門内のエージェント連携:同一部門内の複数エージェントをA2Aで連携し、部門内業務の自動化を拡大
- フェーズ3:部門横断のエージェント連携:異なる部門のエージェントをA2Aで接続し、組織横断の業務自動化を実現
- フェーズ4:企業間のエージェント連携:取引先・パートナー企業のエージェントとA2Aで接続し、企業間プロセスを自動化
A2Aの課題と注意点
1. セキュリティと認可
エージェント間通信では、各エージェントにどこまでのアクセス権を付与するかの設計が重要です。企業間連携では、データの機密性と共有範囲、接続主体、権限、社内承認、例外処理と監査記録を要件として整理することを提案します。
2. 仕様の成熟度
2025年4月の発表時点と、現在採用する仕様の版を分けて確認してください。導入時には公式仕様・SDKの版、接続先の対応範囲、更新履歴と互換性を確認し、更新時の試験や運用を計画することを提案します。
3. エージェントの品質管理
本記事では、A2Aで連携する各エージェントの応答精度・レスポンス速度・エラーハンドリングを個別に試験し、接続したワークフローでも結果・遅延・例外を確認することを提案します。
よくある質問(FAQ)
Q. A2AはMCPの代替ですか?
いいえ。A2AとMCPは補完関係にあります。MCPはエージェントとツール・データの接続、A2Aはエージェント同士の通信を標準化します。両方を組み合わせるかは、業務に必要なツール接続とエージェント間通信の範囲を確認して判断してください。
Q. A2Aの利用にコストはかかりますか?
A2Aはオープンなプロトコルで、仕様を採用することとシステムの総費用は別です。AIモデルの利用料とインフラ費用に加えて、接続・タスク処理の実装、認証・権限設計、試験、監視、障害対応、仕様更新への追従等の工数や費用を見込みます。「モデルとインフラのみ」はこれらを除いた費用範囲として扱い、全体の導入・運用費用とは説明しません。
まとめ
A2A(Agent-to-Agent)プロトコルは、AIエージェント同士が相互に通信・連携するためのオープン標準です。MCPがエージェントとツールの接続を標準化するのに対し、A2Aはエージェント間の協調を標準化します。部門横断の業務、サプライチェーン、企業間プロセスなどで活用を検討できます。発表時の支持や構想を現在の普及速度・本番導入の成果に転用せず、接続・認証・処理・品質確認・継続運用を設計してください。
MCP・A2Aを使うエージェント基盤を検討する際は、対象業務・接続先・データ・認証・運用要件を整理してください。支援会社へ相談する際は、対応可否と専門範囲を個別にご確認ください。AIエージェント基盤に関するご相談はお問い合わせください。




