経費削減の成功事例5つを紹介!具体的な経費削減案も合わせて解説

経費削減の成功事例5つを紹介!具体的な経費削減案も合わせて解説

公開日: 2025/4/20

経費削減によって無駄を削ることで、自社の利益増加につなげられます。数々の有名企業も積極的に取り組んでおり、中には億単位の経費削減に成功した事例もあるほどです。

ただ、どの経費を削減すべきなのかは、企業によって異なります。自社では何から取り組むべきかと、迷ってしまうこともあるでしょう。

そこでこの記事では、以下の内容を解説します。

  • 経費削減の事例

  • 経費削減につながるコスト

  • 経費削減を成功させるために重要なこと

経費削減を検討している場合は、ぜひご一読ください。

経費削減につながる代表的なコスト

経費にはさまざまなものがありますが、以下の4つは削減することで利益向上につながりやすいです。

  1. 人件費

  2. オフィスコスト

  3. 採用コスト

  4. IT機器関連のコスト

経費削減のためには、どんなコストがあるのか理解しておくことが重要です。順番に見ていきましょう。

人件費

人件費は、数ある経費の中で最も大きな割合を占めています。具体的には、毎月の給与や残業代、通勤手当などです。

人件費の割合は業種によっても異なっており、卸売業では11%程度ですがサービス業は40%以上を占めています。

参照:TKC経営指標

なお、人件費削減の方法の一つにリストラがありますが、社員の反感を買い多数の離職につながる恐れがあります。

人件費は安易なリストラではなく、テレワークによる通勤手当の削減や残業を減らすなどの方法で削減するのが良いでしょう。

オフィスコスト

オフィスコストとは家賃やコピー機代、事務用品代など、オフィスで必要になる経費のことです。

特に家賃は毎月発生する大きなコストで、削減できると長期的に効果があります。

オフィスコストの削減には、テレワークの導入が有効です。出社する社員が少なければ、オフィスは小さくても良くなりますし、事務用品の数も抑えられるでしょう。

後述する経費削減事例の中には、光熱費削減でオフィスコストを減らし、経費削減につなげたものがあります。

オフィスコストを減らせる経費削減のアイディアについても後述しますので、参考にしてみてください。

採用コスト

採用コストは、人件費の次に多く発生する経費です。新卒採用・中途採用それぞれで発生するほか、企業説明会や求人広告の掲載も採用コストの一部です。

リクルートが発表した「就職白書2020」では、新卒採用では一人あたり93.6万円、中途採用では103.3万円程度の採用コストがかかっているというデータが出ています。

せっかく採用コストをかけて社員を採用しても、すぐに離職されては意味がありません。そのため、早期離職を防ぐことが採用コストを削減する上で大切です。

募集時にミスマッチを防ぐために、適性検査やインターンシップを導入するのも有効です。

また、会社説明会を動画にして公開することで、人的工数を減らし経費削減につなげるのも良いでしょう。

IT機器関連のコスト

パソコンやタブレットなど、IT機器の導入や利用に必要なコストです。近年IT機器は性能が高まっており、その分高価な機種も増えています。

デジタル化が急速に進んでいるため、IT環境の整備は各企業の課題のひとつです。しかし、頻繁に最新機種に買い替えていては、コストが大幅にかさんでしまいます。

IT機器関連のコストを減らすには、購入ではなくリース・レンタルを契約するという手があります。IT機器を購入するよりもコストが少なくすみますし、最新機器の利用も可能です。

ただ、使用目的や期間によっては、必ずしもリースの方が低コストとは限りません。使用目的・期間を考慮し、どのようにIT機器を導入するのがお得か検討しましょう。

経費削減に成功した5つの事例

経費削減には数々の企業が取り組んでおり、成功事例も多数です。その中でも特に大きな成果をあげた5つの事例を紹介します。

  1. 三菱UFJ銀行・三井住友銀行

  2. 諏訪中央病院

  3. ソフトバンク株式会社

  4. ダイキン工業

  5. 株式会社セブン-イレブン・ジャパン

順番に見ていきましょう。

三菱UFJ銀行・三井住友銀行|ATMを共有化

メガバンクとして有名な三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、ATMの共有化を始めました。平日の日中なら、どちらかの銀行カードがあれば手数料無料でATMを利用できます。

両行のATMは、600〜700以上のATMが近接していました。ATMの共有化によって、近接しているATMは廃止できるため、年数十億円の経費削減につながります。

銀行側だけでなく銀行の利用者にとっても、両行のATMどちらからでも利用できるのは利点です。経費削減しつつ利用者の利便性も向上させた、理想的な成功例と言えるでしょう。

諏訪中央病院|経営戦略室を新設し経費削減を推進

長野県にある諏訪中央病院では、院長直下のプロジェクトとして経営戦略室を立ち上げ、病院全体で経費削減に取り組みました。

緊急入院患者が多くベッドコントロールが難しい中で、年1.4億円もの経費削減に成功しています。

プロジェクトの立ち上げ当初は、改善協力に応じてもらえないこともありました。しかし、少しずつ成果が出たことで院内にコスト削減意識が芽生え、職員からも提案が出てくるようになっています。

特に経費削減の効果が出たのは、入院患者向けの食事改善です。給食業務を外部に委託したことで、人件費や材料面の大幅なコスト削減につながりました。

ソフトバンク株式会社|経費を200億円分削減

ソフトバンク株式会社では、実に1,000以上の細かい経費削減案を実施しました。その結果、200億円分の経費削減に成功しています。

さまざまな経費削減案の中で、最も効果があったのが社内業務や法人顧客との契約手続きのデジタル化です。

用紙代の削減や印紙税の節約につながっており、数億円の経費を削減できています。ソフトバンク株式会社に限らず、デジタル化が経費削減につながった事例は多数です。

従来の紙を使った形では、コストがかかるケースが少なくありません。社内業務の中で、デジタル化を進められるものはないか検討してみると良いでしょう。

ダイキン工業|技能訓練システムを導入

ダイキン工業の経費削減は、技能訓練システムの導入によって行われました。工場の技術者の訓練時間が半分になり、短時間での技術習得が可能となっています。

その結果、技術者が各拠点を回って技術指導する手間がなくなり、業務に時間をかけられるようになりました。即戦力として働ける人材も増加したことで、生産性もアップしています。

経費削減というと、何かをなくすことで実現するものに思えます。しかし、ダイキン工業のように、新たに導入することでも経費削減は可能です。

株式会社セブン-イレブン・ジャパン|ペーパーレス化や電力の削減

株式会社セブン-イレブン・ジャパンでは、伝票・帳票のデジタル化と電力代の削減により、経費削減を成功させました。

以前のセブン-イレブン・ジャパンでは、会計処理を全て紙で行っており、保管されていた紙データはおよそ2億2,000枚。用紙代と保管コストが、大きな負担となっていました。

しかし、紙データをデジタル化することで事務処理コストを減らし、年間14億もの経費削減につなげています。

また、電力代削減のために約6,900店舗の照明をLEDに変更したり、空調温度を調整したりすることで、ひと月の電気代を27%削減しています。

経費削減につながる具体的なアイディア

ここまでに解説した事例とも重なりますが、経費削減には以下のようなアイディアがあります。

  1. 白黒・両面印刷を活用する

  2. 接待・会食は最小限に抑える

  3. 中古品やリース品を活用する

順番に見ていきましょう。

白黒・両面印刷を活用する

資料のコピーは、白黒印刷・両面印刷で行いましょう。カラー印刷と片面印刷より安価ですみ、経費削減につながるためです。

白黒印刷にすることでインクの使用量が減り、カラー印刷に比べA4用紙で1枚あたり10円以上を節約できます。

両面印刷もコピー枚数が2枚から1枚に減るため、単純計算でコピーにかかる経費が半分になります。

印刷方法の変更は、すぐに取り組める経費削減案です。何から始めれば良いか迷うなら、白黒印刷・両面印刷への変更から取り組むのがおすすめです。

接待・会食は最小限に抑える

接待・会食は、必要最小限に抑えましょう。接待の数を減らすことで、交通費や交際費といった経費を削減できます。

接待・会食を社員の判断に任せているなら、承認制に変更するのが有効です。会社側が必要な接待・会食を絞れるため、効果的に経費を削減できるでしょう。

取引先との関係構築に接待・会食は必要ですが、やりすぎは経費を圧迫します。本当に必要なものだけに絞り、経費削減につなげましょう。

中古品やリース品を活用する

会社で使用する家具や備品の経費削減のため、中古品やリース品で揃えることも有効です。中古品やリース品の中には、新品同然で使えるものもあります。

PCのようなIT機器も最新モデルをリースで使える場合があり、必ずしも購入しなくて良いのです。

作業効率を落とさず少ないコストですめば、非常に効果的な経費削減策となります。

一度中古販売店やネットオークションなどを通して、どんなものを使えるのか探してみるのがおすすめです。

今回紹介した以外にも、経費削減につながるアイディアがあります。詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。

内部リンク:経費削減 アイディア

経費削減を成功させるために重要なこと

経費削減を成功させるには、以下3つのことを意識して実行することが重要です。

  1. 経費削減は社員の待遇アップにつながることを周知させる

  2. 商品・サービスの質は落とさない

  3. 経費削減の目標を設定する

順番に見ていきましょう。

経費削減は社員の待遇アップにつながることを周知させる

経費削減は会社だけでなく、社員にも利益があることを理解してもらいましょう。経費削減で会社に利益が出せれば、その分社員の待遇改善にもつながることを周知させるのです。

いくら会社に利益が出るとしても、自分たちに利点がなければ積極的な協力は得づらくなります。

しかし、ボーナスアップや待遇改善にもつながると分かれば、経費削減のための業務負担も受け入れてもらえるでしょう。

経費削減に協力してもらえるよう、社員側のメリットも十分に伝えることが大切です。

商品・サービスの質は落とさない

経費削減は、商品・サービスの質は落とさず維持した状態で行いましょう。商品・サービスの質を落としてしまうと、経費削減できたとしても利益も低下しかねません。

経費削減は、無駄を削り自社の利益を増やすために行うものです。最も重要な商品・サービスの質を落としてしまえば、顧客や従業員からの信用を失ってしまうでしょう。

一時的に利益率は上がるかもしれませんが、中長期的に見るとマイナスとなります。商品・サービスの質は維持した状態で、経費削減を進めましょう。

経費削減の目標を設定する

経費削減は、目標を設定した上で進めましょう。具体的には、削減する経費の金額や、達成時期などです。

目標を設定すると意識が高まり、経費削減を成功させやすくなります。しかし、目標を設定しなければ中途半端になり、経費削減の効果が限定的になってしまう恐れがあります。

経費削減は継続的に行うことが重要ですので、あまりに高い目標だと逆効果です。無理のない目標を設定し、継続的に経費削減を行いましょう。

経費削減の具体的な流れ

経費削減は、以下の流れに沿って行うと効果的です。

  1. 経費の割合を把握する

  2. 経費削減の優先順位を決める

  3. 社員全員に目的・意義を浸透させる

  4. 経費削減を進める

順番に見ていきましょう。

経費の割合を把握する

まずは自社の経費がどれくらいなのか、全体像を把握しましょう。必要な経費と削減できる経費を見極められ、削減に向けた具体的な行動が取れます。

経費にはさまざまなものがありますが、以下は比較的削減しやすく大きな効果が期待できます。

  • 人件費

  • 電気代

  • 通信費

  • ライセンス料

どの経費から削減するか迷うなら、上記のように効果が出やすいものから着手するのも良いでしょう。

改善対象は、企業によって異なります。まずは社内の経費の現状を把握し、削減対象と具体的な方法を検討してみてください。

経費削減の優先順位を決める

経費削減は、重要度の高いものから進めましょう。具体的な優先順位は、以下の通りです。

  1. 作業工数が少なくカットできるコストが大きい

  2. 作業工数が少なくカットできるコストが小さい

  3. 作業工数が多くカットできるコストが大きい

  4. 作業工数が多くカットできるコストが小さい

優先すべきは、手軽に始められ削減できるコストが大きい経費です。大幅なカットができたとしても、工数のかかるものだとなかなか成果が出ません。

経費削減は、作業工数が少なく削減コストが大きなものから始めていくのがおすすめです。

社員全員に目的・意義を浸透させる

経費削減にあたり、社員全員に目的と意義を浸透させましょう。社員の理解を得ておくことで、不満の発生を防げます。

また、経費削減は社員の協力が不可欠。社員の理解を得ることは、経費削減を効率的に進めるための協力体制作りにもつながります。

少人数での実行で削減できる経費には限界があります。「なぜコストの削減が必要か?」をしっかり伝え、社員の協力を得られるほどに目的・意義を浸透させましょう。

経費削減を進める

十分な検討・準備をした上で、経費削減を実行します。経費削減は、定期的な進捗確認をしながら行いましょう。

進捗を確認することで、臨機応変に経費削減案を変更していけます。もし進捗が良くない場合は、スピードを早める、別の方法を試すといった改善が可能です。

経費削減は、必ずしも思っていたように進まないことも多くあります。そのような際にすぐ対処できるよう、進捗は随時確認するのがおすすめです。

「SubFi for Business」を使うことで経費削減を効率化できる

経費削減はさまざまな企業が取り組んでおり、億単位を削減できた事例もあります。

成功事例の多くはデジタル化ですが、そのほかにも有効な方法は多数。無理なくできる削減策から、導入してみると良いでしょう。

なお、経費削減は「SubFi for Business」を活用しながら行うのがおすすめです。コストを表にまとめて可視化できるため、無駄な経費の分析や経費削減の進捗確認が行いやすくなります。

経費削減に役立つため、ぜひ「SubFi for Business」の活用を検討してみてください。